冬の白鳥だけが名物の東北の町で、筋金入りのバンカラ高に通う「僕」。先輩からイビられる非モテの日々-地元のローカル番組で「おもしろ素人さん」を募集しているのを見つけた僕は、親友たちの名前を勝手に書いて応募するのだが…。「あまちゃん」の脚本家が放つ疾走感溢れる“地元系”青春エンタメ。
「あとで」を「すぐやる」に変える心理学でチャンスと結果を手に入れる!!科学的エビデンスとアプローチで証明。
日本のリベラル・左派の躓きの石は、「経済」という下部構造の忘却にあった!アイデンティティ政治を超えて、「経済にデモクラシーを」求めよう。バージョンアップせよ、これが左派の最新型だ!
あたしのせいで動物園に入れられた「あなた」を、必ず救い出す。どんなことをしても。そう誓った日から、雨子は親友の那智くんとも離れ、ヒグマの飼育員になるため邁進する。だが、それは本当に「あなた」の望むことなのか。大人になった雨子が出した結論はー。真っ直ぐに誰かを想う気持ちが交差する、切なく温かな物語。
海沿いの地にある鎌倉幕府。美しい景色とうらはらに、そこには陰謀、嫉妬、憎しみが渦巻いていた。そんな中、若き三代将軍・源実朝のもとに、摂関家の姫・信子が嫁いでくる。突然の縁談と異国の地に不安を覚える信子だったが、実朝の優しさと生まれて初めての海の匂いに包まれ、次第に心をゆるしていく。一方の実朝も、信子が教えてくれた和歌の魅力に触れ、武の力ではなく言の葉の力で世を治めたいと願うようになる。しかし、殺戮さえいとわない醜い権力争いが、ふたりを否応なく悲しみの渦に巻き込んでいくー。第32回小説すばる新人賞受賞作。
ー成功体験を捨てて、つねに新しいことに挑戦しなければ、第一線では生き残れない。特別なことは必要ないんだ。変わるきっかけはそこらじゅうに転がっているんだから。気づくか気づかないか、それが未来を分ける残酷な境界線…。限界を超えてはじめて到達できる「プロフェッショナル」の境地。プロ野球記録の実録28年目、現役最年長の45歳。それでもなお変化を恐れない強い気持ちは、どこから湧き上がってくるのか?自惚れない、でも、へこたれない。逆境にいてこそ、むしろギラギラと目を輝かせる男の生き様。
人間が加工してつくる道具やモノ、その形は、どうやって進化してきたのかーこの問いに、要求される機能に沿って、と答えるのでは不十分。実用品の変化は、それが出来ることではなく、出来なかったこと、不具合や失敗の線を軸に歴史を刻んできたーデザインと技術の歴史に豊富な事例をもって新しい視点を据えつけ、“失敗”からのモノづくりを教える著者の代表作。
足りない薬、不潔なベッド、聞こえてくる砲撃音。人を生かすために学んだ知恵が、戦場では何の役にも立たぬー徴兵検査をし、解剖を行い、地下壕を掘り、空爆され、戦犯となり、ソ連軍に脅え、傷病兵に青酸カリを渡すー広島、樺太、満州、沖縄、東京、大刀洗ー十五人の若き軍医が極限状況下で見た「あの戦争」の本当の姿。現役医師の著者が軍医たちに捧げる鎮魂歌。
女性の謎、ジェンダーの壁、父親不在…問題の原因から、葛藤を乗り越えた体験、自立した関係の築き方まで語り合う魂の対談集。
いつも行く食堂で出会った女の名は、広美といった。気づけば死んだ妻に代わり、子供たちの面倒を見てくれるようになっていた広美。しかしまたある日突然、彼女は家族の前から消えてしまう。身体一つで、別の町へと去って行ったのだー。家族から次の家族へ、全国をさすらう女。彼女は一体誰で、何が目的なのか?痛快で爽快な、誰も読んだことのない女一代記。
小学校で独りぼっちの「私」の居場所は、母が勤めるマッサージ店だった。「ここ、あるんでしょ?」「ありますよ」電気を消し、隣のベッドで客の探し物を手伝う母。カーテン越しに揺れる影は、いつも苦し気だ。母は、ご飯を手る手で、帰り道につなぐ手で、私の体を洗う手で、何か変なことをしているー。少女の純然たる目で母の秘密と世界の歪を鋭く見つめる、鮮烈な中編。芥川賞候補作品。
華やかに見えるファッション誌の世界。その裏側には女のプライドがせめぎ合い、ゴシップがあふれていた。厳しい現場の中で、自分の居場所を見失っていた世里。しかし、彼女の前に現れた中学生・太一との出会いによって、少しずつ自分らしさを取り戻していくー。
自由奔放にボケる幼稚園児コーちゃんと縦横無尽にツッこむへっぽこ母ちゃんの爆笑育児日記。マンガ「育児バビデブー」でママたちの疲れを吹き飛ばしたコーちゃんが、ブログでも大暴れ。10周年を迎えた人気育児ブログ「カラメル堂別館」から、幼稚園に通っていたころのエピソードを中心に抜粋。
休日に上司と遭遇、無理やり酒に付き合わされていたら、上司にも自分にもまるで予期せぬ事態がー(小説推理新人賞受賞作「キリング・タイム」)。などなど、運の悪い男が不幸な目に遭う見本市のような、憐れにも可笑しい、上質のミステリー九編。「小物のセコさを書かせたら抜群にうまい」と評される著者の腕に酔い、大失敗のドキドキをご一緒にいかが。
やがてこの町から消える少女なずなを巡る典道と少年たち。花火大会のあの日、彼らに何があったのか?少年から青年になる時期の繊細で瑞々しい友情と初恋の物語。映像化されなかった幻のエピソードを復刻、再構成し、劇場アニメ版にあわせて書き下ろされた待望の小説。テレビドラマ版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のOAから、24年の歳月を経てよみがえる原点ともいえる物語。岩井俊二版『銀河鉄道の夜』。