ロマン派前後から現代までイギリス近代文学の実態をさぐる29編の試み。
西郷隆盛は流れ弾に斃れたのではない。味方の薩軍が狙撃したのだという衝撃的事実。いったい誰が、何故撃ったのか。西南の役と現代を結ぶニューウェーブ短篇歴史小説5篇を収録。
正宗白鳥が書いた信長は、はたして名将か否か。林芙美子は秀吉にいかなる評価を下すのか。円地文子の筆は上田秋成をどう描き、はたまた安吾は蝮の道三といかに対峙したのかー二十世紀を代表する小説家二十七人が、自らが立つ場所を見捉え、日本とは、そして日本人とはなにかという命題に挑んだ答えがここにある。歴史時代小説史に輝く名作傑作短篇が一堂に会するアンソロジー。
われこそは龍馬暗殺の下手人の遺族と名乗る老女、家康の六男の見果てぬ夢、堺事件…虚実のあわいを往き来するもよし、人情に涙するもよし。二十世紀を代表する小説家二十七人が、日本人の心の奥に眠る遠い記憶を探る。われわれは何処から来て、何処へ行くのかー眠狂四郎、鬼平といったおなじみのヒーローのほか、歴史時代小説史を彩る名作傑作短篇が一堂に会するアンソロジー。
老科学者の魂と引き換えにデーモンがこの世からカオスを消しにかかる。その日から世界は「創世記」を逆行しはじめ…。パロディによるカオス理論の入門編「カオス出門」。生命の進化をパロディ化した複雑系SF小説「進物史観」。複雑系研究の現状と舞台裏を明かす「バーチャル・インタビュー」。そして日頃の研究から科学者の夢、インターネット、文化論までを綴ったエッセイ「複雑系へのカオス的遍歴」。「重く暗く深刻そうに伝えると重要なことで、そうじゃないと軽くて重要でないっていう変な誤解を壊したい」という複雑系研究の第一人者が、多彩な表現で複雑系、カオス理論を説く。
とかく虚実のいり混じったこの世の中、嘘ともホントともつかない話がワンサカ。一見、まことしやかな話がとんだ眉睡だったり、古くさい迷信が見事な先人の知恵だったり。歴史から医学、心理、自然科学など、あらゆる珍説・奇説の嘘とホントに、喧喧囂囂迫る本。
混迷する日本経済へ歴史家の処方箋。本書は、歴史小説・経済史・文化史の分野で活躍する4人の著者が、身近なテーマから気宇壮大な理論まで、わかりやすく学生・ビジネスマン向けに叙述した100編の歴史随筆・史論集である。
京都室町、花の御所を舞台に、将軍義政の正室・日野富子の生きざまを描く長編小説。
東南アジア進出企業の韓国人、韓国商社員の見た文化摩擦、北京のコリアンタウン、映画の中の在外韓国人、出稼ぎに来た外国人労働者の悲劇、メキシコに同化した韓国系移民の子孫…。「世界化(国際化)」時代の韓国の光と影。
溌刺として挑発的で自信たっぷり。ミステリー界の多彩な“暗い営み”の裏も表も知りつくした著者が、生涯をかけて愛好してきた犯罪小説への個人的な思い入れに基づき、英米、欧州各国の三世代に及ぶ犯罪小説作家たちの作品の優劣を論じた最初、そして唯一の驚嘆すべき最高の歴史譚。MWA特別賞(エドガー賞)受賞。