夫・秀吉の死後、髪を下ろして高台院と号したおね。当初、五大老の筆頭・家康は、人心収攬のためおねに取り入る。だが、大坂冬・夏の陣を経て家康が野望を達成するや、彼女の運命は一変した。徳川政権の安定と存続を願う家康は、秀吉を祀った豊国神社破壊を命じるなど豊家に難題をつきつける。ひたすら夫の墓守をして静かに余生を送ろうとしたおねだったが…。
弘治三年、信長と尾張の豪族の娘・吉乃の間に奇妙(信忠)が生まれた。奇妙十一歳の時、信玄の娘・松姫と婚約が成立する。戦国の世の習いで、政略婚と知りながら会見した二人は、即座に相惹かれあった。だが、三方原の合戦で信長が家康を扶けたために、織田と武田は絶縁。さらに信玄の死で、愛し合う二人は…。著者が渾身の筆致で書き下ろす、戦国悲恋物語。
稀代の伝奇小説作家による、晩年の傑作時代小説を集成。長・中篇3作、短・掌篇14作、すべて全集未収録作品、紀行/評論11篇、すべて初単行本化。
旅行記を書いてみたいという人は多い。しかし他人に読ませ、さらには出版しようとなると、それなりの書き方がある。旅行記を書くにあたっての留意点、ぜひとも読んでおきたい名旅行記の紹介、作品を出版社に売り込む方法まで、紀行でもおなじみのベストセラー作家・岳真也がわかりやすく解説。
ソフトバンク・孫正義、花王・後藤卓也、松井証券・松井道夫、JR東海・葛西敬之、ファーストリテイリング・柳井正…日本の経営者28人が登壇。
関ヶ原合戦から2年。壮絶なる退き口で島津軍と共に薩摩に逃れた自衛官32名。徳川の執拗な追及を逃れ、宗凡の手引きで京へ匿われる。一方、穴生の里で才と暮らす大賀剛一は、妻子を殺され村を出た。「俺たちは火薬庫の中のマッチだ。二度と歴史に関わるまいと心に決めながら、結局どうしようもなく、また歴史に絡め取られている」-伏見城で家康暗殺に失敗した島和武は、豊家滅亡を企む徳川の不穏な動きに自衛官たちの運命を案じるが…。
慶応四年、鳥羽伏見の戦いに敗れた十五代将軍徳川慶喜が江戸へ逃げ帰って来た。慶喜追討令が出され、江戸へ向かって官軍が進発しようとしている。このままでは、江戸が火の海に包まれる。慶喜から朝廷との仲立ちを頼まれた皇女和宮の密命を受けた大奥上臈・土御門藤子は、一路京へ向かうが…。
十七・十八世紀スコットランドの歴史を彩った多彩な人間像をいきいきと蘇らせたウォルター・スコットの小説を読む。
坂本竜馬、土方歳三、西郷隆盛、そして歴史に名を残すことなく果てた無名の人々。幕末の激動期を駆けぬけた彼らに、司馬遼太郎は何故に惹きつけられたのか?歴史を俯瞰する冷徹な視点と、ひとの心のひだにそっと分け入る温かな眼差し。雄大かつ繊細な司馬史観の原点を伝え、『竜馬がゆく』『燃えよ剣』など初期傑作の創作過程が垣間見られる充実のエッセイ集が読みやすい大きな字で新登場。
「悪女は美女でなければならない。周囲に大きな影響を及ぼす女でなければならない。まっとうでない男性関係がなければならない」-マリー・アントワネット、ジャクリーン・オナシス、和泉式部、楊貴妃、ボニー・パーカー…大胆な恋に生き、時代を颯爽と駆け抜けた、魅力ある女たちの光と陰を描く、人物評伝の名著が復活。
怒声と哄笑、砂煙をあげて駆けぬける人馬ー覇者・家康が治める江戸。争乱のるつぼで生まれ育ったお六は、そんじょそこらの小娘ではない。愛くるしい笑顔の内に、とてつもない図太さを秘めていた。栄耀栄華を手に入れたい、我が手で天下を取りたい。-恋も財も地位も、すべてを欲しがった女、徳川家康最後の側室・お六。その激しくも儚い生涯を描く傑作長編。
三条公頼の次女・倫子は武田晴信(信玄)に嫁ぐ。二人は仲睦まじく暮らし、子宝にも恵まれた。父・信虎を追放し、武田宗家を継いだ晴信は、外征だけでなく、内政の充実も図る。一方、倫子は三男の病死に続き、父・公頼の非業の死に嘆き悲しんでいた。そんな折、夫と嫡男・義信が対立。夫は、逆意ありと義信を篭舎させる。茫然自失の倫子は…。
戦国時代の合戦で活躍した雑兵足軽たち。勝敗を決する部隊の主役でありながら、武将の陰で注目されてこなかった彼らの戦いの実像を、正確な考証とリアルなイラストで再現。足軽のルーツ、合戦への動員のされ方、給料の額、集団戦法と武器の使用法など満載の、ビジュアル歴史読みもの第2弾。
主人公、脇役、端役…キャラクターの魅力で読みとく時代小説の新しい楽しみ。充実の巻末資料、便利な総索引つき。
なぜ、広い世界に目を向けようとしないのか?-米国総領事ハリスの嘆きは、同時に井伊直弼の嘆きでもあった。もはや世界の趨勢を止めることはできない。徒らに攘夷を叫ぶことは、日本国自体を滅亡させることだった…。腹心長野主膳、それに直弼の密偵として、また生涯を賭して愛を捧げたたか女を配し、維新前夜に生きた直弼の波瀾の生涯を描く、不朽の名作。