戦争末期に創設された新鋭の兵種である日本陸軍『機甲』部隊。戦車を中心に、その装甲機動力を発揮し、敵陣を突破、後方の戦略拠点を占領するー欧州戦に学び、立ち後れた陸軍兵器技術の発展に賭けた陸軍中将原乙未生の生涯。国産第一号戦車の開発に従事し、陸軍近代化の道をめざした苦難と研鑽の日々を描く。
転校生との出会いと別れ、少年たちの大きな夢、同級生の少女の死、まだ見ぬ大海へのあこがれと不安など、大人世界の一歩手前で出会う気持ちのゆれを、魚の少年の目で綴る…。透明感と音楽性に満ちた柔らかな幻想物語。小学高学年から。
戦火の時代に青春を迎え、好むと好まざるにかかわらず、学窓から海軍に身を投じ、懊悩相剋の果て、大空に殉じた若き学徒兵の魂の絶唱。祖国のため、父母のため、愛する人のために、特攻に斃れた海軍予備学生の真情。
空と海を米軍に包囲されたソロモン諸島コロンバンガラ島の将兵一万二千余名を救出するため、陸海軍集成の大発部隊は砲火を押して決死的輸送を敢行したー昭和十八年九月二十六日から実施された撤収作戦の最前線で指揮した海軍少佐が周到な準備段階から撤退完了まで克明に描き、地獄の戦場の一筋の光明を綴る。
本書は、自治体行政の実体的公共性を踏まえたうえで、手続的公共性を確保するために、情報公開と住民参加制度のあり方を中心に、自治体や住民の活動の現状や具体的な政策を含めて、わが国の自治体の現実態を検討し、国際的な住民参加についても必要に応じて考察を加えている。あれこれの現状の問題点を明らかにしながら、あるべき理念や具体的制度あるいは運用を示そうとするものである。
アイルランドの伝統的音楽のための劇場をギャラガーズ・パブに隣接して造るー実業家トレヴァー・マギーは、自らニューヨークからやって来て建築の先頭に立った。劇場建設が単なる事業ではなく、父祖の地に対する特別な思いの現れだったからだ。そんな彼の前に、兄二人と共にパブを切りまわすダーシーが旅行から帰ってくる。華やかな美貌と魅力的な歌声を持つ彼女の望みは、裕福な男を見つけることだった…。妖精の恋と三組の運命的な愛を歌い上げた伝説の国の三部作、待望のクライマックス。
漁民が見つけた恵み豊かなふるさと。
「消費者ニーズを掴め」「ネットワークを活用」「新商品開発」「地域社会の振興」「販売戦略」「お客様への感謝」…これらの経営課題をいかにして克服してきたか。近江商人の商法の神髄に迫る。
本書では、山や里で比較的よく見られ、しかもおすすめのおいしいきのこ66種とまちがいやすい毒きのこ7種を収録。きのこの原寸大の姿、傘の表裏、柄、ひだなどの色や形状、きのこの幼、成、老の姿などを掲載し、見分け方のポイントを徹底紹介。
軍人であり、そして憲兵でありながらも「敵国」の中国民衆の厚い信任を得て、確実情報を入手し、卓越したその能力は日本軍内部からも二重スパイと疑われた特高班長の仕事。侵略軍の立場をとらず中国大陸の風俗、習慣、人権を最大級に尊重した人間愛溢れる憲兵准尉の真情。「悪役」のレッテルを覆す感動の物語。
驚異的な米軍の物量攻勢の前に守備隊は孤立無援となり、鬱蒼たるジャングルに駆逐され、抗日・モロ族とのゲリラ戦、斬り込み白兵戦を演じながら、忍びよる飢餓地獄の中でトカゲと昆虫を食べる。最前線の極限状況に置かれた若き中尉が凄惨な戦いの日々を赤裸々に描き、人間本能と生命の尊厳を現代に問う感動作。
勝新太郎主演で話題を呼んだ痛快な兵隊映画の原作ー軍律や階級や組織さえも怖れず、ケタ外れの行動力をもつ大宮とインテリやくざの上等兵の名コンビが、大戦末期の中国大陸を舞台にくりひろげる奇想天外のドラマ。軍隊を脱走した二人と彼らを追う憲兵伍長との対決を軸に生々しい迫力で時代を描く感動の物語。
ニンジンと長ネギと麦のスープ、おひさまの作るパン、アンズのドレッシング、野原のかき揚げ、クマザサのティーバッグ、栗の葉で包んだクリームチーズ、緑のスープ、カツモドキ、畑に残った野菜と玄米の炒飯、いちばんおいしいスパゲティ、秋の魔法のスープ、ゴリラビスケット、はすのおかゆ、春の花のホットケーキ、洋梨のあつあつ、妖精の飲み物…。緑の食卓、220編のレシピとエッセイ。
晴れたり曇ったり、突然の嵐がやって来たり、今日のような天気予報がない時代、人々は空を眺め、きっと不思議に思っていたに違いない。近代的な天気予報が発表されるまでの予報といえば、それは古来伝えられてきた「ことわざ」だった。いまだ色あせずに残ることわざを読み解くことで、先人の知恵と観察力を学ぶ。
自己をいかに鍛え、いかに高めるか、混迷する冬の時代に要求されるのは、「自分探し」ではなく、絶えざる「自己超克」と「自己創造」、不毛な「明日なき逃亡」の拒否、能動的・創造的ニヒリズム、「我目的を欲す」による幸福の創造、絶望からはい上がる最強の生。
九州新幹線、沖縄・ゆいレールも収録、九州の鉄道全路線を完全紹介。沿線風景、代表的車両、駅舎など写真440点、九州の“美”発見の旅。