第6巻は「超越論的な弁証論」の第三章「純粋理性の理想」を扱う。ここでは神の現実存在の議論が検討され、デカルト以来の伝統的な近代哲学の神の存在証明が分類され、すべて批判される。そしてこの存在証明に基づく神学の考察と批判が展開されることになる。
「わたしたちは神が命じたから、道徳的に行動する義務があると考えるべきではない。わたしたちは、道徳的に行為すべきことを、みずから“内的な”義務として考えるからこそ、こうした法則が神の命令とみなされるようになったのである。」最難間の書物をついに完全読解する。
死んでから作家となった書き手がつづる、とんでもなくもおかしい、かなしくも心いやされる物語。カバにさらわれ、始原の世紀へとさかのぼった書き手がそこで見たものは…。ありふれた「不倫話」のなかに、読者をたぶらかすさまざまな仕掛けが施される。南米文学の秘められた大傑作。
次郎吉の目前で娘が腕を斬られた。娘は峰といい、奉公先の主人と通じ、その妻の恨みをかって襲われたのだった。峰の父は、娘の不貞に激怒するが、浪人暮らしの父を思い手当てをもらっていたことを知り、言葉を失う。そして、一度は断った「ある仕事」を引き受ける決意をした。それは、武士としてのプライドを捨てるものだったが…。
イスラム主義の気運の高まりを警戒する勢力によって、国民劇場での夕べは流血の惨事と化した。イペキとの未来を望みうるのかどうか悩みつづけるKaも、一連の騒動に巻き込まれ、俳優スナイ・ザイムや“群青”をはじめとする人々の思惑に翻弄されていく。大雪によって外部から切り離された地方都市カルスで、詩人が対峙することになる世界とは。政治と宗教の対立に揺らぐ現代トルコを緻密な構成で描いた世界的ベストセラー。
「わかりやすい」「使いこなす」にこだわった究極の操作マニュアル。Digital single-lens reflex cameraD800/D800E対応。
ノーベル賞を受賞した山中伸弥京大教授が発見したiPS細胞は、生命の未来を変える可能性を秘めた万能細胞だ。再生医療に創薬、臓器工場からキメラ動物まで、日々研究が加速するiPS細胞の最前線をNHKのスタッフが徹底レポートする。立花隆と国谷裕子、山中教授による「生命の神秘」をテーマにした鼎談インタビューも収録。
「行こう、ぼくの大好きなパトラッシュ!」すて犬・パトラッシュを助けたのは、心やさしい少年・ネロ。大親友になったふたりは、楽しい時も、つらい時もいつでもいっしょ!貧しくても、幸せな毎日を送っていました。でも、その幸せは長くはつづかなくて…。この世にふたりっきりになってしまったネロとパトラッシュが、クリスマスイブにたどりついた、ある場所とは?世界中が泣いた、時をこえて愛される名作。小学中級から。
ホッブズは「万人の万人に対する闘争状態」こそ、人間の自然状態だと定義する。なぜそうなのか。この逆説をどう解消すれば平和が実現するのか。社会契約による主権国家の成立を理論づけた本書の第1部は、国家を構成する個々の人間を、その本性から考察する。
自殺と断定された妻を、自分が殺害したと主張する男。夫の浮気相手たちを殺す計画を立てる貞淑な妻。育児疲れの女に若い頃の自分を重ねる老婆。会社帰りに立ち寄ったバーで悪魔と隣合わせになった男。愚かで愛らしいその人々は、あなたのすぐ近くに存在するかもしれないー。何気ない日常生活が些細なことで歪みはじめる瞬間を、ブラックユーモアたっぷりに切り取った38編の掌編小説集。
孤児のジュディは文才を認められ、ある匿名の紳士の援助を受けて大学に通わせてもらえることに。新たな環境で発見と成長の日々を送りながら、ジュディは「あしながおじさん」と名付けたその紳士に、お茶目な手紙をせっせと書き送るが…。世界中で愛読される名作を新訳で。