「ぼくだって、いつか人間になりたいよ…」イタリアで生まれ、世界中の子供たちから愛され読みつがれてきた、あやつり人形の物語。なにもかもが木で出来ているから、考える事もとんちんかん。自分を作ってくれた、かわいそうなおじいさんを想いながらも、いたずらを繰り返し、あれこれ事件を巻き起こす。あと一歩で幸せになれるというところで、いつも失敗してしまいー。芥川賞作家・大岡玲の新鮮な訳により、現代に蘇ったピノッキオ。生きることへの深く、鋭い洞察に満ちていることに、あらためて驚かされる、永遠の名作。
41万語以上の収録語数を誇る世界最大・最高の辞書『オックスフォード英語大辞典』(OED)。この壮大な編纂事業の中心にいたのは、貧困の中、独学で言語学界の第一人者となったマレー博士。そして彼には、日々手紙で用例を送ってくる謎の協力者がいた。ある日彼を訪ねたマレーはそのあまりにも意外な正体を知るー言葉の奔流に挑み続けた二人の天才の数奇な人生とは?全米で大反響を呼んだ、ノンフィクションの真髄。
「大人って、とても変だ」そう思いながら王子様は旅を続けた。“かつて子供だった”人のために書かれた永遠の名作。その「謎」を解く最も大胆な倉橋訳、待望の文庫化。
孤独なジョニー、弱虫のウーリ、読書家ゼバスティアン、正義感の強いマルティン、いつも腹をすかせている腕っぷしの強いマティアス。同じ寄宿舎で生活する5人の少年が友情を育み、信頼を学び、大人たちに見守られながら成長していく感動的な物語。ドイツの国民作家ケストナーの代表作。
父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが…。
簡潔にして明解な訳で甦るイギリス経験論の白眉。「自由」の本質を理解するために。
球団創設、大阪球場誕生、打倒・読売の日々、歓喜の御堂筋パレード、苦悩と低迷、そして福岡へ…南海ホークスの栄光と挫折の軌跡を追いつつ、スタジアムという空間のあり様や応援という行動の変遷を活写する、ファンの視点からの画期的な野球史。近年の動向を追加取材。貴重な写真多数。
ふつうの人々の営むささやかな日常にも、心打たれる物語がひそんでいる。その一つ一つをていねいにすくい上げて紡いだ、美しく切ない作品集。妻殺しの容疑で起訴された友人の物語「尾瀬に死す」(TVドラマ化)ほか、ネットカフェ難民の男女の出会いを描いた表題作、はぐれカモメと放浪犬とおばあさんの物語など十四篇を収録。
新しい薬を創る「創薬」。日本人は世界に誇れる薬をいくつも送り出しているが、その事実や、開発までの舞台裏は、あまり知られていない。スタチン、エイズ治療薬、アルツハイマー病治療薬、がんの薬、免疫抑制薬、抗体医薬など、日本人研究者による、画期的な創薬は数多い。その開発までの苦闘と、創意工夫の物語。
人生の宝物、天才・平尾誠二との日々。
足利将軍説、イエズス会説、秀吉説、家康説、本願寺説、朝廷説ー次々に登場する信長殺しの「黒幕」たちに、事件関与の決定的な証拠はあるのか。
フランス革命は、以後のあらゆる革命の基本になった。社会主義はもちろん、いまの日本の「改革」志向も、すべてこの革命に通じている。だが、その真実は何だったのか?221年前、フランス革命が進行するさなかに書かれた名著が、バージョンアップされて21世紀によみがえる。
木についた傷や足跡などからシカやイノシシの気配を探る。網をしかけ、カモやスズメをとる。手製のワナをつくる。かかった獲物にとどめをさし、自らさばき、余すところなく食べ尽くすー。33歳ワナ猟師の日常は、生命への驚きと生きることの発見に満ちている。猟の仕方、獲物のさばき方から、自然と向き合う中で考えたことまで。京都の山から見つめた若者猟師の等身大の記録。
神話の膨大なサンプルを分析した結果、英雄神話には「出立→イニシエーション→帰還」という驚くほど一貫した共通パターンがあることが見えてきた。私たちはなぜ、今もなおこれらの構造を持った物語に魅了されるのか?フロイトやユングの精神分析論を用いながら、民族や時代を超えて人間の心に潜む普遍的欲求を明らかにしていく神話論の決定版。小説、映画、ゲーム他、物語の本質を読み解く鍵がここにある。
「会社法」書籍売り上げNo.1の著者が、ふたたび立ち上がる!…ケーススタディ・Q&A・定款例・用語集つき。
翻訳の仕事をする知的で打算的なドイツ人女性ヒルデガルデ、34歳独身。彼女が見つけた新聞の求縁広告は“莫大ナ資産アリ。ナルベクはんぶるく出身ノ未婚ノ方、家族係累ナク…”というものだった。こうしてすべてが始まった。そして彼女は億万長者の妻の座に。しかしそこには思いも寄らぬ罠が待ち受けていた。精確無比に組み立てられた完全犯罪。ミステリ史上に燦然と輝く傑作。