他人の死-それは麻薬。加害者が少なく、被害者が多いほど薬効は高い。問題はどちらの側にまわるかだ。狼と組んで噛みつくか?いやそのほうが、犬と一緒に吠えるより数段ましではないか。ことに適量を過ぎた時などはなおのこと。
週末毎に集い、怪奇譚を披露しあう「深夜倶楽部」の面々。今夜は老俳優の番だー。夫と死別して病臥する妹を、亡夫に変装して見舞ってほしい、と学友から依頼された私は、大役を果たした翌朝、彼の娘から、女は二度目の若い妻だと知らされた。不倫相手の病死で、精神に異常をきたしたとも。そして庭に咲く彼岸花の一叢に立つ女を認めた時、学友は私に杖を振りかざした(死びと花)。七つの恐怖を収録。
ソムリエのなかのソムリエ、ホテル西洋銀座シェフソムリエ田崎真也氏が伝授する、芳醇なるワインの深奥…。
将軍就任後、源実朝は、母政子の意に反して優れた為政者としての器量を発揮した。そして実朝が、北条一族や守護地頭の横暴に抵抗を始めるに及び、政子はたちまち本性を表し、実朝を強力に抑圧し始める。できる限りの徳政を行おうと欲しながら、実権を奪われ、母を含めた北条一族のすべてを敵に回してしまった実朝の救いは、和歌の世界に没頭することだった。実朝は『金槐和歌集』を編み、崇敬する後鳥羽院に奏上するという念願を果たす。しかしその間にも確実に、実朝を追いつめる奸計は実を結びつつあった…。
イラクの次はどこか…。湾岸戦争がわかれば軍国アメリカの手の内が見えてくる 元米国司法長官ラムゼー・クラークの全証言。
明快、痛快、爽快な〔情報航海術〕。ユーザーの立場から説いたマルチメディア時代の羅針盤。知的興奮を呼ぶ、待望の〔新・スーパー山根本〕、ここに登場。
笑いは世界を救う。笑いとユーモアは、それ自体を楽しむ美的経験であり、ときに病いを癒す妙薬となり、ときに自由な精神と結びついて、独裁体制や洗脳に抵抗する最大の武器となる。抑圧も管理も笑いとばす、しなやかな知の論考。
深夜の後楽園球場。ここに一人の主がいる。引退の二十五年後も自前のロッカーを保持する巨人軍往年の名選手K。夜警の「ぼく」とKとの出会いと別れを描く表題作をはじめ、新潟にプロ球団が発足する近未来小説「K.T.」など、こよなく野球を愛する男たちが紡ぐ物語全六球。
本書は、大学、高専などの理工系学生と若い科学・技術術を対象に、初歩的な実験リポートと卒業論文の書き方から科学・技術報告書さらに本格的な学術論文の構築法までをわかりやすく解説したものである。科学・技術論文の執筆経験のない初心者のために、文章と図表の基本的な作成方法ー平がな書きの規則や専門用語の表記法など文章作成の基本ルール、実験リポートと卒業論文の書き方と各章の執筆手順、ならびに図表の種類とその作成技術ーを詳述した。また従来の解説書には紹介されていない知的な科学・技術文章の書き方を力説した。