迷い、失意のどん底に落ち、それでも人は生きていく。二十年間勤めた会社を辞めて足掻き続ける男、捨てた故郷へ向かう道中で自分自身を見つめ直す男…著者が自らを投影した「俺」たちが、バイクで旅を続ける。そんな不器用な男たちの愛すべき生き様を描いた全三十六編の傑作短編集。単行本刊行時の友情秘話を綴った書き下ろしエッセイも収録。
頑なで孤独な中年・岩山は、バイクでロングツーリング中の青森で自傷癖のある歯科大生・斗児を拾ってしまった。代々歯科医院の家から逃れ、なんとしても東京駅に向かおうとする斗児に父の追手が迫る。青森、岩手、宮城、福島、茨城ーあらゆる移動手段で奇妙な逃走劇を繰り広げるうち、岩山の胸に、封印していた亡父との残酷な過去が甦ってきた…。親子とは何かを問いかける入魂作。
ブロークンアローとは重大な核兵器事故のことを指す米軍の符牒である。ベトナム戦争時に、事故に伴って横須賀に核が運び込まれ、今も米軍・自衛隊で核を共有しているという驚くべき話を石渡は聞く。その秘密保持に携わる特殊機関が存在することも。命を狙われ続ける江井に、彼を守ろうとする勢力も現れ、まさに死力を尽くした戦いが勃発。特異な歴史風土を持つ横須賀に蠢く、驚愕の機密と野望とは?スリリングかつ痛快な大スペクタクル活劇!
バス整備士の江井徹は、横須賀の地下壕で拾った旧日本軍の戦闘機の破片が高値で落札され、俄然“お宝探し”に興味を持つ。しかし、江井は知らず危険に近づいてしまっていた。米軍・自衛隊の管理区域周辺をうろつく江井を、正体不明の連中が襲い始める。一方、首相訪朝に絡む秘密任務など、数奇の警察官人生を送ってきた警視庁公安部の石渡秋彦は、江井の行動確認を命じられる。横須賀出身の石渡も、この土地特有の“捻くれ者”の一人であったー。
万能調味料「かえし」を使えば、どんな料理もプロの味に!王道のおかずから、麺、丼、おつまみ、スープまで深夜の胃袋をくすぐる肉料理80品を紹介!いま人気急上昇中の料理系YouTuber初のレシピ集!
トリスとゴールデンバットさえあれば誰にだって優しくなれる…笑って泣いて考えさせられる街と人をこよなく愛するライダー作家。山田深夜の傑作短編集、遂に刊行。
引きこもりの青年が出会った、武骨な電車整備士。消えゆく旧型車両と運命をともにしようとする男の背中を通して、仕事への愛と誇りを描き切る感動長編。ホームからは見えない電車の下半分。そこには、人の命を預かる車両整備に人生をかけて向き合う愚直なまでに一本気な男たちの姿があった。20年もの間、電車の整備に携わった異色の作家が己のすべてを注ぎ込んで綴った迫真の物語。
「僕を、後ろに乗せてくれませんか?」岩山のそれが悪運の始まりだった。頑なで孤独な中年・岩山は、バイクでロングツーリング中の青森で、自傷癖を持つ歯科大生・斗児を拾ってしまった。代々歯科医院の家柄から外れようとする息子に、父の追手が迫る。わけあって、東京駅になんとしても向かわねばならない斗児。亡き父との残酷な過去が影を落とす岩山。そして始まった奇妙な二人旅の途次、彼らはさまざまな父と子の姿を目にすることに…。
正人の通う大学で、コンピュータを使って仮想世界“セカンド”を創り出し、人類の行く末をシミュレーションする『メタバース計画』が行われていた。その“セカンド”の監視役を任された正人は、やがて“セカンド”側からデータのデリートが勝手に行われる事態に直面する。それは、“セカンド”の人間である少女・二羽による、数万年分の時間の巻き戻しだった…。正人は、なぜ二羽がこのような巻き戻しを行ったのか、調査を開始するがー。事象操作、タイムスリップ、バタフライ・エフェクト…そして、ウイルスの存在。進化論や創造論といった創世神話の是非まで語られる世界観と綿密に練られたシナリオ構成の最後には、ある壮大な仕掛けが待っていた。世界の上位概念を認識するメタ要素を取り入れたSFの金字塔!
偶然の再会、運命のいたずら、様々な因縁、未来に向けた再起ー。旅とバイクを通して、不器用ながらも心優しき者たちのふれあいと人生の喜怒哀楽を情感たっぷりに描く珠玉の短編集。文庫化に際し、単行本未収録だった7篇を追加収載。バイク雑誌「アウトライダー」連載時から好評を博し、読む者を旅へと誘うツーリング小説の集大成。
NHK“ラジオ深夜便”の人気コーナー、ついに書籍化!文豪たちの「絶望に寄り添う言葉」から生きるヒントをさがす。放送内容の完全収録+α!