西郷隆盛は流れ弾に斃れたのではない。味方の薩軍が狙撃したのだという衝撃的事実。いったい誰が、何故撃ったのか。西南の役と現代を結ぶニューウェーブ短篇歴史小説5篇を収録。
老科学者の魂と引き換えにデーモンがこの世からカオスを消しにかかる。その日から世界は「創世記」を逆行しはじめ…。パロディによるカオス理論の入門編「カオス出門」。生命の進化をパロディ化した複雑系SF小説「進物史観」。複雑系研究の現状と舞台裏を明かす「バーチャル・インタビュー」。そして日頃の研究から科学者の夢、インターネット、文化論までを綴ったエッセイ「複雑系へのカオス的遍歴」。「重く暗く深刻そうに伝えると重要なことで、そうじゃないと軽くて重要でないっていう変な誤解を壊したい」という複雑系研究の第一人者が、多彩な表現で複雑系、カオス理論を説く。
とかく虚実のいり混じったこの世の中、嘘ともホントともつかない話がワンサカ。一見、まことしやかな話がとんだ眉睡だったり、古くさい迷信が見事な先人の知恵だったり。歴史から医学、心理、自然科学など、あらゆる珍説・奇説の嘘とホントに、喧喧囂囂迫る本。
混迷する日本経済へ歴史家の処方箋。本書は、歴史小説・経済史・文化史の分野で活躍する4人の著者が、身近なテーマから気宇壮大な理論まで、わかりやすく学生・ビジネスマン向けに叙述した100編の歴史随筆・史論集である。
京都室町、花の御所を舞台に、将軍義政の正室・日野富子の生きざまを描く長編小説。
東南アジア進出企業の韓国人、韓国商社員の見た文化摩擦、北京のコリアンタウン、映画の中の在外韓国人、出稼ぎに来た外国人労働者の悲劇、メキシコに同化した韓国系移民の子孫…。「世界化(国際化)」時代の韓国の光と影。
溌刺として挑発的で自信たっぷり。ミステリー界の多彩な“暗い営み”の裏も表も知りつくした著者が、生涯をかけて愛好してきた犯罪小説への個人的な思い入れに基づき、英米、欧州各国の三世代に及ぶ犯罪小説作家たちの作品の優劣を論じた最初、そして唯一の驚嘆すべき最高の歴史譚。MWA特別賞(エドガー賞)受賞。
戦国時代、小京都として栄えた石見国津和野を舞台に、高潔で思いやりのある城主吉見正頼と、大内義隆の重臣で西国無双の武将とうたわれた陶晴賢との命運を賭けた戦いを描いた前作。それに続く本作品では、毛利氏に臣従し、生き残りを賭けて各地を転戦する吉見正頼の家臣・堀治行と、その二人の子、永行と治永兄弟を主人公に、朝鮮半島での壮絶な戦いを活写する。
百万都市はこうして動いていた。暦と時刻から、グルメな江戸っ子を満足させた野菜や魚の調達ルートまで。住まいや職業、服装にお化粧、日常生活を彩る行事や娯楽まで、八百八町で暮らす人々の生活。治安を守る奉行所と役人をはじめ、栄華を極めた大奥から、下級武士の内職まで、将軍家と城下に暮らす武家の素顔。フルカラーの図版で徹底解説。
戊辰戦争の賊軍、会津藩家老の孫・山川捨松は、かつての宿敵だった薩摩閥の陸軍卿・大山巌と結婚した。鹿鳴館の名花といわれ、共に留学経験のある大山との仲は睦まじかった。だが、先妻の子供たちから受け入れられず、家庭内では苦悩の日々を送ることにー。明治のベストセラー小説『不如帰』のモデルで、先妻の娘を苛め抜いた継母といわれた捨松の実相に迫る。