宮之原警部は京都の等覚寺管長・九条景円から緊急の連絡をうける。公家の名門・西御門家の18歳の娘が一億円の借金をしたまま行方不明になっているというのだ。借用書によれば一億が払えなければ西御門家に伝わる文覚上人の掛け軸で相殺することになっており、最初から仕かけられた罠とも考えられる。重要参考人が次々と殺され、ついに犯人は身代金十億を要求してきた。陰の権力者に立ち向かう宮之原だが…。
シンドバッド、イブン・バットゥータなど、古の大旅行者たちの世界に浸ることを夢見て、ペルシア湾をはじめ、アラブ・アフリカ・インドを結ぶ海原を巡る痛快航海記。数千年の間、交易に従事してきた“海のラクダ”木造帆船「ダウ」に同乗し、海と船とそこに生きる人々の魅力をカラー写真を交えて綴る。
漫画家の卵・伊藤靖周は美術の専門学校に通っている。2年目の最初の授業はヌードデッサン!期待に胸膨らませて教室に駆け込んだ伊藤であったが、そこにいたモデルはなんとガリガリに痩せた大きな瞳の少年だった。だが3日後、飲み会で酔い潰れた伊藤を介抱してくれたのが、その少年、一平で、それをきっかけに孤独な一平とのせつない恋が始まり…。
軍艦奉行・木村摂津守の従者として咸臨丸に搭乗、太平洋を渡った長尾幸作の航海日誌『鴻目魁耳』-。本書は、著者の曾祖父が遺したこの一次史料を手がかりに、福沢諭吉ら同乗者たちとの友情、勝海舟の辛苦など、渡航のドラマを克明にたどる。第六回和辻哲郎文化賞受賞の画期的労作。
中村天風翁は、波乱万丈の前半生からの確信をもとに哲人としての後半生を生きた。弟子には原敬、東郷平八郎、尾崎行雄、大仏次郎、宇野千代などもいる。著者・堀添氏は慶大在学中に居合修業仲間だった広岡達朗氏の誘いで翁に出会い、弟子として頭角を表し、天風翁に「わが分身」とさえ言われた。本書は、天風翁の教えを人生の指針として、社会活動を実践してきた著者が、翁の教え、および自らの実践を、心を込めて現代の若い人々のために著したもの。
都会生活を捨て去り、サンタクルーズで念願の海辺の生活を始めた一人のサーファー。刻々と変化する波、熟練ローカルサーファーとの出会い、カリフォルニアの神々しい自然の神秘、そして波に乗るごとに自分の中で大きくなっていくサーフィンをすることの意味…。数々のサーフィン雑誌、新聞に寄稿する新鋭作家が放つ、サーファー必読の手記。
精子減少?!いま、生命の根源が壊れようとしている。ヒトは21世紀を生き抜けるのか。
昭和十九年夏、米内光政の密命をうけ、終戦和平の道を模索した海軍良織派の鬼才が描く太平洋戦争の真実ー日露戦争以来の米国の対日戦略の変遷をとらえ、軍縮会議から仏印進駐へと続いた混沌とした内外の情勢の中で、対米戦争へ突入する過程を浮き彫りにした話題作。東条内閣倒閣運動と終戦工作の裏側も綴る。
世界の子どもたち!地球環境のこと考えてみようよ!ジェイクが海にもぐって見てきたこと、聞いたことを、これから大人になっていく、世界の子どもたちに語りかけます。
第二次世界大戦中の日本陸海軍戦闘機のじつに6割を生産した中島飛行機株式会社ーその歴代の陸軍主力戦闘機、対B-29用高々度迎撃機の開発を手がけた技師が、冷徹な眼で日本と世界の戦闘機を比較して浮き彫りにする日本航空テクノロジーの実像。大戦末期、自ら設計の指揮をとり、戦後に“特攻専用機”の汚名をうけた小型攻撃機「剣」開発の真意をも初めて明かす。
竜飛の海に浮かぶ死体…。京都の出版社の取材記者片山由美は、カメラマンの野木と青森県の竜飛岬に行き、民宿に泊まった。老夫婦や兄妹、不倫関係など様々な五組のカップルと一人旅の女性が同宿。翌朝、海岸で女性の溺死体が発見された。頭にある打撲傷から殺人の疑いが。
世界の海棲哺乳類と、淡水でも見られる鯨類、鰭脚類、海牛類の同定ガイド。ヒゲクジラ、ハクジラ、イルカ、アザラシ、アシカ、カイギュウ、ラッコ、ホッキョクグマなど、119種を収録。本書には、海洋学的見地や海棲哺乳類の同定に関連して海棲哺乳類の分布にふれた導入部、専門用語集、図解付きの種同定キー科ごとの図解付きの頭骨検索キー、種ごとの同定シート、主要な漁業区域の分布表などを含み、個々の同定シートには、学名とFAOの公式名称、特徴、類似種の記載、サイズ、分布、生物学、棲息地、行動、利用などを掲載。索引付き。
昭和二十年八月十五日未明、徹底抗戦を呼号する将校たちによって近衛師団長は殺害されたー斬った人物は誰なのか。“日本のいちばん長い日”に秘められた一青年大尉の自決までの道を克明に追い求め、時代の中に埋没した青春の日々を浮き彫りにする感動作。事実を明らかにする渾身の筆に託された死者への鎮魂。
本書は、人間生活でかかわりを持つ水の質の等級化で利用される一般的な水質指標をごく平易に概述する。自然界に存在する水を利水するにあたり、例えば飲める水、安全な水あるいは安定な水などと区別したときのそれぞれの内容を理解し、判断する基礎指標を修得してもらうために、各種水質指標の意味と意義を概説する。
本書は、『声明集序』『声明集二巻抄』『魚山目録』『魚山六巻帖』など声明曲集関係や、『声明用心集』『声明口伝集』『音律事』など声明楽理関係本など三十三書目を編纂収録したものである。