世界はどのような光に包まれているのだろう。清楚な花、高貴の花、燃える花、清幽の花、そして非在の花ー広大なコスモス(宇宙)にひそやかな詩想を馳せるみつはしちかこ、待望の第一句集。
中世カンボジア王国が残した壮大なアンコール遺跡群。栄光の日々を伝える都城・寺院の数々は、近年の略奪・内戦のさなか、危機にさらされた。その修復・保存に挑む日本人研究者たち。自国の遺産継承に努める若い力の擡頭。悲惨な時代を克服する、この国の現況を報告した出色の旅行記。
吉本隆明を導きの糸とした折口信夫との衝撃的な出会い。事件というべき邂逅を原点に、実感にもとづく想像力をもって「精神のきびしい格闘」(立石伯)を続けた梶木剛。その全貌を開示する“文学的”評論三部作、いよいよ完結。
編集者として18年間、寺山修司に伴走し、その多彩な表現活動を間近に見てきた著者が、想像力の遊びに生きた天才の、精神的孤児としての孤独と悲しみを丹念に読み解く。
これは己が揺籃期から音楽を精神の糧として生きてきた著者の魂のクロニクルだ。モーツァルトから炭坑節まで、ジャクリーヌ・デュ・プレから舟木一夫まで、更に生命の酣たる「早春賦」から、いのちの永劫回帰の着地点「大地の歌」まで百花繚乱のシンフォニーの饗宴。
「日本語の本源」に思いを寄せた、四半世紀にわたる文業を“乾・坤”二巻に集成。“世界文学”を追尋して。