もうすぐ1年生になるアカネちゃんに、とてもうれしいことがありました。なかよしのくつしたの、タッタちゃんとタアタちゃんが、かえってきたのです。かなしいのは、おわかれです。モモちゃんとアカネちゃんは、パパといちばんかなしいおわかれをします。
小説づくりの名工。端正緻密な小説世界。これこそ人生通の、大人の物語。日本人なら忘れがたい、愛惜さそう情趣のすべてがここにある。市井小説短篇。
のねずみのティモシーとサラは、おばあちゃんがつくっているあったかーいかぼちゃパイができるまで、ふるいアルバムをみていました。そこには、おばあちゃんのこどもだったときや、わかいときのしゃしんがはってありました。でもふたりのはないのです。
のねずみのこどものティモシーとサラは、にちようびに、おとうさんとおかあさんとがっきをもって、のはらにでかけました。きょうは、ゆうびんやさんのつくったきょくをむらじゅうのみんなとひくのです。いったいどんなきょくなのか、たのしみです。
鴛淵孝。享年二十五歳ー日本海軍最強の戦闘機隊チーム二五一空、三四三空に属し、零戦、紫電改を操り、ソロモン、本土上空に、敵を迎え撃って奮戦、撃墜王たり。壮烈、果敢、質実、至純にして穢れを知らず逝く。本書は、江田島でかつて同期(六八期)の桜たりし直木賞作家が万斛の思いをこめて描く代表作。
いく度か圧潰を覚悟しつつも、そのつどに奇蹟の浮上をとげ、死なざること不死鳥のごとく破竹の快進撃をつづけ、苦境の中にあっても冷静沈着、ユーモアたっぷりに敵をあざむき、ゆうゆう活路を開いて脱出する青年士官ー戦場においては果敢に作戦任務を遂行、ついに不沈の潜水艦長となった海の王者“キャプテンイタクラ”が描いた海底戦記の決定版。
ユニークな男だけの“兵隊屋敷”の四季哀歌や軍隊生活・用語のすべてを、コミカルなイラストとともに、ユーモアあふれる筆致で語り伝える帝国陸軍おもしろエッセイ。歴史のかなたに風化しようとしている、その昔の兵隊世界と、そこで泣い笑いした“つわもの”どもの生活を思いのたけをこめて綴った感動の物語。
最前線において危難に際会しながらも持てる最大の能力を一瞬に発揮して、勝利と栄光をかちえた“海の男たち”を描いた人間物語。戦史の空白を埋め、また覆して、歴史の一ページに新たな波紋を起こす衝撃のノンフィクション。幾たびも死地から抜け出し、生き残るべくして生き残った34人の艦長たちの肉声を伝える太平洋戦争の貴重な証言。
撃墜王は畳の上で死ねないーこの悲劇のジンクスを、かなしくも実証するかのように、非業の死を遂げた第二次大戦の撃墜王が、紅顔、純情にしてけがれを知らぬ“隼戦闘隊のサムライ”たちの幾多の青春群像を描く。『人生是勝負』-勝つか負けるか、生きるか死ぬか、真剣勝負に勝利をおさめたエースの空戦記。