桜井「女学」の集大成!現代女性の心理、行動、欲望、願望、嗜好がおもしろいほどよくわかる。
白い雪を深紅に染めて、城崎温泉の橋の上に浴衣姿の男女が倒れていた。男は死亡、女は重傷。第三者が介入した形跡のない「屋外の密室」で倒れていた女は、じつは男としては生きられぬ若い青年だった。奇妙な現場に残された謎の文字「TANGO」を追って、志垣警部は愛憎うずまく日本海へと旅に出た。
本書は、身の回りの気象・気候(小気候)を調べるための最新の方法について、著者たちの経験にもとづいて紹介するものである。単純な解説にとどまらず、その観測値からどのようなことが読み出せるかなど、実際の観測値をもとにした具体的な実例を示した。気象観測機器の入手方法や、関連資材の加工方法に関する解説も行っている。気象庁関係のデータについては、観測網の解説と共に、刊行されている資料(電子資料も含む)の解説やその入手方法などを詳しく紹介し、気象庁以外で気象観測を行っている機関の気象観測についての情報にも多くのページを割いている。歴史時代の気候復元を行う際の調査手法についても触れた。
徳島県南部の平和な山村を震撼させた血生臭い事件と凄まじい女の怨念。一つの集落を壊滅させたのは女の驚異的な霊的エネルギーだったのか?碑文によれば、明治25年7月25日、一大音響と共に山腹が崩壊し、田畑や人家ともども尊い36名の人命が一挙に失われたと記録されている。土地の古老たちの話によると、この大崩落の原因は悲惨なお富親子の死に由来するものである。しかも、お富が最後に残した呪いの言葉とその中で予告されていた時期、そのスケールの大きさ等についてあまりにも正確であったことから、この地の人々はその原因についてこれを確信し、代々言い知れぬ恐怖を覚えながら語り継がれていると言われている。
時代考証の正確さと、庶民の生活ぶりを、季節の変化を上手に折り混ぜながら、生き生きと描き出す、その多彩な表現力。
天気俚諺は全国各地にわたった場所にあり、その地域における地形や生活文化などによる独特なものや、全国的に共通しているものなどたくさん存在している。本書は、その中から登山者に役立つと思われるものを選び出し、編集と解説を加えて紹介したものである。
どこで何をしていても“あなた”のことが頭から離れない。あふれる想いが言葉となってほとばしるー恋する女性の尽きせぬ想いを切々と綴った、たおやかな感性のアンソロジー。
大男は8年ぶりに刑務所から出てきたばかりだという。名前はマロイ。酒場の歌い手だった恋人のヴェルマを探しに、その酒場にやってきた。ドアの向こうで、何か鈍い音がしたかと思うと、マロイが飛び込んできた。手には45口径のコルトが握られている…。ヴェルマの消息がつかめぬいらだちのあまり、殺人を犯してしまったマロイ。フィリップ・マーロウは姿を消したマロイと、幻の女ヴェルマを捜し求める。そんなマーロウに、不可解な事件が待ち受けていた。-ロサンゼルスを舞台に、体を張って、そして切れ味鋭い言葉で、次々と襲いかかる難関を乗りこえていく名探偵フィリップ・マーロウ。痛快にして、抒情性豊かな、ハードボイルド・ミステリーの傑作。
冬は、怪談の季節です。英国では、クリスマスに多く怪談が読まれるといいます。背筋を震わせながら、幽霊との出会いに胸をときめかせる読者が数多くいるのでしょう。そして、日本でも…。怪奇と幻想と人外の美を求めて、夜を明かすには相応しい季節です。時には頁をめくる指をとめて、耳を澄ませてみて下さい。世紀を超える冬、雪の音が聞こえるかもしれません。白い季節。白い闇。彼女たちは、もう近くまで来ていることでしょう。吹雪とともに、凄艶な美しさで佇む彼女たち…。-ゆきおんな…。その名を呼ぶ声まで、凍りつきそうです。冬の“綺賓館”に相応しい、美しき来賓。そう。今宵のテーマは、白銀の姉妹たちなのです。
本書では地球大気の観測衛星開発の歴史を概観するとともに、大気の衛星観測と分光学の関係を基礎理論から説明し、衛星センサーを開発するに必要な項目を日本の衛星センサーを例にとり説明する。その後、今までの衛星観測で明らかになった最近の知見や、今後の衛星観測の国際的動向について紹介する。
俳句など伝統詩歌に限らず日常的にも身近な音数形式、五音句と七音句はどのように生まれ受け継がれてきたのか。依然不明とされるその成立と継承の謎に迫る。
黒人音楽、ユダヤ人音楽、沖縄にたくわえられた豊かな歌…。アイデンティティを引き裂かれた者たちが、その只中で震える声を上げる。国家に抗し、民族にも収まらぬ分裂した音が、未来の自由を夢見る。
時速8kmのニッポン縦断。
日本海に突出し、浦島太郎伝説、羽衣伝説、徐福伝説、大江山の鬼退治伝説など豊かなロマンに彩られた丹後の国。巨大古墳群や海人集団が明かす環日本海文化の残照。日本古代史の謎の異空間を歩く異色の歴史探訪。