気候変動の実態は、思っているよりはるかに深刻だ。現状のままでは、2050年までに100都市以上が浸水し、数億人が貧困にあえぐことになる。温暖化がもたらすのは海面の上昇だけではない。殺人的な熱波、大洪水、大気汚染、経済破綻などさまざまな影響をあたえ、壊滅的な危機へと向かわせるのだ。いま何が起きているのか、気候変動により生活はどう変わるのか?近い将来に訪れる衝撃の世界をリアルにあぶりだす、話題騒然の警告の書。
大漁・不漁を左右する海の魚の数は、地球の大気や海と連動して数十年スケールで変動していたーこの「レジーム・シフト」を著書は一九八三年、世界で初めて見いだした。九〇年代以降、世界的に大きく進展した研究成果を踏まえ、これからの海と海洋生物資源の持続的利用のあり方に明確な方向性を示す。新しい地球環境観への誘い。
日本の天気は、国境を越えた遠方の現象の影響をさまざまなかたちで受けています。エルニーニョや偏西風の蛇行、寒気の流入、気候変動…。遠く離れた場所で起こっていることが、どのように日本の気象に影響を与えるのでしょうか。最先端で活躍する研究者たちが、気象学の「いま」と「これから」を伝える。
国連、TCFD、EU、NGFS等の最新動向をカバー。シナリオ分析や業態ごとの対応など21世紀のトップリスクを徹底ガイド。巻末付録・気候変動リスク管理関連用語集。
西日本豪雨、東日本台風、令和2年7月豪雨ー。最新の豪雨災害を振り返り、この国の安全と財産を守る解決策を提示する!
気候変動はどのように社会経済を質的に変えるか。生産のみならず、貨幣・信用の発展に注目し、制度・組織まで変容させる「社会的革新」という視点からとらえなおす。
大陸移動の時代から温暖化の危機が叫ばれる今日まで、地球は気候変動などの環境変化によりその姿を大きく変えてきた。特に、極度の低温や乾燥を受ける限界地帯では、わずかな変化でも自然や植生に著しい変化が起こり、時には、生態系そのものを脅かすこともある。本書は、著者がこれまで経年調査を調けてきたアフリカ高山帯や砂漠地帯を中心に、一億年から一日までのさまざまなタイムスケールで、世界の限界地帯で起きた気候変動が、自然と植生、さらには人間の生活にもたらした影響について解説していく。
2015年のパリ協定採択以降、気候変動は、今後の企業経営にとって極めて重要な意味をもつようになった。意思決定を誤れば、事業の競争力が削がれ、企業の存続が危ぶまれるリスクとなっている一方、適切に自社を適合させることができれば、企業価値の向上と持続可能性の実現に寄与する機会にもなり得る。気候変動は、企業経営のあらゆる側面における前提を覆す可能性があり、企業にはそれを踏まえた改革が求められる。本書は、気候変動問題を企業経営の目線から解説し、ビジネスパーソンが、自身の文脈に照らして捉え、自社において取るべき対策を検討する際の手引書。各章の文末には、気候変動をめぐり企業が戦略に加えるべき新たな前提条件と、それを踏まえて企業がオペレーション改革に着手すべき事項も掲載した。
「気候」という言葉の意味から、地球温暖化の最新研究まで、気候学の基本をしっかり学べる入門書。世界の気候、日本の気候、身近な気候を紹介するとともに、その成り立ちや現象のメカニズムについても解説。話題によっては、大学の専門過程で勉強するような内容まで踏み込んで、最新の研究成果も紹介。数式や難しい理論の代わりに挿絵を多く用いて、気候の成り立ちや現象のメカニズムをイメージしやすくなるように解説した。
約3390万年前、南極の環境が激変したことを契機に、生存に不利な時期を「休眠」戦略で生き延びた微生物が大繁栄した。やがてクジラやアシカ、ペンギンなど、海洋生物の体構造や種数の進化を促したその生物は、陸上で暮らす馬や植物とも共進化を遂げていた!?気鋭の若手研究者が描き出す、大陸と海洋の構造変化からみた進化のドラマ!
地下水はどこから来て、どう流れているの?海の下にも地下水はあるのですか?井戸水が枯れるのはどうしてですか?地下にダムを作って地下水を貯めているって本当ですか?名水百選とはどのようなものですか?災害があったときに井戸があると役立つって本当ですか?日本の地下水政策はどのように変遷してきましたか?など、50の疑問と10のトピックスに第一線で活躍する日本の地下水・湧水研究者がていねいに答える。
近代国家における行政制度の原点といわれる「フランス行政法」。その頂点にいまも君臨する「フランス行政最高裁判所」に、世界でもっとも著名な人類学者が、さまざまな制約を乗り越え、奥深くまで潜り込む。
歴史を語るには、もはや気候変動を無視できない。-最近の気候データが解き明かす新しい先史・古代史像。
気候危機・感染症・環境破壊を考える
人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。
温暖化の背後から静かに、しかし確実に聞こえてくる気候変動の足音。地球は、これまでどう変わってきたのか。これからどう変わってゆくのか。謎の解明にいどむ科学者たちのドラマを、スリリングなストーリー展開で描く。日本の科学ノンフィクションに新たな地平をひらいた、講談社科学出版賞受賞作。