本書は、人間の歴史を気候変化の視点から記述したものである。機械的に時間別・空間別の記述をおこない、ある歴史的事件が、なぜその時におこったのかという疑問に対して、世界の他の地方ではどうであったのか、自然環境になんらかの変動があったのか、なかったのかなどを明確に参考にできるようにした。
神の御業か単なる物理現象にすぎないのか。天候というもっとも身近な自然現象の分析法をやさしく解説します。
地理学の中ですら気候景観の有効性や面白さが、多くの人に知られているとは言い難い。これは今までの研究の蓄積が、必ずしも気候景観論として体系化されていないところに本質的な原因があるかもしれないが、本来視覚的な気候景観が視覚的なものとして紹介されてこなかったところにも大きな原因があると思われる。本書では、気候景観のおもしろさを知っていただくため、できるだけ多くの写真や図を使って、視覚的に気候景観の典型的な事例を紹介しようとしたものである。
地球+環境に異変を感じていませんか?自然+生きものに変化はありませんか?
地球の表層環境を形成しているのは、大気や海洋、土壌、植物など多様なサブシステムから構成される、総合的な気候システムだ。何が気候を決め、何がそれを変動させるのか。本書では数年から数億年まで、広範な時間スケールのさまざまな変動を概観しながら、地球気候の基本的な枠組みから、理論的な数理モデルまでを射程に入れる。
多くの人びとは生活の中で、「季節」をより身近に感じている。本書が「季節」の記述に重点を置いたのは、そのためである。とくに季節変化に富む日本では、生活と文化の中に、「季節」が深く、あるいは微妙に投影している。そうしたものにも、本書では触れてみた。多くの場合、気候は平均値で表現される。しかし実際に人びとの関心が向けられるのは、平均値からいちじるしくかたよった気候のことが多い。本書では「季節はずれの気温」「めったに起こらない大雨」なども記述し、平均値を構成する気候の動態を明らかにした。また、日本の気候の特徴を、世界各地の気候との比較によって浮彫りにすることに努めた。そして、アジア太平洋地域の気象現象に関する新しい知識によって、日本の気候の形成過程を解明することを試みた。
熱暑、大旱魃、大嵐、大寒波ー最近の「異常気象」は人々を不安に陥れる。これらの原因は、地球温暖化による気候変動とされ、それに伴う対策が世界的に展開されている。だが、二酸化炭素などの温暖化物質による温室効果=地球温暖化論に対する疑問も出され始めている。本書は、温室効果と地球温暖化の関係を詳細に分析し、数々の問題点を科学的に検証する。そして気候現象は、大気、海洋、太陽エネルギー、地球の自転などが複雑に絡み合って生まれることを指摘し、「極地移動性高気圧」など様々な要因から、異常気象を解説する。また、「気候クラート」と呼ばれる一部の科学者が政治、企業、エコロジストを巻み込み、気候ビジネスが隆盛していることも、痛烈に批判する。フランスにおいて、出版時から賛否の議論を巻き起こした話題の書。