理想の女性を追いつづける男の哀しみを描く「冬の夢」。わがままな妻が大人へと成長する「調停人」。親たちの見栄と自尊心が交錯する「子どもパーティ」。アメリカが最も輝いていた1920年代を代表する作家が、若者と、かつて若者だった大人たちを鮮やかに描きだす珠玉の自選短編集。
アメリカ人青年に恋した初老の未亡人は、再び男性を愛する喜びに目覚めたのだが…(「だまされた女」)。インドの伝説の村、頭脳の優れた青年と見事な肉体の若者が美しい腰の娘に出会う。娘は女になり、目覚めた愛欲が引き起こす混乱の結末は?(「すげかえられた首」)。
卓越した武勇と揺るぎない忠義でスコットランド王ダンカンの信頼厚い将軍マクベス。しかし荒野で出会った三人の魔女の予言はマクベスの心の底に眠っていた野心を呼びさます。夫以上に野心的な妻にもそそのかされ、マクベスは遂に自分の城で王を暗殺。その後は手に入れた王位を失うことを恐れ、憑かれたように殺戮を重ねていく…。悪に冒された精神が崩壊する様を描くシェイクスピア悲劇の傑作。リズムある名訳でおくる決定版。
目の前にとつぜん現れた愛する母と妹。ラスコーリニコフは再会の喜びを味わう余裕もなく、奈落の底に突きおとされる。おりしも、敏腕の予審判事ポルフィーリーのもとに出向くことになったラスコーリニコフは、そこで背筋の凍るような恐怖を味わわされる。すでに戦いは始まっていた。
生まれたとき…2710グラム、五体満足。今の体…重度障がい者。障がいの原因…交通事故による頸椎損傷(18歳のとき)。入院生活…13カ月。車いすでやったこと…予備校通学、大学通学、旅行、買い物、障がい者運動、一人暮らし(継続中)、恋愛(秘密事項)。障がい者になり、手も足も動かせなくなったけれど、周りに助けられながら一人暮らし。生きるって大変だけど、障がい者になるともっと大変。それでも人生を楽しく生きている、ある障がい者の記録。
70年代にトップ・アイドルとして人気を集め、今も歌手活動を続けるあいざき進也のベスト・アルバム。デビュー曲「気になる17才」や大ヒット曲「恋のリクエスト」などを収録している。
美しい金緑色の蛇に恋した大学生アンゼルムスは非現実の世界に足を踏み入れていくが…(『黄金の壼』)。17世紀のパリ。天才的な職人が手がけた宝石を所有する貴族たちがつぎつぎと襲われる。ようやく逮捕された犯人は意外な人物だった(『マドモワゼル・ド・スキュデリ』)。
犬の血を4分の1引いて、北米の原野に生まれた狼「ホワイト・ファング(白い牙)」。親や兄弟が次々と死んでいく“自然”のなかで、強く、狡く生きていく。だが、あるとき人間に飼われることになり、人間の残虐さや愛情に触れることで、心のなかにさまざまな葛藤が生まれるのだった。
考える自我から出発したデカルトに始まり、カント、シェリング、ヘーゲル、ショーペンハウアーにいたる西洋の近代哲学。本書はその遺産の上に立ちながらも、哲学そのものがキリスト教の伝統にいかに制約されているか、独断論に終始しているかを示し、新しい哲学の営みの道を拓く試みである。
片手を失い、自分の本名すら知らない孤児の少年「そばかす」は、「リンバロストの森」で木材泥棒から森を守る番人として働くことになる。大人でさえ恐怖をいだく森と沼地。孤独と恐怖、厳しい自然と闘いながら、人の愛情に包まれて、「そばかす」は逞しく成長していく…。
1872年のロンドン、謎の紳士フォッグ氏は、“改革クラブ”の友人と金2万ポンドの賭けをした。それは八十日間あれば世界を一周できるというものだった。成功に絶対の自信をもつフォッグ氏は、フランス人の召使いパスパルトゥーを従えて出発。全財産とプライドを賭けた旅が始まった。
汽船、汽車、象と、あらゆる乗り物を駆使して次々巻き起こる障害を乗り越えていくフォッグ氏たち。インドで命を助けたアウダ夫人も仲間に加わり、中国から日本を目指す。しかし、酒とアヘンに酔ったパスパルトゥーはフォッグ氏と離ればなれになってしまい、最大のピンチが訪れる。
市場は社会に何をしたのか?自己調整的市場のユートピア性と破壊性を文明史的に解き明かした政治経済学のモニュメント。グローバル資本主義の危険性を根源から解明した現代の古典。待望の新訳完成。
ニーチェが目指したのは、たんに道徳的な善と悪の概念を転倒することではなく、西洋文明の根本的な価値観を転倒すること、近代哲学批判だけではなく、学問もまた「一つの形而上学的な信仰に依拠している」として批判することだった。ニーチェがいま、はじめて理解できる決定訳。
デビュー40周年を迎えた兄弟デュオの自選ベスト盤。お馴染み某麦焼酎のCM曲をはじめ、数々のCMやTV主題歌で聴き親しまれてきた曲ばかりで、しみじみ感じる時代の流れと変わらぬ持ち味。新録も2曲、デビュー曲ア・カペラ版「白いブランコ」がまた染みる。CM映像収録のDVD付き。