従来の訳では「妖精」とされてきたエアリエルは、妖精ではなかった。新訳で明らかになるシェイクスピアによる、フェアリー(妖精)とスピリット(精霊)の違い。妖精学の第一人者ならではの、妖精の視点とエリザベス朝時代の価値観からとらえなおした完全訳をここに。アーサー・ラッカムの挿絵が美しくも妖しい世界へと誘う、井村君江渾身の『テンペスト』決定版。
「立春」は一年のスタートの日。「芒種」は田植えの基準日。旧暦の二十四節気と、それを三分割した七十二候の言葉には、四季の移り変わりを豊かに感じられるものが多い。古来、日本人が使い続けてきた美しい日本語を、暦をめくるように追ってゆけば、見慣れた景色も輝き、毎日が楽しくなってくる。「春一番」「秋の七草」「冬茜」などの季節の言葉、覚えておきたい季節の名句・名歌も味わいながら、心の中から美しくなりませんか。
人里離れた荒野に建つ巨大な屋敷が、一夜にして忽然と消失するという不可解極まる謎と名探偵エラリーによる解明を鮮烈に描き、クイーンの中短編でも随一の傑作と評される名品「神の灯」を巻頭に掲げた、巨匠の第二短編集。そのほかにも野球、競馬、ボクシング、アメリカンフットボールが題材のスポーツ連作など、これぞ本格ミステリ!と読者をうならせる逸品ぞろいの全9編収録。
青年将校ヴロンスキーと激しい恋に落ちた美貌の人妻アンナ。だが、夫カレーニンに二人の関係を正直に打ち明けてしまう。一方、地主貴族リョーヴィンのプロポーズを断った公爵令嬢キティは、ヴロンスキーに裏切られたことを知り、傷心のまま保養先のドイツに向かう。
本邦初!医師による脊髄性筋萎縮症の一般向け解説書。手足の動かない青年とその担当医に訪れた希望。愛知医科大学病院で難病治療の第一号になった勇気ある青年・かける君の新薬投与までの軌跡を、5年にわたり見守り続けた担当医が綴る。
複雑だから、概観する。制度を概観できる図表を多用。経営で用いる基礎知識も説明。社会福祉士試験対策にも!
北町奉行所同心・鬼頭龍之助の縄張内で夜鷹の斬殺体が見つかった。その真正面から一太刀の斬り口で、犯人は武士と思われた。「夜鷹だからと虫けらのように殺した野郎、許せねえ!」龍之助は、死んだ夜鷹の仲間に仇を取らせてやろうと助っ人を買って出る。それは、宿敵・松平信定への挑戦でもあった。
街はいよいよ狂乱に向かって突っ走りはじめた。まずは県知事夫人ユーリヤの肝いりによる「慈善パーティ」で、何かが起こる気配。その背後では着々と陰謀が進行し、「五人組」の活動も風雲急を告げる。ワルワーラ夫人とヴェルホヴェンスキー氏、スタヴローギンとリーザの「愛」の行方は?愛と悪、崩壊と再生のクライマックス。