「すべての人間は、生まれつき、知ることを欲する」という一文から始まる本書を読む者は、師プラトンの説に対するアリストテレスの激烈な批判に目を見張らされるだろう。ここには、「真理も友もともに敬愛すべきであるが、友より以上に真理を尊重するのが、敬虔な態度である」といういかにも哲学者らしい彼自身の言葉の実践があるのである。
哲学のもっとも根本的な問題の探求をめぐるアリストテレス(前384-322)の一群の論文を集録した書。千数百年にわたって西洋の世界観に決定的な影響を与えたばかりでなく、西洋哲学の多くの基本概念を生み出した著作で、ここに示される問題分析の態度や発展流動する弁証法的思考方法は永久に研究者の模範となるものである。
イギリス社会が新興の中産階層の力で近代社会へと脱皮してゆくとき、その政治思想を代表したのがロック(1632-1704)であった。王権神授説を否定し、政治権力の起源を人びとの合意=社会契約によるとした本書は、アメリカ独立宣言の原理的核心となり、フランス革命にも影響を与えた。政治学史上屈指の古典の全訳。