やっぱり大吟醸はグラスが曇るほど冷えていなくちゃ、と思っていませんか?酒米が山田錦だから、この酒はおいしい、っていうのはホント?山廃仕込みって、つまりどういう味わい?ワインの田崎真也が、原料米から古酒まで、日本酒の「常識」をテイスティング。年季の入った鮮やかなプロの手法と楽しみ方の数々を、プロはもちろん、お酒を愛するすべての人に披露します。
フランスを代表するメゾン、クリスチャンディオールに周囲の反対を押し切ってイタリアの才人、フェレを起用して再生させたLVMHの総帥アルノー。華やかなファッションの世界に経営の論理を持ち込み、ブランドビジネスの常識を変える“帝国”の知られざる素顔とは。
「忠臣蔵」では、浅野内匠頭と浪士たちは正義の側に立つ“善”、上野介は意地悪で怯懦な“悪”とされているが、はたしてそれは本当か?著者が丹念に史料を読み込んでみたら、内匠頭への賄賂の強要もイジメもなかった、藩同士が塩の販売をめぐって争っていたわけでもなかった、さらには「討ち入り」の際、上野介は刀を振るって戦死していた等々、世の常識をくつがえす事実ばかり。かくして著者は結論づけるー上野介こそ“被害者”だったのだ、と。
長篠合戦は、織田・徳川連合軍が鉄砲三千挺を千挺ずつ“三段撃ち”し、戦国最強の武田騎馬軍団を壊滅させた画期的な戦いだったと評価されてきた。その後の天下取りの行方にも大きな影響を与え、日本史史上、新戦法=“従歩火兵戦術”が、旧戦法=“騎兵白兵戦術”を破った信長の「戦術革命」の勝利とされた。しかし、この定説には根拠がなく、後世の旧陸軍の戦史研究や、作家・歴史研究家たちが捏造したものだった。本書では、合戦の勝敗を決した「三大戦術(騎馬・鉄砲・柵)」の実像を、諸外国との比較を含めて批判し、歴史の流れを誤解させてきた元凶を洗い出す。
アメリカのアフガニスタン攻撃にまつわる戦争論から、心あたたまる銀座の捨てネコのゆくえまで。サイトから発せられた藤原新也のシャープな批評、そして折々に公開される意外に(!?)牧歌的な日常生活…。マスコミの「よそゆき言葉」では不可能な、インターネットを使った新しい表現に挑戦する異色のエッセイ集。
ドラッグと聞いて、なにを思い浮かべるだろうか?白い粉、ぼろぼろの体、トランス系の音楽、血走った目、シャブ中、人間やめますか…、馴染みのない人にとってみれば「禁断の物質」であり、遠い世界のものに思われるだろう。しかしそのイメージの多くは誇張されたものであるし、実際のところ、そんなに特殊でも危なくもなかったりする。ドラッグの世界のルールはたった一つしかない。自己責任である。時として、そのルールの狭間でドラッグを知らない人たちからは想像もできないほど「人間らしい」やり取りが繰り広げられることがある。本書はその瞬間瞬間を切り取ったレポートである。
受胎告知。東方三博士の礼拝。踊るサロメ。カナの婚礼。最後の晩餐。キリストの降架。西洋絵画が好きだったり、ヨーロッパ諸国に旅行に行かれたことのある方は、これらがモチーフの絵を見たこともあるでしょう。これらはみんな、新約聖書のなかのお話。新約聖書はキリスト教の聖典ですが、そんなこととは関係なく、片田舎で生まれたエキセントリックな青年の生涯を描くロードムービー風な小説として、とてもおもしろいんです。SFチックな奇蹟。意外と役に立たない仲間(弟子)。出るくいは打たれる、でも出すぎたくいは打ちにくい的な展開。思った以上に人間くさい登場人物たちによるドタバタ劇?そんな魅力あふれる「新約聖書に出てくる物語」から選りすぐりの50編をマンガで紹介。読み物として「新約聖書」を楽しむ入り口はこちらです。
トリスとゴールデンバットさえあれば誰にだって優しくなれる…笑って泣いて考えさせられる街と人をこよなく愛するライダー作家。山田深夜の傑作短編集、遂に刊行。
ナツカは、パパといっしょにおばけたいじ屋をはじめた。てごわいおばけを、知恵と勇気でたいじする、ちょっぴりこわくて楽しい、おばけたいじの物語。
帰り道、ロープウェイ、病院、オフィス、映画撮影現場ー現代社会のごくありふれた場にひそむ闇。人気ホラー短編シリーズ第三弾。
社会の不平等はなぜ生じるのか?その原点を、「自分で作ったものは自分のもの」というロックに遡る利己的で排他的な「所有」の考え方に見出し、それに替わる「他者尊重」の清新な所有論を展開する。また「市場」が構造的に貧困を生むカラクリを明らかにし、政府の市場への介入や「分配」の理論的根拠を示す。国家の仕組みや人々の権利を原理的に考察しなおし、マルクス主義や権力論など社会再生思想の分析を通して、「もう一つの」資本主義を探究する注目の書。
青カビからつくられた奇跡の薬、第二のペニシリンとも呼ばれるスタチン。動脈硬化や心臓病の特効薬として毎日世界中で三千万人以上の人が服用する。いまや薬剤の年間売上ベストテンの上位をスタチン関連が占める。発見したものの再三開発中止に追い込まれ、土壇場でついに認められるという波乱の道のりを発見者自らが語る。
藤原新也インド旅伝説に新たに衝撃の一章が加わる!青春の旅を記録した処女作『印度放浪』から34年ーその長きにわたって著者が封印してきた衝撃の体験がついに明かされる!『メメント・モリ』の感動を再び甦らせる。藤原新也、インド紀行完結篇。
レーニンの死の直後、本書の主要部分はスターリンによる迫害の予感のなかで書かれた。「ソ連共産党とソ連全体が全体主義の悪夢に飲み込まれてしまう」直前だからこそ「等身大」に描きえた、まさに珠玉の回想録である。ロシア語原典からの初めての翻訳。
九年間の英国留学の中で少年はいかにして人生のプリンシプルを身につけ“白洲次郎”となったのか。白洲家に遺された一冊のアルバムを手がかりに、孫の信哉が祖父の足跡を訪ね歩く。