名古屋コーチンをつくったサムライ兄弟、瀬戸を蘇らせた磁祖・民吉、名古屋を維新の戦火から救った十四代藩主慶勝、通し矢で天下一となりながら夢を果たせなかった挙母藩士、新聞王・衆議院議長を産んだ、黎明期の中京言論界…等々をつづった歴史小説の第一弾。
三条公頼の次女・倫子は武田晴信(信玄)に嫁ぐ。二人は仲睦まじく暮らし、子宝にも恵まれた。父・信虎を追放し、武田宗家を継いだ晴信は、外征だけでなく、内政の充実も図る。一方、倫子は三男の病死に続き、父・公頼の非業の死に嘆き悲しんでいた。そんな折、夫と嫡男・義信が対立。夫は、逆意ありと義信を篭舎させる。茫然自失の倫子は…。
明治五年、岩倉政権に明治政府発足以来の外圧による危機が襲ってきた!横浜港に停泊するペルー船マリア・ルーズ号から脱走した中国人苦力二人の処遇をめぐりイギリスなど欧米列強が日本政府に干渉してきたのだ。さらにこれを見越したかのように、日本周辺からも次々と列強の圧力の嵐が…。不凍港を求め南下を狙うロシア。鎖国政策をとる李氏朝鮮の宗主国・清。急遽、総理となった龍馬は事態打開に、西郷を朝鮮に派遣するが、国交樹立に漕ぎ着けたそのとき、清国の砲弾が日本を…!黎明期の日本を新しい視点で問い直した好評、書下ろし奇想歴史シリーズ、ここに堂々の完結。
慶長5年(1600年)、伊達政宗は、関ケ原に向かう徳川家康に呼応し、上杉景勝と睨み合いをつづけていた。関ケ原の合戦に勝利するには、上杉軍の追撃を阻止しなければならないー。しかし、家康の運命が政宗の手に握られたそのとき、政宗は景勝と密かに和睦、矛先を江戸城攻撃へと翻した!綿密な考証のもと、歴史を大胆な発想で捉えなおした、新感覚歴史小説。
世界最強の米戦艦ミズーリ号は、重巡ヘレナと二隻の駆逐艦とともに朝鮮海峡を航行している途上、影の艦隊の超高速駆逐艦波風に遭遇した。ただ一隻の駆逐艦では勝敗は一瞬で決まるかに見えたが、波風は米駆逐艦一隻を撃沈したばかりか、全力で向かってくる。両艦の距離が千メートルを切った矢先、ついにミズーリ号は大砲撃を開始した。次々に盛り上がる水柱。波風、危機一髪か?ミズーリ号の放った魚雷が波風を完全に射程にとらえた瞬間、突然、波風の姿が消滅した。確かに消えた…。いったい何が起こったのか?
人足として佐渡に送られた無宿人たちと、その監視役を任命された若者の交流(「江戸山狼」)。志賀島の百姓が田圃で見つけた金塊がもとで商人、学者、郡奉行を巻き込む大騒動に(「金印」)。藩の窮乏を救うため、密貿易に手を染めた藩士が、朝鮮国で起こした事件の波紋(「倭館」)。七つの島にまつわる歴史と風土、そして心温まる人々の生きざまを活写した珠玉の短編集。
慶長三年八月、太閤逝くー。秀吉の遺法を犯して、その勢力を伸ばさんとする家康の権謀。対峙する石田三成は、上杉景勝と結んで、東西挟撃の策を練る。迫り来る動乱の機運に、自らと一族の明日を賭ける群雄たち。日本史上最大の合戦をめぐる男たちの生きざまを、厖大な史料を駆使して、雄渾かつ精緻な筆致で描き上げた史上最強の歴史巨編、待望の登場。
足利家の衰退とともに始まった下克上の時代を生き抜き、弾正として苛烈な腕を振るい、それゆえに後世、あらぬ汚名を着せられてしまう松永久秀の半生を描く表題作の「村雨の首」や歴史の転換期を激しく生きた男たちと関わった女性を描いた「凶運の妻ー藤原薬子」「琴瑟の妻ーねね」「人形の日々-千姫」「夢去来ー龍馬の恋」など、歴史の中で歪められてきた人物像に新たな光を当てる傑作歴史小説集全九篇。
美濃大垣藩の表祐筆・魚住伝十郎の妻子が、根尾谷で猪神と呼ばれる大猪に惨殺された。伝十郎は役職を辞し、猪神にくわえ去られた娘の遺骸探索に執念を燃やし、山中に分け入る。一方、足軽横目の古藤田平八は、猪害防止のため根尾谷全村を頑強な石垣で囲う難事業に挑む。田畑の豊饒を襲う猪群。猪神退治で目的を同じくした二人の男の友情、その結末は…。
天正五年、十四歳の咲姫は、甲斐の太守武田勝頼に輿入れした。織田・徳川連合軍に大敗した武田は、甲相同盟の強化を計る。だが、やがて咲姫の兄・北条氏政が、勝頼との同盟を反古にし、織田と同盟を結んだ。木曾義昌の謀叛、さらには武田一門筆頭の穴山梅雪の逆心と、名門武田氏は滅びの道を辿るが…。悲運の武将・武田勝頼を敬愛し、殉じた女の生涯を活写。
京の伏見で船宿・寺田屋を営むおとせ。黒船以来、世相は風雲急を告げ、薩摩藩御定宿の寺田屋にも若き勤王の志士たちが集う。おとせは彼らの面倒をみるが、その中に、土佐の脱藩浪人・坂本龍馬の姿もあった。長編歴史小説。
源平の戦いに、奥州藤原氏が立ち上がった!平泉の藤原秀衡の許に身を寄せていた源義経は、頼朝挙兵の報を受け、鎌倉へ馳せ参じる。頼朝の隙を突き、京へ入った木曽義仲は後白河法皇を幽閉、その傍若無人ぶりに業を煮やした秀衡は、ついに奥州軍を南下させる。しかし、頼朝は秀衡を迎え撃つべく…。歴史の転換期を新視点で捉えなおす、もう一つの歴史物語。
楼桑村の一青年、劉備・字玄徳は、天下のために関羽、張飛と義兄弟を約す“桃園結義”を結び、世に打って出る!天下奪りに立ち上がった劉備の心に秘めた夢は何か。以来百年、三国興亡のドラマがここに始まる。世に三国志本は数あるが、ここまで不可解な事件の謎と人物を徹底解明して、史実を超訳するわかりやすさ。韓国国民的作家による三国志、待望の文庫化!長編歴史小説。
坂本龍馬、暗殺者の凶刃を逃れる!九死に一生を得た龍馬は、廃幕による改革を目指し、陸奥宗光とともに精力的に動き始める。が、討幕の気運は諸藩に広がっていた。長州に続き、薩摩の西郷隆盛も武力討幕へ傾いていく。さらに諸外国までもが、龍馬の志を阻もうと…。龍馬が生きて明治を迎えたら日本はどうなったか。大胆な発想で描くもう一つの歴史物語。
燦然と輝く黄金づくりの天冠を額につけた巴御前は、この国を一人でしろしめす院政という名の独裁政治を国民の大衆僉議による新しい国づくりに変えるべく、愛する義仲と共に都入りを果たしたが…。
豊臣恩顧の福島政則、加藤忠広らの改易が続くなか、利常は英知を駆使して前田家の安泰を目指す。武威の徳川に対し、“文化立国”で挑戦する利常。諸国から一流の職工、芸術化を招き、金沢城下に絢爛豪華な百万石文化を築く。辰巳用水の掘削、“改作法”など、善政を敷いた名君の実像を『前田利家』『前田太平記』の著者が渾身の筆致で描く、長編歴史大作。
但馬出石藩(兵庫県)の当主・仙石道之助の廃嫡を狙って、実父播磨守と国家老の仙石左京が暗躍。江戸詰勤番侍・金子半十郎は、但馬出石五万八千石の行く末を案じ、あえて不忠の臣となることを決意した!
歴史・時代小説ファン必携。名字・系図から見えてくる、歴史・時代小説のヒーローたちの「なるほど学」。