怪我も治り無事に退院した行弘。六条は心配している彼の家族のためにも、行弘を千葉の実家に連れていくことを計画する。以前一度訪れたことのあるそこは、六条にとっても大切な場所。行弘の両親も兄も甥っ子も、家族の一員として六条を迎えてくれたのだ。だが、それでもふたりが恋人同士であることは絶対の秘密。おまけに自分がヤクザであることなど、けして知られてはならない。六条は贅沢なほどの幸せを噛みしめながらも、微かな切なさにひとり心を揺らすのだった…。表題作のほか、初めてふたりで海外旅行に行く短編「世界の終わりには二人で」も収録。
黒子と書かれた紙切れを帯に隠していた隠密廻り同心の死骸が薩摩藩蔵屋敷近くで見つかった。江戸を混沌に陥れようとする“闇”の仕業なのか?それとも国元の宿敵、鮫島兵庫が絡んでいるのか?直心影流の達者、真九郎が破邪の剣を揮う。
月性(一八一七〜五八)、幕末期の勤皇僧(浄土真宗)。早くから諸国遊歴の旅に出て、多くの詩人や儒者と交わる。真宗の教えをもとにした挙国一致体制の確立を説き、長州藩でもっとも早く討幕論を唱え、吉田松陰にも大きな影響を与えたその波瀾に富んだ足跡を辿る。
長嶋は高校時代、憧れを抱いていた生徒会長に突然犯され、その後も嫌われたくない一心で彼に抱かれて続けていた。一年ほど関係が続いた後、長嶋が親の仕事の都合でドイツに渡ることになり、二人の関係が壊れるのを恐れた長嶋は彼への想いを綴った手紙を出すが、結局返事はこなかった。その十年後、帰国して医療機器を扱う会社に就職した長嶋は、手醜く自分を振った相手・東郷と再会した。優秀な医者になった東郷に、些細なミスをたてに身体の関係を強要された長嶋は-。
早く誰かにこのおっぱいを与えたい…夫や息子だけではもはや満足しなくなった「母性」を持て余し、携帯出会い系サイトで静流と名乗る十九歳の専門学校生にアクセスする二十四歳の美沙子。終電で出かけ、五時の始発で帰ってくるつかの間の逢瀬。「やっぱ、大きい…すごいよ、美沙子さん」強く絞られた乳房は、母乳を乳首から押し流していく。-平凡な毎日にふと疲れたときの人妻の冒険を描く『母乳とろり』をはじめ、書き下ろし『白い雨』を含む、母乳官能120%の短編集。
戦死者たちをどう、弔ってきたのか。餓島ーガダルカナル島。第二次世界大戦で日本は三万数千人を動員、二万千人が戦死、多くは飢えとマラリアで亡くなる。この密林に放置された家族の遺骨を、せめて故郷にと願う遺族。戦後60年、最後の慰霊巡拝を追う。NHK「ETV特集」で放送された感動ドキュメンタリー。
なぜ!?どうして!?世の中おかしなことが多すぎる!横浜市長・中田宏の生き方の常識・非常識。今の日本に、喝っ。
待望のシリーズ第6弾!オサナアソビゴコロ星に住むアイシテルはきょうも楽しいことを計画していました。友だちのモココの記念日をお祝いしようとがんばっていたはずなのですが、ちょっとした誤解からモココはみんなの前から姿を消してしまうことに…。いなくなったモココをさがしてボコボコとアイシテルは、今まで見たことも体験したこともないハテシナ海へと勇気をもって旅立つのです。小学中級から。
太祖ホンタイジに仕え、その没後は摂政として幼い世祖を補佐し、清の基礎を築いた「聡明王」ドルゴン。満州の長ヌルハチの子として八旗を束ね、李自成軍を山海関で討ち取り、中華統一を果たした男の胸のうちには、母を殺され、力強く空を翔る鷹に憧れた幼い日の想いがあった。ぬきんでた知性で、時代を支える柱となった知将の生涯を描く。
義経と奥州平泉はきわめて奥が深い。これにはまったら一生、抜けだせなくなるほどの深さである。生半可な歴史ではない。人生観、世界観がかわるほどの壮大な歴史である。その知られざる素顔と、謎に包まれた藤原独立王国の深層を探る。
日本人の心を豊かに表現する短歌・俳句。格調が高く、躍動感に満ちた文語文。魂が震える物語の数々…。
ヘルシア緑茶、エコナ食用油、フロッピーディスク事業」の仕掛け人が、思いの丈を語る。
男はいつも粋でなくっちゃいなせでなくっちゃ。歌舞伎に踊りに、家庭に趣味。そして悪友たちとのはなし…。
森羅万象すべての物に宿る「グレート・スピリット」。人間本来の生き方を取り戻すためにー。インディアン、アボリジニ、アイヌ…先住民の知恵を未来へとつなぐ。