父・信玄の遺志を継いだ勝頼は、長篠・設楽原で宿敵織田信長に決戦を挑んだ。が、圧倒的な数量の鉄砲の前に、多くの将兵が倒れ、無敵を誇った騎馬軍団は潰滅。甲斐源氏の嫡流・武田一族は滅亡への道を歩む。
桶狭間の一戦を機に、天下は新しい覇権争いのるつぼと化す。新興信長、秀吉、家康の蔭で、「草」となって東奔西走する半蔵。彼を慕う美少女みほ。2人の上にふたたび魔の手が迫る!佳境に入る長編歴史ロマン。
松平自由は、諏訪湖畔をドライブ中、自動小銃で武装した一団に襲われ、恋人の原沙世を連れ去られた!東京の原家を訪ねた松平は、武田信玄24将の一人・原美濃守を祖に持つ原家が、信玄直系で甲武工業のオーナー家である武田家と、信玄の隠した八門秘宝をめぐって対立している事実を知る。さらに、紹介された内閣調査室の今井から、武田家の恐るべき陰謀を聞かされ、沙世救出のためにも武田家と闘うことを誓った。しかし、武田家には、八門秘宝を死守する強大な影の組織が!吹き荒れるバイオレンス!八門秘宝の謎!信玄は果たして誰だったのか。驚天動地の新説!書下ろし長編歴史推理の白眉。
安政の大獄を断行し、開国へ踏み切った大老井伊直弼は、水戸攘夷派の手によって雪の桜田門外に倒れた。理解者を失った“懐刀”長野主膳の運命は!?彦根藩35万石の前く末は?重厚な筆致で綴る本格歴史小説。
流浪の国学者長野主膳は、彦根城内の埋木舎に不遇の日々を送る井伊直弼と知り合い、肝胆相照らす。やがて家督を相続した直弼は、幕府の期待を担って大老に就任。主膳は、その“懐刀”となる。長編歴史小説。
川中島で竜虎相打つ信玄、謙信はじめ、諸将群立して天下をめざす。伊賀を出国した半蔵は、みほを抱き、勾当段蔵やスッパらを相手に東西を転戦するが、世はまさに一局の碁。盤上に烏鷺が躍り、混沌の渦に。
将軍義輝が殺され、様相は一変する。乱世を抜け出し天下布武をめざす信長をめぐり、信玄が動き、一向一揆が起つ。剣刃上を歩む半蔵とみほに、またも勾当段蔵らの魔の手が迫る。煌くか水月の剣。
「狙いは本能寺にあり」-明智光秀の采配で、幼い福の運命は一変した。父の非業の死、一家の離散、激変する境遇の中、女が「天下を取る」には…。3代将軍家光の乳母として、大奥に威勢を振るった女の生涯を描く大作。
新将軍義昭を擁立して入京を果たす信長に、追い落としを狙った大包囲網が…。伊賀忍を率いる半蔵の前に魔影が跳梁、勾当段蔵との対決が迫る。天下は騒然、燃え立つ業火はさらにつぎの決戦場へと拡がる。
お福(後の春日局)は、稲葉正成の許に嫁ぎ三人の男の子を生していた。稲葉正成は小早川家の家臣として一生を終わるのをよしとせず、生家の美濃に戻っていたが、愛妄に溺れ、呆けのようになっていた。夫の醜態に愛想を尽かしたお福は、長子・千熊を連れて出奔、京へのぼった。幼児を抱え途方にくれるお福だったが、遠縁にあたる小野お通をとおして、徳川家世子・竹千代(後の三代将軍家光)の乳母という大役を将軍家より受けた。大奥に権勢を振るった春日局の隠された内実を鋭く抉りながら、波乱に満たち女の生涯を綴った書下ろし長編歴史小説の白眉!
怒涛の元亀・天正時代が幕をあけた。将軍義昭のあくなき陰謀に、信長と信玄がしのぎを削る。向背党なき松永弾正、擡頭する家康。乱波・風魔党や百地党が跳梁する東西の戦場を、忍道一途の半蔵が行く。
密命を帯びた福は伊勢参宮と清水寺詣でにと上洛して禁中に参内。従三位春日局の称号を賜った福は、家光の幕閣作りに参画し、大奥では家光の男色を直して多くの側室を配し、徳川の天下を築いていく。波瀾万丈の完結編。
盟友明智光秀と共に足利義昭の将軍擁立に奔走し、やがて信長に臣下に。戦国の世を生き、傍ら茶道・和歌の世界に独自の境地を切り開き、世に“文芸大名”と称された細川藤孝(幽斎)・忠興父子の数奇な生涯を描く。
姉川、三方ケ原、長篠に合戦が続き、本願寺が立ち、流亡将軍足利義昭が策動するなか、信玄は斃れ、信長は“魔王”と化す。波瀾をよぶ天下に、異国から妖士が登場。果たして雲表を翔けるか、半蔵とその一党。
死の床にある秀吉をめぐって、北政所と淀殿、石田三成と古参の武将たちが激しく対立。慎重に時を待つ家康の巨大な影が、無言の圧力となって人々を脅かす。知性の人・石田三成の悲劇を描いた長編歴史小説。
貝貨・銅貨・金銀貨…。お金と人のかかわりを『文字と言葉と写真』でつづった金・貝の百話。