「どうしても後世に伝えて欲しいことがあります」福島県浪江町の「闘う町長」は、死の直前、ある「秘密」を新聞記者に託したー。原発被災地の最前線で生き抜く人々と、住民が帰れない「白い土地」に通い続けたルポライターの物語。
あとどれだけ近づけば、あとどれだけ離れれば、あたしはシアワセにさわれるんだろう。家族?友達?恋人?…どんな名もつかない間柄がつむぐ糸の行方は。野間児童文芸賞受賞後YA作品第一作!
児童養護施設「星の子の家」で暮らす花は、18歳の夏を迎えたが、将来への夢や希望を何ひとつ持てていない。ある日、「星の子の家」にまた一人、事情を抱えた女の子・晴海がやってくる。ボロボロになったぬいぐるみを必死に抱きかかえている晴海の姿に、花はかつての自分を重ねていた…。みずみずしい連作短編集。
だいじな、だいじな卵をまもる海のおとうさん、おかあさん。卵のそばでおせわしたり、見つからないようにかくしたり、あかちゃんが生まれてくるまでがんばります。卵をまもる海の生きものたちのいっしょうけんめいなすがたを知ってほしいな。
ChatGPT、Midjourney、Bing…「生成AI」を乗りこなせ。すべきことで1/1000になる異次元のスキル。
小畑洋助、12歳。海洋生物学者の父・徹郎とふたり、フィジー諸島はパゴパゴ島に移り住んですでに3年になる。洋助はある朝、ジェットスキーを駆っての通学の途中、珊瑚礁の潮だまりにひとつの生命を発見した。それは、今から6500万年前にこの世に生を食んでいたプレシオザウルス、その末裔だった。そしてその奇跡の生命は洋助の侘む前で両眼を瞠き、やがて歓声の産声をあげた。洋助はこの瞬間からクーの母親となった。しかし平和な日々は長くはなかった。クーの存在そのものが、フランスの核実験実施の鍵となるとは誰が想像しただろう。洋助と徹郎は、フランス諜報機関SDECEの襲撃を前に、銃をとった。クーのために。友情のために。愛のために。文壇を猛攻する気鋭が贈る、渾身の海洋冒険ファンタジー。
おれのなまえはサンゴロウ、うみねこ族だけの住む島〈うみねこ島〉の船乗りだ。うみねこ島に、おそろしい病がはやり、おれは、命より大切な船〈マリン号〉に乗り、薬の原料のガラス貝をキララの海へとりにいくことになった。
称の孫重耳は、翼攻めに大功をたてた。雄偉な体躯の心穏やかな公子で、狐氏から妻を娶り、その一族の厚い庇護を受けていた。称の死後晋の君主となった詭諸は、絶世の美女驪姫に溺れ、奸計に嵌まって重耳たち公子を殺そうと謀る。逃れ出た重耳と家臣たちの、辛酸の日々。晋の国内は大きく乱れて…。
子供には読ませたくない、残酷な「秘密」の物語。復讐の道具として育てられたラプンツェル、人殺し領主の罠にかかったヘンゼルとグレーテルなど、グリム、アンデルセンなどの童話集から7編を収録。
初ブラジャーや初ディスコ、おもしろ家族のエピソードから、恋愛、夫・浅野忠信との出会い、結婚、出産、子育て、そして音楽についてー。ミュージシャン・CHARAとして、そしてひとりの女性としてのドラマチック人生が、ライトな文体で綴られました。恋に、仕事に、人生に悩むすべての女性たちへ、CHARAからの応援メッセージです。
群雄割拠、他国の侵略も絶えないイタリアにあって、一千年もの長きにわたり交易で欧州を席巻、自由と独立を守りつづけた海洋国家ヴェネツィア。異教徒との取引にも積極的であった一方、聖地奪還を旗印にする十字軍に荷担しつつ、これを巧みに利用して勢力範囲を着々と拡大するーそんな現実主義者たちが地中海を舞台に壮大なドラマを繰り広げる。政治経済はもちろんのこと、そこに生きた人々の暮しぶりや息づかいまで詳述した、塩野ルネサンス作品中一番の大作。
望んでも産めない女。子供を奪われた女。母親になれないのに執着する女。三人の女たちの情念が交錯する傑作サスペンス。第19回サントリーミステリー大賞受賞作。読者賞ダブル受賞。
取人の村で傷を癒す景虎。その前に現れたのは速之助に換生した安田長秀だった。速之助の肉体を易々と奪い、傲慢を隠さない長秀に景虎の激しい怒りが!?やがて旅立った一行は近在の橋に棲みついた怨霊退治に乗り出す。お百度渡りをすると十三神将が出現し、願いが叶うという。母の病を治そうと“物の怪橋”に呑み込まれた少女の思いを知った景虎は自ら橋のお百度渡りに挑むが…。
松田聖子の離婚記者会見から司馬遼太郎の死、オウム真理教に安楽死と幅広く時事ネタを切ったかと思えば、下積み時代のエピソードや単独ライブの裏話、ボツネタ、自分が見た夢、夏休みの思い出などプライベートを披露。ジャンルを問わず鋭い視点が光る、爆笑問題・太田光の原点となったはじめてのエッセイ集が満を持して文庫化。