イワシの利用は生食・加工食品用にとどまらない。江戸中期には金肥として衣料革命を支え、現在は家畜・養殖魚用飼料として不可欠である。イワシの豊凶は漁業の興亡だけでなく経済全般に影響を及ぼす。その増減の原因は気候の変動か、海流の変化か、それともイワシ自身に内在する要因なのか。著しく減少した今、回復の可能性はあるのか。「イワシの予報官」がイワシを資源としてでなく生物として捉え直し、種としての生存戦略を探る。
神話と伝説の海“伊勢湾”完全ガイドブック。古代の海上の道に思いを馳せ、大王埼から伊良湖岬まで、伊勢湾・三河湾をぐるりと歩いてみよう。海と港の歴史・文化を再発見する、初めての“海のガイドブック”。
シーザーに近付くためにクレオパトラがさし出した贈り物は全裸の自分自身、アステカ族の人身御供の儀式は四季の運行と密接に結びついていた、ドルイド僧は捕虜の切り落とした首で占いをした、古代マヤ人は患者に催眠術をかけ麻酔の代用にしていた…。神秘と謎に満ちた歴史の始まりから古代ローマの歴史の裏話を綴る“あぶない”一冊。
宮沢賢治生誕百年に贈る、星の映像とエッセイ。「銀河鉄道の夜」は詩人であり童話作家である宮沢賢治の代表的作品。銀河の岸に鉄道を走らせた卓抜な想像力や、星の世界を描写する的確で魅力的な表現に、宮沢賢治ならではのセンスが光っている。そのユニークな物語を地上からとらえた星の映像でつづる時、星空への憧れはいっそう心に〓@50FC@まるだろう。
清朝最後の皇帝溥儀に仕えた愛新覚羅恒煦。辛亥革命、人民共和国成立から文革まで、孫娘烏拉煕春が綴る波瀾の生涯。
海から見た歴史・未来。三方を海に囲まれた「半島」ヨーロッパ。生活、交流、抗争の場として、文明を育んだ海から、新たなヨーロッパ像を提案する。
海上から陸地を注視する漁民の「命綱」であるヤマから、海辺聖標の発生を説き、その日本の聖空間のネットワークを通じて、国土における都市の生成と展開を読む。さらにそのネットワークと、花綵列島の生態構造がもたらす海幸・山幸の生業から、日本人を農民でも漁民でもない「旬民」と位置づけ、常若、旬獲、生食、木の建築、元気な都市など独自の文化論を展開、平成不況などにより閉塞状況にある現代人に自信をよみがえらせる。
風流、風景、風土、風俗、風刺、風邪、痛風など、日本語の中の「風」とは何か。そもそも「風」の中にはなぜ「虫」がいるのか?風の名前、風の神々、風とエロティシズムなどから、中国古代以来の風と風の言葉の歴史を縦横に語る、「風」の辞典。
かつて、ムーレほかによる古生物学の教科書“無脊椎動物の化石”から強い影響を受けた著者が、外国の文献を参照し自ら写し取った絶滅・海生無脊椎動物の復元図を中心に据え、およそ6億年に亘る長大な無脊椎動物の進化史をつづったもの。本書をひもといて、原生動物からコノドント動物に至る、イマジネーション豊かな600枚を越す復元図を、つぶさに見ていただきたい。その時、われわれはエディアカラ丘陵の先カンブリア紀末から現在に至る、長く圧倒されるような生命の歴史の重みを、真に実感できるに違いない。
家という家はすべて、それに教会も学校もー人間が生きていた証となるものはすべてー永遠に水の底にしずんでしまいました。あたりまえのように感じていた、自然のすばらしさや、やすらぎ…。そんな楽しい日々を与えてくれた故郷の村がしずめられ、貯水池になってしまった様子を叙情的に描く。
ストレスに満ちた現代社会。ストレスで悩んでいる人はかなりいるが、まだ小手先の対策(ストレス解消)しかとっていない人の何と多いことかー実際のところ、ストレス解消という対症療法では、根本的な治療にはならない。本書では、理解しやすいよう三九のケーススタディを盛り込みながら、より具体的に様々なストレス症状とその克服法を、最新の成果を交えて解説する。ストレスカウンセリングの権威による、心を癒し、ストレスを乗り切るための本。
九州の片田舎の貧農の家に生まれ、努力をかさねて海軍兵学校に入校、時代の荒波に呑まれ翻弄されつつも幾多の海戦に赴いた大海軍の異才が綴る帝国海軍こぼれ話ー昭和の平和の時から日華事変、そして空母「翔鶴」運用長として猛火と戦った太平洋戦争、戦後の時代へと到るまで海軍生活二十五年の秘話を語る。
「通」が愛する極めつけ211店。便利な地図・インデックス付き。
京都で小さなバー『ひらせ』をやっている玻奈子から、除夜の鐘を一緒に撞きませんか、と誘いを受けた宮之原警部は、大晦日当日京都へ向かう。しかし、撞くはずの等覚寺の鐘が何者かに盗まれ、その夜、寺の住職が殺される。さらに真相を追う宮之原の前に人気芸妓・染弥が現われるが、彼女のかつての恋人で有名な画家・利根山泰二も死体で発見される。鐘に秘められた過去と連続殺人の謎に宮之原警部が挑む。
おとなりのビルとビルにおしつぶされて、ひょろーんと細長いタマゴ色のアパート。ママとあたしのサンドイッチ・ハウス。どんなに泣きたい気もちのときも、「ただいまー」って帰れば、きっとあたたかく、むかえてくれる。…ママとあたしの家だもの。