恋人を交通事故で失って以来、北園舞子には、見るもの触れるものすべてが無意味に感じられた。悲しみは赤く焼けた炭火のようにいつまでも残った。舞子はかつて2人で訪れた蛾眉山に登り、そこで出会った外国人の老僧から、「恋人は生きている、彼の子供を生みたくないか」ともちかけられる。その言葉は、“生ける屍”同然となった舞子にとって、天恵以外の何物でもなかった。舞子は老僧に導かれ、ブラジルの港町サルヴァドールへと旅立つ。死んだ恋人の子供を身ごもるために…。押し寄せる感動。衝撃のラスト!比類なき愛と生命の物語。
世代を越えて愛される絵本「ぐりとぐら」シリーズを、様々な角度から、まるごと楽しむ本。シリーズ誕生の裏話、ぐりとぐらの世界・総チェック、作者が答えるQ&A、作品論、物語にちなんだ料理、手芸、歌…等々、新しい発見が、きっとあなたを待っています。
映画『カンダハール』で国際的注目をあつめるイランの巨匠マフマルバフが、アフガニスタンへの世界の無知に、いま差しだしたメッセージ。
美貌と歌才に恵まれ権門の夫をもちながら、蜻蛉のようにはかない身の上を嘆く藤原道綱母の21年間の日記。鋭く人生を見つめ、夫の愛情に絶望していく心理を繊細に描く。現代語訳を前面に出し、難解な日記をしっかり理解できるよう構成。現代語訳・原文ともに総ルビ付きで朗読にも最適。
「この納税額を運転資金に使えれば…」と思っているすべての社長さん。あなたの会社の税金は払いすぎ!税務のプロが結集して、あらゆる節税ノウハウを詰め込んだ本書を読めば納税地獄から必ず解放される。
なにより魚の生態を知ることが大切とハゼ釣り名人の著者が、ハゼの気持ちになりかわりハゼの楽園江戸川の自然に対しての愛情と釣りの奥義を愉快に綴ったエッセイ集。
子どもたちは今、小説をどう読めばいいのか。ここ数年の高校入試問題から、太宰治の「角力」、大岡昇平の「少年」、浅田次郎の「卒業写真」、重松清の「エイジ」、椎名誠の「三分間のサヨウナラ」などの必読小説を扱った過去問20を厳選し、国語の隠されたルールを暴き、アイデンティティを確立する小説の読み方を探る。気鋭の近代文学研究者による、意欲的挑戦の書。
伝統工法による技術を継承してきた職人たちと市民が挑戦する京町家改修の施工マニュアル。
毎年、数十万人もが受験する「大学入試センター試験」の国語には、小説問題が必ず出題される。しかし、これらの問題には高校の授業では教えてくれないルールが隠されていて、選択肢もそのルールをふまえた五つの法則によって作られているから、それを知らなければ太刀打ちできないのだ。また、国公立大学の二次試験にも小説問題が出題されるが、これもそのルールを前提とした独特の読解法が求められている。本書では、最近の受験小説の中から代表的な問題を選び、入試国語の隠されたルールを暴きながら、独自の読解法をあなただけに伝授する。もう一度、小説の醍醐味を味わいたいと思っている社会人にも必読の一冊。
本書は、著者が「保育資料」に2年間にわたって寄稿した楽譜とエッセイを、上・下二巻の本にまとめたものです。学生時代からの幼・少年対象の宗教教育活動との関係をはじめ、社会教育・福祉教育・保育界など80有余年の人生の中で、仏教音楽との縁を深めてきた結晶としての書でもあります。
本書は現代確率論への導入を図ったものであり、できるだけ身近な例題を用いて、確率論の多くの分野を網羅しながら、その基本を理解できるように工夫した。
なぜ我々は働くのか。この素朴な問いに対して、正面から答えることは難しい。なぜなら、働くことの意味は人によって異なるからである。それゆえ、私たちは、この問いに対する「自分にとっての答え」を見つけなければならない。本書は、思想、成長、目標、顧客、共感、格闘、地位、友人、仲間、未来という10のキーワードを通じ、「自分」という作品を残すための生き方を、深く問いかける本である。
本書では、入門的ないしは中級的な内容の統計的方法を勉強した読者を想定し、サンプルサイズ(標本数)の決め方(サンプルサイズの設計方法)を解説する。主に統計的検定における検出力に基づくサンプルサイズの設計方法を説明し、区間推定に基づくサンプルサイズの設計方法についても触れる。本書では、入門的な統計的方法の教科書で登場する一通りの手法を取り扱う。
つい数十年前まで日本のどこにでもあった「わらべうた」。子どもたちは「わらべうた」であそび、夜は昔話を聞き、雨や吹雪で外に出られないときには、「なぞなぞ」をしてあそびました。子どもたちの暮らしには、言葉とあそびが、今よりずっとゆたかにあったのです。そして育った体験を、岩手県遠野に生まれ育った阿部ヤヱさんは、今の私たちの暮らしにも生かせるようにと、ここに伝えてくれています。1歳から小学生まで楽しめる遊びを満載。付録CDには、阿部ヤヱさんの語りによる「わらべうた」25種をすべて収録。
美貌と歌才に恵まれた女に権門の男からの求婚があった。結婚後も、与えられる以上の愛を求めて、自らの身を蜻蛉のようにはかないと詠嘆する、作者の21年間の内省的日記。物語とは違う新たな文学ジャンルを意識的に目指した作品の登場である。良質な本文がなく難解と言われる蜻蛉日記であるが、わかりやすい注とこなれた現代語訳を付した文庫の決定版。1には、上巻と中巻を収める。
本朝三美人の一人とうたわれた女にも老いが忍び寄る。夫の訪れが途絶えがちななか、女は夫が別の女性に産ませた娘を養女とする。夫との実質的離婚後、その養女へ執拗な求婚をするのは、息子道綱の上司であった。道綱と女性たちとの贈答歌が多く記されるなか、道綱母の切々とした心情が描かれる。わかりやすい注とこなれた現代語訳を付した文庫の決定版。2には、下巻と巻末和歌を収め、各種索引も充実。
本書に収められた七つのショートストーリーは、いつ、どこで、遠くて近しいような現実が起こりうるかもしれないという可能性を秘めている。今、踏みしめている大地の内側に、果たしてもう一つの世界があるのだろうか?刻まれてゆく時間は保存できるのだろうか?何が普通で何が普通ではないのだろう?あなたは信じますか?こんな幻想的な世界の存在を!世界が注目を寄せる、現代フィンランド文学を代表する作家レーナ・クルーンの第2弾。