JR西日本脱線事故、過去の教訓を忘れた雪印や日本航空…。大きな事故や大事件の陰には、ほんのささいなミスが潜んでいる。小さなミスの見逃し、先送り、ベテランならではの慣れからくる慢心、コスト削減一本槍で安全の手抜き、成果主義のみに陥った組織の崩壊。いま、あらゆる分野で綻びが生じている。近年、「失敗学」という言葉が普及しつつある。これまでの失敗学は、技術工学の分野で研究が進められてきたが、いまは文科系の世界にもその必要性が問われている。本書は、マネジメントの分野に着目して、組織の中で人はなぜミスを犯すのかを分析し、リスク管理の教訓を探ろうとするものである。「これは、ちょっとまずい!」豊富な実例集である。
スピリチュアル・カウンセラー江原啓之「スピリチュアル・サンクチュアリ」第四弾。今回は、九州、神話を訪ねる旅。そして、神の島・沖縄へ。
本書は、著者の講義経験をもとに、理工系の学生向けにまとめられた線形代数学の入門的解説書である。本書の特徴は、「一般の理工学系の学生のみならず数学専攻の学生でも満足できる内容」「線形代数を学ぶことの動機づけが書かれている」「1次独立性に関する例が豊富」、そして「数式処理ソフトの使い方についても言及されている」ことである。さらに、「行列式の絶対値が対応する平行体の体積である」ことがきちんと証明されているのも本書の特色である。
日本本土の倍の面積を持つ広大な島で3年もの長きにわたり戦い続けた第18軍の足跡…。南海支隊が目指したポートモレスビーに残る連合軍の足跡を、第51師団が連合軍の重囲に落ちたラエの戦跡を、死の転進の舞台となったサラワケット山脈を、第18軍が終戦の前日まで戦い続けたウエワクの複郭陣地を、兵士たちが実際に歩いた道をたどり、現地人の証言を集めて歩き、広大すぎて実態がつかみづらいニューギニアの戦場の真実に迫る。
西は高知に坂本龍馬の銅像を求めて旅すれば、山内一豊、板垣退助と数多ある名士たちの銅像群に、高知県人の銅像好きを実感。東は仙台に伊達政宗の銅像を求め、最後まで“東北一の権力者”に甘んじた彼の複雑な胸のうちを忖度する。カメラ片手に東奔西走、碩学で知られる著者が各地の銅像と対面し、「街と銅像の関係」について考察する最強の蘊蓄本。
雪が降っている。真夜中に、突然そのことを知った。カーテンを開けると、しんしんと、ただしんしんと、雪が降っていた。梨木香歩、もう一つの「ミケルの庭」の物語。
レヴィ=ストロースが“発見”した親族の基本構造は、まさに現代数学の「群論」そのものであった。それは20世紀の構造主義が、ヨーロッパの正統の流れを、すなわち古代ギリシアにおける思弁と数学の幸福な結合を、現代に“再発見”したことを意味した。そこから見えてくるものは何か。プラトンのイデア数、ライプニッツの予定調和説、カントの認識論、ヘーゲルの解析学/歴史観、ニーチェやオルテガの遠近法主義、フッサールの現象学、さらに、中国周代の易に見る二進法、孟子における階級と関数概念など、精緻な数学的アプローチと該博な知見から生みだされた、ユニークな比較思想史的論考。
奈良県斑鳩町・法隆寺のすぐ近くに営まれた大円墳。石室には華麗な馬具が納められ、千年以上の時を経て開かれた朱塗りの石棺には、豪華な副葬品に包まれて二人の人物が眠っていた。この二人は誰なのか。困難な発掘作業を振り返りつつ、出土品や史料から推理する。
南極の氷が溶け出している!地球は急速に温暖化している!これ以上CO2を排出し続ければ、海面が上昇し、世界の大都市は水没する!…気象学者はこう主張し、温暖化の脅威を警告している。…だがこれにはどこまで科学的根拠があるのか?危険なほど温暖化しているのか?それは人間活動が原因なのか?数千年から数億年の流れで地球が経験する、大自然のゆらぎにすぎないのか?ひとつの科学的予測から政治問題へと発展した地球温暖化論争を、いま検証する。
「地域の個性をあらわすシンボル」「未来を見通す望遠鏡」である遺跡の過去・現在・未来を、最新の発掘データをふまえ、1冊に凝縮する。
宇宙開発のためのエンジニアリング。ゼロから知る宇宙工学。
介護現場の変化にともない、医療的行為や薬にまつわるケアが介護職に、より求められるようになってきました。厚生労働省の通知に添った形で解説しています。
旅先で、風切羽の折れたカラスと目が合って、「生き延びる」ということを考える。沼地や湿原に心惹かれ、その周囲の命に思いが広がる。英国のセブンシスターズの断崖で風に吹かれながら思うこと、トルコの旅の途上、ヘジャーブをかぶった女性とのひとときの交流。旅先で、日常で、生きていく日々の中で胸に去来する強い感情。「物語を語りたい」-創作へと向う思いを綴るエッセイ。