本書は、世界的に高い評価を得ている熱力学の代表的な教科書である。公理に基づく熱力学体系の構築は他に類をみないものであり、熱力学を学び必要とするものにとっては必携の書である。上巻では、まず巨視的な観測から自然に導かれる巨視変数が定義され、エントロピー増大の原理に基づいて平衡状態を定める条件が論じられる。示量変数と示強変数の関係がわかりやすく説明された後、熱機関の効率がどのようにして決められるのかが詳しく説明される。ついで、温度や圧力の示強変数を独立変数とした場合の平衡条件が明快に説明される。この時必要となるルジャンドル変換の説明は、論理的で大変わかりやすく類書には見られない特色となっている。
日本で活版印刷の誕生は二度あった。最初は天正遣欧少年使節によって島原の加津佐でスタート。二度目はそれから250年後の長崎が出発点。いまや失速寸前の活版印刷誕生の地を訪ねて著者が見たものは聞いたものは。
生活のすみずみまで影響力を持つに至った多様な国際機構のうち、安全保障、軍縮、人権、環境などの分野で活躍する主要な国際機構の実際の活動の紹介と分析を通して国際機構の基本的な知識を提供する。
やくそくのにちようび、ジュンは、こんちゅうマニアのおとうさんと、こんちゅうさいしゅうにでかけました。そこでジュンくんをまっていたのは。
本書は、はじめて電気工学を学ぶ機械系学科の学生のテキストである。式だけでなく、電気・磁気現象が起こる仕組みを物理的に解説しながら、基礎的かつ重要な項目をまとめ、わかりやすく電気工学の基礎理論を解説した。
文明開化期の日本…。イザベラは北へ旅立つ。本当の日本を求めて。東京から北海道まで、美しい自然のなかの貧しい農村、アイヌの生活など、明治初期の日本を浮き彫りにした旅の記録。
通常、ハワイと呼ばれる太平洋上の島々。しかし島本来の言葉では、ハワイイと発音される。「南国の楽園」として知られる島々の、本当の素顔とは?キラウエア火口を覗き、タロ芋畑を見に行き、ポイを食べる。サーフィンやフラの由来を探り、航海技術の謎を探る…綿密な取材で綴る、旅の詳細なレポート。文庫化にあたり、新たに2章を追加した。ハワイイを深く知りたい人必読。
長い中世の歴史の土壌に花ひらいたルネサンス文化のなかで花づなのようにない交ぜられた踊りと音楽のさまざまな姿。生活に繋がり人生の折ふしに関わった踊りをもとめてフェッラーラ、フィレンツェ、マントヴァ、ミラノへと古典以前の踊りをたずねる旅。
難しい数式の使用を避け、電気磁気や電気回路の基礎知識があれば理解できるように留意。最も基本的な各種機器の動作原理と特性に加え、最新の機器についても記述している。
天と地の間、「青い鳥」は飛ぶ!メーテルリンクによる幸福をめぐる117の変奏曲。
本書は、イタリアにおける州の研究を通じて、イタリア人の市民生活に関する根本的な疑問のいくつかを検討する。具体的にはイタリアの地方政府の公共政策におけるパフォーマンスを比較分析することで、高い地域にはそれなりの伝統、つまり市民的政治文化があり、結局のところそれがパフォーマンスを上げているとの結論にたどりつく。パフォーマンスの高い地域とされた、中部イタリアには数百年に及んだ共和政の伝統があった。北部イタリアはフランスやオーストリアの勢力に翻弄されることが多く、共同体主義が発達しなかったし、ローマ以南の地域では何世紀にもわたる征服王朝による封建的土地所有が地域社会の基礎にあったため、その根本に不信があるという。著者は、共同体主義の伝統がない地域では政治の改革は深まらないと指摘する。
特に信心深いわけでもない普通の病気がちの72歳の老人が、四国八十八ヵ所を四回に分けて三年がかりでぶらぶらと歩き、お遍路した軽妙なる旅の記録。
人には必ず最初の旅がある。旅先で出会う「夢」がある。著者は時にカメラそのものとなって旅の一瞬を焼き付ける。ギリシャ・ジャマイカなどを舞台にジイド・メルヴィルらの言葉を引用しつつ「果てしない旅」を語り続ける。名著『一瞬の夏』を書き上げたプロセスはまさに「旅」そのものであったのかもしれぬ。そしてそれは未だ完成されぬ旅。単行本未収録83頁を含む充実したオールカラー3部構成。
大正十年三月下旬から七月上旬まで、およそ四ヵ月に亘り、上海・南京・九江・漢口・長沙・洛陽・大同・天津等を遍歴。中華民国十年目の中国をつぶさに見た芥川龍之介が、政治、文化、経済、風俗ほか、当時の中国の世相を鮮やかに描写。芥川独得の諧謔と諦観で綴った大正十年の中国印象記。表題作をはじめ「長江游記」「北京日記抄」及び、絵葉書に象徴的に記した各訪問地の感想「雑信一束」の五篇を収録。
分析化学は多くの人が利用しているが、「難しい」「とっかかりができない」などの声をよく聞く。本書はそのような人々に、まずどのようなものかを理解してもらうための入門書である。化学を専門にしている人よりも、むしろ化学に興味を持っている人を対象にまとめている。
本書では、木造の標準的な在来軸組工法をとりあげ、はじめて木造の構造を学ぶ人が、できるだけやさしく、総合的に理解できるように、まずは模型を作り、それぞれの部材の構成や位置関係等を一つ一つ立体で視覚的に把握することで、木構造の原理を総合的に理解していく。次に、立体を創造しながら、順を追って構造図を描いていく。
人文地理学者で無類の親日家のE.R.シドモアは、ポトマック河畔の桜植樹の立役者でもあった。明治十七年の来日以降、たびたび日本を訪れ、人力車で全国各地を駆け巡り、鋭い観察眼で明治中期の日本の世相と姿を生き生きと映し出す。自然と共に生きる日本の歳時伝統と日本人の優しい心。日本を愛したアメリカ女性の描く日本印象記の傑作。
「仏には惚れる。神には擦り寄る。妖怪とはちょっと親しくなりたい」自他ともに認めるミーハー・オカルトオタクの著者が、北は東北、南は沖縄・台北まで、謎と不思議を求めて、数々の「聖地」に出発。パート1よりもさらにパワーアップした突撃精神、無謀ともいえる行動力!果たして道中はドジとトホホの連続、よくぞ無事に戻って来た…。神仏やお化けにたっぷり接近遭遇できる、類まれな紀行エッセイ。
広瀬光治が紡ぐ手づくりの世界、その言葉。