長編歴史小説。関白秀吉が天下統一の野望に燃え、小田原城攻めを開始した天正18年。政宗は憤懣を胸中に秘め、遅れて参陣した。激怒する秀吉を相手に、無類の勝ち気な性格と型破りの言行で真っ向から挑む独眼竜の叛骨魂!
大いなる野望を託して支倉常長をローマへ派遣した政宗。だが、頼みとするエスパニヤ艦隊の来援は遂に幻と消えた。焦燥にかられる政宗の目前で、難攻不落を誇った大坂城は崩れ落ち、戦火の中に豊臣家は滅ぶ!
色白で目が大きく、「姫若子」と渾名されていた長宗我部家の若殿、元親は、初陣の日に意外にも勇敢な荒武者ぶりを発揮。やがて縦横の機略をめぐらし、周到な駆け引きによって、四国全土を掌握した。しかし、豊臣秀吉の台頭により、せっかく手に入れた三国を奪われ、もとの土佐一国にもどされる…。全国統一を夢みた男の野望に満ちた生涯を描く力作。
秀吉の臣下、武人加藤清正と商人小西行長の宿命の対決。彼らの胸に去来するものは-。
慶長五年、関ヶ原の戦いで西軍に与した真田昌幸・幸村父子は敗北し、高野山に蟄居となった。幸村に同行する妻・竹姫と子供たち。だが、高野山は女人禁制の地。妻子は夫と別々に暮らさなければならない。帰るべき実家を失った竹姫たちを待ち受けていたのは、過酷な日々であった。-綿密な取材と厖大な史料を駆使し、戦国武将の妻の視点から描いた長編歴史小説。
源平の戦いに、奥州藤原氏が立ち上がった!平泉の藤原秀衡の許に身を寄せていた源義経は、頼朝挙兵の報を受け、鎌倉へ馳せ参じる。頼朝の隙を突き、京へ入った木曽義仲は後白河法皇を幽閉、その傍若無人ぶりに業を煮やした秀衡は、ついに奥州軍を南下させる。しかし、頼朝は秀衡を迎え撃つべく…。歴史の転換期を新視点で捉えなおす、もう一つの歴史物語。
200X年、米朝関係緊張下に組織された「朝鮮有事派遣部隊」は、史上初の海外派兵途上でタイムスリップし、400年前の敦賀に漂着。100余名の自衛官らは島和武の指揮のもと戦国大名・大谷吉継と共に、自らの生き残りを図るために関ヶ原の合戦に参戦するが、そこには自衛隊と同時にタイムスリップし、東軍・徳川家康側に味方する米軍がいた。壮絶なる白兵戦で形勢不利となった西軍・島津義弘は生き残った自衛官らと共に関ヶ原を脱出するが…。
幼名猿千代。ただ一度だけ対面した父利家に“眼の内はよろし”と誉められ、兄利長の継嗣となる。利光を名乗り、わずか十三歳で海内随一の大大名加賀百万石を継いだ。その後、大坂の役では先鋒として出陣、家康の孫松平忠直と戦功を競う。前田家取りつぶしを画策する徳川方の陰謀に、股肱の臣の富田重政・重康父子の協力を得て、危難を脱するが…。
弘治三年、信長と尾張の豪族の娘・吉乃の間に奇妙(信忠)が生まれた。奇妙十一歳の時、信玄の娘・松姫と婚約が成立する。戦国の世の習いで、政略婚と知りながら会見した二人は、即座に相惹かれあった。だが、三方原の合戦で信長が家康を扶けたために、織田と武田は絶縁。さらに信玄の死で、愛し合う二人は…。著者が渾身の筆致で書き下ろす、戦国悲恋物語。
太閤秀吉が世を去り、天下の実権が関ヶ原で争われている頃、政権交代の混乱に乗じて政宗は和賀郡を奪取することを企てる。奥州に波乱を巻き起こした政宗だったが、天下人となった家康の不興を買ってしまう。だが一方で、南蛮との貿易ルートに財政の活路を見出し虎視眈々と好機を待ち続けていた。最後まで天下を諦めなかった猛将の生き様を描く傑作戦国小説。
リーダーは何を読み、考え、行動しているのか。“知を着こなす”経営トップ39人が薦める歴史、哲学、文学、経営書160冊。
われこそは龍馬暗殺の下手人の遺族と名乗る老女、家康の六男の見果てぬ夢、堺事件…虚実のあわいを往き来するもよし、人情に涙するもよし。二十世紀を代表する小説家二十七人が、日本人の心の奥に眠る遠い記憶を探る。われわれは何処から来て、何処へ行くのかー眠狂四郎、鬼平といったおなじみのヒーローのほか、歴史時代小説史を彩る名作傑作短篇が一堂に会するアンソロジー。
信州善光寺の行人・次郎三郎と仲間たちは、領地の切り取りに鎬を削る戦国大名たちを相手に、敵味方なく馬や兵糧などを取り引きする武辺の商人。織田勢に包囲された城に潜入して米を届けるような、度肝を抜く知恵と行動力で乱世を生き抜いている。次郎三郎とは誰あろう後に大坂方の知将として名を馳せる真田幸村の祖父・幸綱その人であった。真田一族の栄枯盛衰を描く戦国大河小説第一弾!(書下し)
江戸後期の天保年間、老中水野忠邦から突然命じられた理不尽な三方国替え。越後長岡への転封を強いられた藩主を守ろうと、荘内藩の百姓たちは越訴のため黙々と江戸を目指す。深山にわけ入り間道を伝って歩き続ける領民の相貌と彼らを衝き動かした情動を精緻に描く、新装版の傑作歴史長編。
将軍家から朝廷に嫁いだ和子は、宮廷の女たちの巧妙な妨害により、帝と心を通わすことがなかなかできずにいた。周囲のはからいでようやく二人の仲が深まったのは、入内から二年四ヵ月後であった。和子はあまたの子をもうけ国母となるも、幸福は長続きしない…。愛と哀しみに翻弄された生涯を描く大作、感動の結末へ!
お家騒動の原因は、継嗣問題そのものよりも、党派の抗争、主人と家老の抗争、新進の権力者と門閥重臣の抗争などであったー。越後、仙石、生駒、桧山、宇都宮、阿波。各藩内の諍いを、史実と知見を結集して鮮やかに再現する。著者独自の解釈も随所に展開し、武士の気質を浮き彫りにした史伝文学の名作。