戦後、「町人国家」の道を選択し、経済大国となった日本は、今後、ただの成金国家に留まり孤立化への道を歩んでしまうのか。本書は、国際社会において経済最優先国家からの脱皮が問われるなか、「ノブレス国家」への道を説く力作最新評論集。
不可視の内部を持つ者同士が頻繁に接触し、さまざまの関係を取り結ぶ複雑で流動的な現代社会では、コミュニケーションは見せかけや偽装などのレトリックを必要とする。しかし、このような社会を思想史的に展望するならば、超越的な理念、懐疑と自省を無視できなくなるだろう。
原子力を将来のエネルギー源としてどう位置づけるか。原子炉の熱除去を中心に据えて記述したユニークな書。
ダーウィン以来の大仮説「形の起源」。ニュートリノ、水晶、昆虫、蘭、恐竜、ヒト-。森羅万象の形の謎を解く進化論最大の問題作。
日本のハイテク過信の虚妄、激化する知的財産権戦争、科学・技術基盤の貧困…。ハイテク国家日本の危機を多角的に検証し、「淘汰の時代」に日本が生き延びるための方策を提言。
「売り」は「悪い」ことか。大人はそれに答えられるか。見知らめ男を相手に身体を売る女子高生。しかし、彼女たちに倫理を問えるほど、私たちの社会に確固とした倫理規範があるだろうか。家庭・学校・地元-あらゆる既存の共同体が消滅し、「島宇宙化」社会が到来する。90年代以降の社会構造を予見した、新しい異才の問題作。
日本は、国際社会でどの様に振る舞えばいいのか。この基本的な課題は、現在も問われつづけている。一九一九年、大戦後の世界秩序を決めるパリ講和会議。戦勝国として、初めて国際会議に登場した日本は、山東半島の権益の確保と人種差別撤廃の二つを主張した。米・英・仏の三大国に伍して、日本のねらいはどこにあったか。大国意識と劣等意識のはざまに揺れた日本人のドラマを描く。
オレンジーアメリカ海軍が日本につけた暗号名である。一九四一年十二月八日、日本の真珠湾攻撃により太平洋戦争の火蓋が切られ、以降四年にわたる全面戦争に突入した。だが日米間では、開戦の二十年以上も前から、互いを仮想敵国と見做し、太平洋を舞台に熾烈な覇権争いを続けていた。「オレンジ計画」、それは、広大な太平洋を一気にわたり日本を屈服させるというアメリカ海軍の壮大な計画だった。
時代は新しいパラダイムを必要としている。著者らは、真鶴町という小さな1万人のコミュニティを舞台にパラダイムの転換を具体的に示した。本著は、その実践に基づいて法律、都市計画、建築という専門領域を越えて、「美しい町」をつくる方法を書き上げた力作。法律、都市計画、建築を統合するまちづくりの試み。都市計画学会賞/まちづくり学会賞受賞。
チェルノブイリ!もんじゅ!直下型地震!それでも原発大国をめざすのか。アメリカでは市民が原発閉鎖をかちとった。その成功のドラマに始まり、世界は多様なクリーンエネルギーに確実に向かっていることを、現地調査と最新の情報をまじえて明快に説く。日本の太陽光発電普及策と電力会社分離分割案を具体的に提言、原子力政策に大転換を迫る。
仲間や友人と協同住宅で、老人ホームで、ケア付きマンションで、年代を越えた人々と集合住宅で…自立した老後を送りたい人へ。
やりだすと止まらない、男の家事。DIY精神を発揮すれば、やりがいや楽しみが見えてくる。得意分野が広がると、自分の時間が何だか豊かになってくる。
選択の時代である今、結婚だけが女の存在証明ではない。そしてその犠牲者は男でもある。法律婚とそれを唯一無二とする社会常識、そして独り者はみじめだという神話…取材した様々な実例から、「結婚神話」をくだく。痛烈な女と男たちの本音の裏に、純粋な愛のかたちを求める姿が見えてくる。待望の文庫化。
翼あるセントールの子ども、チェが誘拐された!?翼あるセントール族唯一の後継ぎで、「ザンスの歴史を変える者となる」と予言された運命の子どもがさらわれたとあっては大事件!ルーグナ城からの号令一下、翼ある怪物たちをはじめ、王国メンバー総動員の大捜索が開始された。いっぽう、一週間後には、ドルフ王子の六年ごし三角婚約問題のタイムリミットも迫っている。ドルフは、はたして正しい選択ができるだろうか。
不妊治療の末に授かった双子の赤ちゃん。その喜びも束の間、ひとりがお腹の中で死んでしまう。そしてしばらくのちに第2子を妊娠するも出生前診断で『水頭症の疑い』と言われー。二度の妊娠、出産、さまざまな苦悩やジレンマを通して見えてきた『命』。そのはかなさ、愛おしさ、そして尊さを綴る。