近年のわが家は、子どもの思春期と親の中年期が重なる「家族の大きな曲がり角」に差し掛かっていました。子離れがもっと自然にできればよかったのですが、コロナ禍も重なり、家族みんなが家にいることの多い中で、何らかの「スイッチ」が必要だと感じました。そこでわたしは、「卒母します!」と家族に宣言したのです。
パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯教授は、アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールと名乗る見知らぬ老紳士の訪問を受けた。かつて仙台で机を並べ、その後アメリカ留学中に事故死した親友黒田が、実はフランスで自殺したことを告げられたのだ。細菌学者の死の謎は真夏のパリから残雪のピレネーへ、そして二十数年前の仙台へと遡る。抒情と戦慄のサスペンス。
本書は、古典的名著『いかにして問題をとくか』の著者ポリアと「ネバンリーナ賞」第1回受賞者タージャンとがスタンフォード大学で行なった名講義録をまとめたものである。従来の類書では、数学的厳密性を追求するあまり、初学者にはなかなか理解しづらい面があった。そこで本書では、「数学を味わう」という立場から各分野の具体的な例を豊富に用いた解説がなされており、「組合せ論」全体を把握しようとする人びとにとって好個な入門書になっている。順列と組合せの基礎から説き起こしてあり、大学教養課程で学ぶ程度の予備知識があれば十分理解できる。
全国読者の感涙を誘ったベストセラー「1リットルの涙」の少女が亡くなってから1年。難病と闘いながら生きることの尊さを訴え続けたわが子と共に歩いた10年間を万感込めてつづる。
記紀・風土記の神話的世界に日本人の宇宙観を読みとり、古代王権をめぐるシャーマニズムと祭儀・芸能の世界に日本の祭りと神の原像を探りつつ、日本人の原思想としての神道の本質に迫る。古代史、民俗学、考古学の知見を綜合して古代日本の文化構造を浮彫にする。
R.シュタイナーの教育論・人間論への平易な入門書。著者の体験に基づく語り口は、教育の現実と問題のありかを、きわめて身近なものにする。教師はもちろん、親たちの新しい知恵が啓かれる。