かべにとじこめられた死体。そこにうかびあがる黒ねこ。(黒ねこ)ふぶきの夜にあらわれたおそろしい女は、美しいむすめとなって青年の前にふたたび姿をみせる。(雪おんな)人間の心にひそむざんこくさと血なまぐさい事件。思わずぞっとさせられるあやしい物語や、こわいお話ばかり8編をおさめた世界の怪談。
本書では天気予報の新しい方向として、「確率予報」と「ナウキャスト」の二つの話題を取り上げることにした。両者とも、まず最も社会的に関心の高い天気要素である降水から開発に着手された。そして降水確率予報の方が一足早く実用化され、既に全国で発表されるに至っている。従って本書でも、やはり降水に関するものが中心的な話題となっている。
日本は気象の変化に富み、生活にもいろいろの影響を与えています。また、こうした日々の天気の変化については、古くから諺や俚言としてさまざまな形で残されています。現代気象学を築いた一人である著者が、四季折々のテーマに沿って、「気象をよむ」エッセイとして綴ったものです。
東京が大雪に閉ざされた日の夕刻、男の子が高層マンションから飛び降りた。そのマンションの住人でテレビレポーターの藤枝杳子は、仕事も兼ねて事件を探り始める。すると、マンション内の歪みが一挙に噴出する。家庭内暴力、不倫、盗難ー。深夜の電話で囁かれた“白いネムの家”とは何か?さらに子供たちは落ちてゆく…。
「歌謡曲なんてクソくらえ、クラシックだけが音楽や」-漫画界の奇才がモーツァルトからブーニンまでを、そして音楽界のあれやこれを肴にクラシック党を代表しての言いたい放題、ユーモラスなマンガ付き。
男だて団七が恩人の恋人を守るため舅義平次を殺害したとき、背景を夏祭りの行列が華かに過ぎて行く夏祭浪花鑑。恋人の心にもない愛想づかしを真に受け、妖刀青江下坂を振るって大量殺人にはしった男の惨劇を描く伊勢音頭。その明暗の対照が悲しく美しい。
一郎さんは、鉄道にはいったばかりの、わかい車掌さんだ。山にかこまれたいなか町と、山奥の村をむすぶ2両れんけつのディーゼルカーに乗っている。今日のお客さんは…あれえ?小学校中級以上。
東京・荻窪のある邸宅に、差出人不明の大型トランクが運びこまれ、中から女性の絞殺死体が発見された!死体は、その日の昼間、川島竜子の探偵事務所に、切断された女の指が入った包みを届けてきた、当の女性らしい。突発したこの奇妙な殺人事件に、警視庁捜査陣はいきり立った。後に、名探偵・大前田英策の妻になる川島竜子が活躍する「姿なき女」ほか、単行本未収録の傑作本格ミステリー6篇。
言ってしまった言葉を本にしてしまった。ちょっとうつむきたくなるような行為を、正直さが救ってくれた。男と女について、これから生なかたちで喋ることは、多分ないだろう。そういう意味で、これは最後の本である。
本書では、まず大気環境の概略と、とくに変化の大きいわが国の大気環境の変遷についての記載を行うとともに、身のまわりの大気環境として、たばこの煙・室内の空気汚染をとりあげ、次いで都市の大気汚染、近年世界的に注目を集めている広域大気汚染、地球規模の大気環境と順に小規模から大規模に現象を整理して記述を進めた。