子どもたちの未来のために世界の友と教育を語る。
芝の伊皿子坂にある料理屋・夢屋のおかみ、おたね。ひとり娘を大地震で亡くした悲しみはまだ癒えないが、ある日、浜辺に置き捨てられていた幼い男の子を夢屋に連れて帰る。母親を懸命に探すおたねと夢屋の面々だったが…。やがて夢屋の料理が、母と息子の再びの絆を作っていく。辛い境遇を乗り越えて歩き出す市井の人々を温かく描く、感動の好評シリーズ第三弾。
人それぞれの母親像、あなたの想いと重ねてください。ひとつひとつに、気持ちが溢れ出ています。『日本一短い手紙 母への想い』を増補改訂。
理解力はあるのに、読み書きが困難!?まさか、うちの子が…。ひきこもり、自傷行為、強迫神経症…。学習障害の読字障害を抱えて生きる青年とその母が語る、生きにくさの理由を知るまでと、それと向き合った共闘の全記録。
江戸は白金村に戻り、手習所を再開した興津重兵衛。家主の娘おそのを妻に迎えるはずだったのが、重兵衛を仇と思いこんだ正体不明の女と同居する羽目に…。一方、村では半月ほど前から住み着いた謎の女が、男たちの好奇の的になっていた。
15歳の春、冬樹は隣に越してきた美貌の人妻にセックスを教えられた。人妻は淫靡で巧みな技巧を交えつつ、少年の牡の欲望を目覚めさせていく。一方、冬樹の母親・郁美は匿名の密告状を受け取り、人妻と冬樹の密会現場を見たことから秘密のアルバイトをするようになるが…。巨匠によるインモラル官能小説の傑作。
平蔵の母はまだ生きていたのか?火付盗賊改・長谷川平蔵、シリーズ最新作。
思い通りに娘を支配しないと気が済まない母、体が痛い、寂しいと言って同情を引こうとする母、文句ばかりで何をしても非難してくる母…。母親のタイプ別に、娘に及ぼす影響とその対処法を詳しく記し、あなたが母を許し、のびのびと生きられるよう、心のしこりを溶かす手立ても教えている。
うしろ向き、すぐあきらめる、自信がない…このネガティブ思考は母のせい!?大人になって気づいた母の支配。そこから抜け出すまでを描き切ったコミックエッセイ。
東京大空襲直前に生まれた赤ちゃんは、13人兄妹の末っ子。その赤ちゃんとお母さんを、焼夷弾の炎の中、布団にくるんで運び、守りきった医師と看護師さんたち。でもその時、12人の兄姉、家族は…。もらったひとつのおむすびを持って、ひたすら12人の子どもたちを待つお母さんの前にあらわれたのは、はたして?わすれてはいけない大空襲秘話。
インテリアデザイナーの沙良、36歳は、母の駒子61歳とふたり暮らし。「あなたが心配だから」という名目のもと、チャンスさえあれば、娘を支配したくてたまらない母。善意がベースとわかってはいるものの、母の言葉に、嫉妬心やライバル心を感じることがある。家賃はなし、家事もすべてお任せという夢のような環境と干渉を天秤にかける娘。結婚のこと、老後のこと、娘と母の思惑は錯綜する。
大仏次郎賞・エッセイストクラブ賞の著者が、年輪をかさねてひさびさに書きおろした文集。日本文化が染め上げてきた色彩と言葉の織物である。
ここに集めたみごとな刺しゅう画は、ポーランドにおけるホロコーストを生き抜いたエスター・クリニッツの驚くべき体験を再現している。15歳の彼女は、13歳の妹とともに、家族と別れ、身を隠した。友、隣人の家を追われ、森の奥に逃げた。行き場をなくしたふたりは、カトリック教徒として農家で働き、大戦の嵐吹き荒れる数年を、恐れおののきながら生きた。やがて終戦。ふたりを待っていたのはつらい現実だった。エスターと妹は生き延びたが、ふたりの両親、兄、妹たち、そして何百万人ものユダヤ人が死んでいた。エスターは、絵の勉強をしたことはなかった。しかし、50歳のとき、あの体験を刺しゅうによって再現しようと思いたつ。素朴でありながら精緻をきわめるこれらの刺しゅう画は、身の毛もよだつ戦争の恐ろしさを語り、戦争開始以前にあった家族との平和な暮らしの懐かしい場面を語る。エスター自身の言葉に彼女の娘バニース・スタインハートの説明がそえられている。本書は、けっして忘れてはならないひとつの時代と出来事を振り返るための、心に残る1冊である。