有限要素法の概略と基礎的諸問題を“電気の言葉”で親切にわかりやすく解説した好著の全面改訂版・第2版!
『正法眼蔵随聞記』は生活の実際に即しながら、学道する人は如何にあるべきか、修行のやり方や心構えが懇切丁寧に説かれている。何よりも若き時代の道元が強烈な情熱と意志をもって自分の信ずる道を説いているので、無限の親しみと共感を覚える。2歳年上の弟子の懐奘も虚心坦懐に道元に質問しており、道元の答えをそのまま筆録したのがこの『随聞記』である。だからこそこの『随聞記』には人間道元の姿が滲みでている。
「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ一周の旅へー。雨に降られ太陽に焙られ埃にまみれつつ、タフでハードな冒険の旅は続く!
現代美術と美術史学の状況を批判し、美術の歴史を語る新しいモデル構築をよびかける。
小島烏水(一八七三ー一九四八)が本格的に登山を始めた明治三〇年代、日本アルプスは、まだ正確な地図もなく地元の熟練の猟師だけが踏み込むことのできる“秘境”だった。「鎗ヶ嶽探険記」など、後進登山家の血をわかせた先駆者烏水の代表的な山岳紀行文を収録。
男はその朝、サウジアラビアの砂漠に雪を見た。大晦日の夜、女は手帳に挾み込む緊急連絡先の紙片にどの男の名を記すべきか思い悩む。「今」を生きる彼もしくは彼女たちの、過去も未来も映し出すような、不思義な輝き方を見せる束の間の時…。生の「一瞬」の感知に徹して、コラムでもエッセイでも、ノンフィクションでも小説でもなく、それらすべての気配を同時に漂わせる33の物語。
中は真っ暗だった。けれど、入ってしまうと眼が慣れてきて、窓からの外光だけで、何とか中の様子がつかめた。年代物のほこりっぽさと、鎮まっていた空気の粒子が一斉にこちらを振り向いたような気配があった。歩くと、ぎーぎーと、床がきしんだ音をたてた。その音が人気のないホールにこだまして、何かがこぞってこちらに注目している感じがした。誰もいないはずなのに、何かがぎっしり詰まっている、濃密な気配を感じる。照美は、自分の一挙手一投足が、息を凝らしている何かに見つめられているような気がした。第1回児童文学ファンタジー大賞受賞作。
馬王堆漢墓、秦国の石鼓、甲骨文字の発見された殷墟、そして最古の字書『説文解字』の話など、漢字文化史上欠くことのできない遺跡や文物をめぐって、ユニークな体験や興味深いエピソードが語られる。気鋭の漢字研究者が、漢字とその故郷・中国への熱き思いをつづった好エッセー。