1848年のウィーンから、1994年のエルサレムまで。凶暴な音の吹き荒れる衝突空間から、渾身の力を込めて放つ22世紀へ向けた音楽思想論。
すっかり温泉旅行が趣味になった警視庁捜査一課志垣警部と和久井刑事が骨休めに訪れたのは、中伊豆の大滝温泉。夜、その洞窟風呂に入っていた和久井は、誰もいない闇の奥から女の笑い声が響いてくるのを聞く。翌朝、旧天城トンネルに全裸の女性死体。容疑者は四人。しかも全員が自分こそ真犯人だと主張。奇妙な殺人劇の幕が開いた。
いま地球環境に大きな変化が生じている。その最たる現象である地球温暖化を、著者は二十世紀文明の生み出した病理的症候ととらえ、その原因と致命的とも言える影響を見究める。そしてどうすればきれいな地球を残すことが可能か、現代人の生き方そのものを問い直しつつ、炭素税の構想などの具体的堤言を含めて対応策をさぐる。
美奈子は、温泉でのんびりお肌ツヤツヤにしようと、知人の不動産会社の保養所へ。ところが、社長の遺体が露天風呂で発見された。足を滑らせて頭を打った事故だと思われたけど、なんと凍傷が。真冬でも、めったに雪の降らない南紀白浜なのに、まさか、雪おんなの仕業…。遺産を狙った犯行、仕事上のトラブル…。そして、ほぼ同時刻、遠く離れた雪の別荘地で、もう一つの事件が起きていたの。
近未来のサンフランシスコ。市民はカルマと呼ばれる点数減点法で管理され、感情や記憶に干渉する合法的麻薬が蔓延し、進化療法によって知能が増大した動物が人間と対等の顔をして街を歩きまわっている。メトカーフは街の片隅に事務所をかまえる、しがない民間検問士。ある朝ラジオの音楽版ニュースで報道された殺人事件の被害者は、ほんの二週間まえまで依頼人だった男だった。驚く彼のまえに他ならぬその事件の容疑者という男が現われ、自分は無実だ、真犯人を捜してくれという。気乗りしないまま捜査をはじめたメトカーフは、さっそくカンガルーの殺し屋につけ狙われるハメに…。管理社会の暗黒街をクールに歩く私立探偵ならぬ民間検問士の活躍を描いた話題作。1994年度ローカス賞処女長篇部門、ウィリアム・L・クロフォード賞受賞。
苦しむだけの、愛もあるー『テンペラシリーズ』『ベイシティ・ブルース』『STAY』外伝に須和雪里のオリジナル作品を収録。愛と魂を唱いあげたルビー文学完全本。ファン必読の一冊。
ぼくは消える。決して探さないでくれ。たったそれだけの書き置きを残し、夫が失踪した。そして謎の女から電話。夫に会いたければ、純白・藍白・白緑・青磁・鉄紺の五つの色を持つ場所を探せという。そして最後に放たれた呪文が、『怨み・雷・人が死ぬ』。哀れな若妻・森下紫乃が南志賀の秘湯に見た地獄とは。
冬の城崎温泉、白い雪を深紅に染めて湯浴み姿の美男美女が倒れていた。男は死亡、女は重傷。女の手には民芸品の麦わら細工の小箱が。そして中にはTANGOと書かれたメモが一枚。だが、若い女とみえた被害者は青年だった!息子の変貌に驚く元教師の父は、かつての数え子志垣警部に相談。丹後半島から城崎へと、真相を求める旅に出た。
本書は中医学および漢方医学を勉強しようとする医師、薬剤師のために作られた入門書です。できるだけやさしい言葉を使いながら、初心者に容易にかつ誤りなく理解できるように、中医診療の基礎的な理論や、診断法および治療法を紹介しています。