【史記の世界〜古代中国から前漢に至る、激動のドラマ】…日本の偉人達も愛読してきた中国の歴史書『史記』。上古の黄帝から前漢の武帝までの二千数年の通史を、歴史家の司馬遷がまとめたもので、文学的名作としても高い評価を得ている。横山光輝をはじめとした名作漫画や小説などの創作から、日本の元号の出典に至るまで、今も大きな影響力を持つ名著から、中国の古代史を鮮やかに読み解く。
江戸後期の天保年間、老中水野忠邦から突然命じられた理不尽な三方国替え。越後長岡への転封を強いられた藩主を守ろうと、荘内藩の百姓たちは越訴のため黙々と江戸を目指す。深山にわけ入り間道を伝って歩き続ける領民の相貌と彼らを衝き動かした情動を精緻に描く、新装版の傑作歴史長編。
中国・明からの使節を迎え沸き立つ17世紀初頭の沖縄・琉球王国。だが、この国の平和は幕府を後ろ盾にした薩摩によって侵されつつあった。侵攻に膝を屈するか?独立をかけて抵抗するか?そして宗主国・明は助けてくれるのか?生き残りへ向けて琉球の闘いが始まる。沖縄、激動の時代を描く大河歴史小説。
怒涛の勢いで侵攻してきた薩摩軍に琉球軍はわずかひと月で降伏。奄美諸島は薩摩に割譲され、尚寧王は日本本土へと連れ去られる。属国へと堕ちながらも、明に対しては独立国の体面を見せねばならない王国の苦悩。しかし琉球の誇りを胸に秘め、「南海王国」建設へ人々の胎動が始まる。大河歴史小説、完結編。
江戸時代の初期から、各藩で発生したさまざまな「お家騒動」。原因となったのは、金銭をめぐる対立や父子の不和、家臣による派閥争いなど、現代に通じるものばかりだった。島津、伊達、黒田、加賀、秋田、越前で起きた各騒動の真相を、説得力あふれる筆致で描き出す。人間の本質に迫る、海音寺史伝文学の真骨頂。
お家騒動の原因は、継嗣問題そのものよりも、党派の抗争、主人と家老の抗争、新進の権力者と門閥重臣の抗争などであったー。越後、仙石、生駒、桧山、宇都宮、阿波。各藩内の諍いを、史実と知見を結集して鮮やかに再現する。著者独自の解釈も随所に展開し、武士の気質を浮き彫りにした史伝文学の名作。
浅野又右衛門の娘・寧子に恋する藤吉郎であったが、すでに浅野家には縁談があることを知る。相手はお小姓衆の一人、前田犬千代、のちの利家であった。猿と犬の四十年近くに及ぶ因縁はここに始まるのである。二人の間に友情が芽生え、犬千代から、寧子を頼むと懇願された藤吉郎。足軽三十名を預かる小隊頭も任され、慶福の絶頂にあった。しかし、隣国・駿河との小競り合いが続く中、永禄三年五月、ついに山が動く。今川義元、上洛!兵数、二万五千。対する織田軍、十分の一。絶望的であった。が、信長の元に、敵が狭隘な田楽狭間に向かい、兵馬を休息させているとの朗報が届く。その時、さらなる天のご加護が…!!藤吉郎の才知と信長の英断ー胸高鳴る長編歴史ロマン、第二巻!
100年後に残したいニッポンの
「伝統食」のいまを総力特集!
大特集は、『100年後に残したいニッポンの「伝統食」』。
凍みこんにゃくやへそ大根、いぶりがっこ、鮒ずし、たまりなど、
干す、漬ける、醸すといった伝統技法を活用して作る
保存食の「いま」を案内します。
また、日本の食文化の粋でもある「出汁」のひき方や
料理への用い方についても紹介。
日本料理の名店店主らが具体的なレシピ
とともに「極意」を伝えます。
<大特集/100年後に残したいニッポンの「伝統食」>
時季に採れるものを、いかに長くおいしく安心して食べていくか。
先人が知恵をこらして作り上げた伝統食の歴史や技術、
おいしさの秘密に迫ります。
凍みこんにゃく(茨城県)、へそ大根(宮城県)、
いぶりがっこ(秋田県)、鮒ずし(滋賀県)ほか、
冬場においしさが増す郷土色豊かな食文化を取り上げます。
<特集/紫式部と『源氏物語』を旅する>
世界最古の恋愛小説といわれる『源氏物語』。
大河ドラマ『光る君へ』で再び脚光を浴びる紫式部に
所縁の地や、現存最古の物語絵巻である『源氏物語絵巻』の
見どころなどを案内します。
旬の作家の旬の作品を掲載し続ける文芸誌特集【男人禁制】
◆押切もえ/ふきげんな女たちと桜色のバッグ
ーー文句ばかりで売れないモデルに、路代の我慢は限界に達し……
◆遠藤彩見/さじかげん
ーー料理下手に悩む沙代の前に現れたのは、おしとやかなマダムで
◆田中兆子/歓びのテレーズ
ーー今でも私をそう呼ぶ彼。たまたま回ってきた名札にあった名前だが
◆仲村かずき/アガタちゃんのこと
ーー冴えない中学時代を送っていた私の前に、あの人は突然現れた
◆奥田亜希子/ジャムの果て
ーーふつふつとジャムを煮る。ふつふつ、ふつと家族の思い出が蘇る
【新連載】
◆角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
ーー40日弱の漂流の果てに、一隻の鮪漁船はフィリピンに辿り着いたが
◆柚木麻子/BUTTER
ーー生きづらさの出口を探し、女性記者は殺人被告人へ接見を求める
【「三匹のおっさん2」スタート記念 ドラマ連動企画】
◆有川 浩/三匹のおっさん 特別読み切り
ーーあの三匹が帰ってきた! 夜回り中、誰もいるはずのない場所に影が
【連載第二回】
◆伊吹有喜/カンパニー
ーー共に目指していたはずの頂点。しかし由衣は信頼を裏切られ……
◆三羽省吾/ヘダップ!
ーーJFLの武山FCに入団した勇。鮮烈デビューのはずが、口が災いし
【好評シリーズ読み切り】
◆畠中 恵/りっぱになりたい しゃばけ シリーズ最終話
ーーご近所の大店へ通夜に訪れた若だんな。奇妙な相談を持ちかけられて
【連載コラム】
◆本の森
ーー新刊文芸書から、選りすぐりを紹介。
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子
【好評連載小説】
赤川次郎/7番街の殺人
朝井まかて/眩ーくららー
飯嶋和一/翼人のかたみ
木内 昇/球道恋々
近藤史恵/スティグマータ
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/最後の選択XI 名前のない古道具屋の夜
高田崇史/七夕の雨闇 毒草師 最終回
谷村志穂/アンクランプ
月村了衛/カーガー
楡 周平/ラストフロンティア
原田マハ/暗幕のゲルニカ
諸田玲子/風聞草墓標
山本一力/カズサビーチ ようそろ
【連載エッセイ】
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
二階堂ふみ/只今 文筆修業中
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル
◆図書室[一三〇枚]/岸 政彦
私は思い出す。大阪の片隅を男の子と歩いた、あの冬の日のことを。ふたりは人類滅亡後の世界で何を見たか? 静かに光る人生の瞬間。
【芥川賞受賞第一作】
◆アジサイ/高橋弘希
妻が家を出てから、庭にアジサイが咲いた。「理由」を探す男を侵す、甘い匂いと狂気。
◆ドレスセーバー/大前粟生
京都の鴨川デルタでは人が遭難し、私はそれを救助する。新世代の想像力、小誌初登場!
◆続アイオワ日記/滝口悠生
ハリケーンの警報が鳴っても、危険の感度は作家の出身国に紛争があるかによって違う。
◆ヘミングウェイ未発表小説
「中庭に面した部屋」/訳・解説 今村楯夫
パリ解放の日の戦地体験を描きながら、生前の発表を著者が禁じた幻の作品、遂に公開!
□□ 特集 □□
差別と想像力ーー「新潮45」問題から考える
■危機を好機に変えるために/星野智幸
■回復に向けて/中村文則
■すべてが嫌だ/桐野夏生
■平成最後のクィア・セオリー/千葉雅也
■言葉のあいだの言葉/柴崎友香
■「見えない世界」の外へ/村田沙耶香
■権威主義・排外主義としての財政均衡主義/岸 政彦
◆犬とエスキモー
ーーエトガル・ケレット、日本からの視察団と語る
/エトガル・ケレット 構成・訳 秋元孝文
特別な歴史。内在する圧倒的な差異。何から何まで日本と違う国からの刺激的メッセージ!
◆数多くの〈五月〉の後に/四方田犬彦
68年、あの興奮の日々から50年。回顧的情熱に満ちたパリから、無関心を装う国を考える。
◆そして、言語から生命へ[連載完結]/森田真生
フレーゲ、ウィトゲンシュタインから人工知能・人工生命へ。人の思考をめぐる旅、完結!
【宮本輝『流転の海』シリーズ完結記念】
◆敗戦後の日本で「父」となる男を描く
ーー宮本輝『流転の海』論/田中和生
◆巨大なる未完のテーゼ
ーー『流転の海・第九部 野の春』を読む/助川幸逸郎
英語の学習は趣味にしてしまおう!本へのアプローチ方法と読み方の基本から英語の文化、ジャンル別小説の読み方とおすすめ本まで。楽しみながら英語力を身につけよう。
“三本の矢”のエピソードでも知られている毛利元就は、戦乱の世に、所領わずか二万三千石の小大名の次男として生まれた。そして生涯、2000度以上の戦いを経て、中国10カ国を平定し大大名へとのし上がる。しかしこの稀代の名将は、なぜか一度として天下取りを目指すことはなかった。それはなぜなのか?受けの天才の隠された真意に迫る長編歴史小説の傑作。
21世紀初頭、ニューヨークを襲った9・11テロ事件以来、米国は圧倒的な軍事力を背景に、「悪の枢軸」ともくされ反米の立場を取る国々に対する粛清を開始した。北朝鮮を包囲するために、米海軍第7艦隊との共同作戦をとる海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」に乗艦した島和武3等陸尉、大賀剛一1曹ら180名余の「朝鮮有事派遣部隊」は陸上自衛隊誕生以来初めての海外派兵の途上にあった。本書は29年前に空前の大ヒット作となった『戦国自衛隊』の待望の続編である。
200X年、米朝関係緊張下に組織された「朝鮮有事派遣部隊」は、史上初の海外派兵途上でタイムスリップし、400年前の敦賀に漂着。時は戦国末期の関ヶ原合戦前夜、そこには彼らの知る正史とは微妙に異なる世界が展開していた。戦国大名・大谷吉継の庇護を受けることとなった100名余の自衛官らは、自らの生き残りを図るため西軍につき、石田三成らと命運を共にする決意をするが…。
200X年、米朝関係緊張下に組織された「朝鮮有事派遣部隊」は、史上初の海外派兵途上でタイムスリップし、400年前の敦賀に漂着。100余名の自衛官らは島和武の指揮のもと戦国大名・大谷吉継と共に、自らの生き残りを図るために関ヶ原の合戦に参戦するが、そこには自衛隊と同時にタイムスリップし、東軍・徳川家康側に味方する米軍がいた。壮絶なる白兵戦で形勢不利となった西軍・島津義弘は生き残った自衛官らと共に関ヶ原を脱出するが…。
関ヶ原合戦から2年。壮絶なる退き口で島津軍と共に薩摩に逃れた自衛官32名。徳川の執拗な追及を逃れ、宗凡の手引きで京へ匿われる。一方、穴生の里で才と暮らす大賀剛一は、妻子を殺され村を出た。「俺たちは火薬庫の中のマッチだ。二度と歴史に関わるまいと心に決めながら、結局どうしようもなく、また歴史に絡め取られている」-伏見城で家康暗殺に失敗した島和武は、豊家滅亡を企む徳川の不穏な動きに自衛官たちの運命を案じるが…。
織田信長の天下布武の構想を実現し、自らの人生をも切り拓かんとする黒田官兵衛は、羽柴秀吉のために、その知謀の限りを傾ける。毛利攻めから、中国大返し、山崎の合戦を経て、賤ヶ岳へ。荒木村重、柴田勝家など、戦国乱世を壮絶に生きた群雄たちを活写して、まったく新しい「官兵衛像」を確立した、著者渾身の「群雲」シリーズ、第二巨編。
秀頼の狙撃に失敗した大賀は、祐夢に匿われるも徳川に捕らえられる。桝屋に潜む島たちにも追手が迫っていた。徳川幕府二代将軍となった秀忠は、本多正純らと、大坂と戦端を開く準備を急ぐ。一方、大野修理は幕府を牽制するためにとき衆を大坂城に迎え入れる決断を下した。大坂へ向かう19名の自衛官。残った穴山は大賀の処刑を知らせるために単身、大坂へ走る。夏の陣開戦時、空に轟いたのは米軍の戦闘機・ハリアーの爆音だった。
尾張国中村の農家に奇異な赤ん坊が生れた。小粒で泣く力すらない。その場の誰もがそう思ったように、死産であったならば日本の歴史は変わっていただろう。やっと泣き出した嬰児は後の豊臣秀吉であったー。日吉と名付けられた自由闊達な子は、侍奉公という夢を抱いて家出し、各地を流転、世間を知る。そして、このお方こそ主君と選んだのが織田信長であった。御小人組に召し抱えられ、名を木下藤吉郎と改めると、主人の意を汲む能力を見いだされ、台所奉行、お厩方と出世をとげてゆく。そんな彼に生涯の伴侶となる寧子との出会いが待ち受けていた…。国民的歴史作家・吉川英治が、日本史上最大の出世物語を、親しみと愛情を一身に込めて描く長編歴史ロマン。