見た目は「太ったチャップリン」の謎めく男、林茶父は神出鬼没。変死事件にたびたび遭遇して、犯人と、犯人が隠匿しようとした事実をカラリと鮮やかに暴いてみせる。普段はおかしみのある雰囲気でも、洞察鋭く、奥に潜む真実にたどりつく。さあご覧あれ、類い稀なる見事なロジック!全六話のうち三作が日本推理作家協会や本格ミステリ作家クラブ編のアンソロジーに入った傑作ミステリー短編集。遊び心もたっぷりで、凝った趣向にニヤリだ。
時は室町。京で世阿弥と人気を二分しながらも、歴史から消された能楽師がいた。その名は犬王ー天衣無縫の少年・犬王と、盲目の琵琶法師・友魚が育む友情は、かつて誰も見たことがない歌曲を鳴り響かせる。二人が奏でる最強の物語の行く末は。「犬王」として湯浅政明監督により映画化。
じゃらんのCMでおなじみの「にゃらん」が写真集になったにょだ。
「読まずに死ねるか!!」ある日突然、強盗に殺された俺。だが本バカゆえの執念で奇跡の生還を果たしたーダックスフンドの姿で。って何で犬!?本読めないじゃん。悶える俺の前に現れたのは、ハサミが凶器のサド女、夏野霧姫。どう見ても危険人物です。でも犬の言葉が分かる、しかもその正体は俺も大ファンの作家、秋山忍本人だった!?どうなる俺、あと俺を殺した強盗はどこ行ったー!?第12回えんため大賞優秀賞受賞のミステリ系不条理コメディ。
祠堂学院の生徒会長である三洲新は野沢政貴に頼まれ、真行寺兼満に文化祭の文化部運動部の対抗劇の参加を要請する。三洲に頼まれたら断れない真行寺は運動部在籍なのに文化部の演目に出ることになって悪戦苦闘。高校生活最後の夏、揺れる親への心情、大学進学、真行寺に対しての思い…。交錯する気持ちを抱え、三洲のさまざまな決断がここに…!?完全書き下ろしの表題作、他、短編二編も同時収録。
ハイジは、五感を駆使し、意識を集中させ、犬や猫などの動物の気持ちばかりか、痛みや匂いや記憶までをも掬い取ることができる米国人女性です。暴れていた馬はハイジの説得でおとなしくなり、人に飛びかかってばかりいた猫が静かになり、寝たきりで無表情の犬がハイジに何かを伝えました…。これまで飼い主から感謝された相談事は、数えきれません。動物から“話”を聞き、本当の気持ちを人間に伝えて、双方の理解が深まったときが一番幸せな瞬間だと言うハイジ。彼女の不思議な力は、多くの感動を呼んでいます。
夏の終わりのある日、高校に迷い込んだ一匹の白い子犬。生徒の名にちなんで「コーシロー」と名付けられ、その後、ともに学校生活を送ってゆく。初年度に卒業していった、ある優しい少女の面影をずっと胸に秘めながら…。昭和から平成、そして令和へと続く時代を背景に、コーシローが見つめ続けた18歳の友情や恋、逡巡や決意をみずみずしく描く。2021年本屋大賞第3位に輝いた、世代を超えて普遍的な共感を呼ぶ青春小説。
「私が一番最初にひっかかったのは、平安時代の『大鏡』に出てくる犬の声です。「ひよ」って書いてある。頭注にも、「犬の声か」と記してあるだけなのです。私たちは、犬の声は「わん」だとばかり思っていますから、「ひよ」と書かれていてもにわかには信じられない。雛じゃあるまいし、「ひよ」なんて犬が鳴くかって思う。でも、気になる。これが、私が擬音語・擬態語に興味をもったきっかけでした。」-英語の三倍・一二〇〇種類にも及ぶという日本語の「名脇役」擬音語・擬態語の歴史と謎を、研究の第一人者が興味深く解き明かす。
可愛らしい柴犬と三毛猫、美しい草花、四季の祭事、和の伝統美…。心を癒し、脳を活性化する塗り絵に最適なイラストを12枚集めました。お母様やお父様、お子様やお孫さんも家族一緒に塗ってお楽しみください。
布で編むから布ぞうりと呼びます。懐かしくて新しい和の室内履きです。布ぞうりとひと口にいっても、カタチはいっぱい。素材もなんでもござれ。木綿でシンプルに。タオルは太い筒型鼻緒にして、思い出いっぱいのシルクのワンピースは小粋なサンダルタイプに大変身!素材とカタチの組み合わせ次第で、いろんな顔の布ぞうりができあがります。
昭和38年、晩春。高度経済成長期の真っただ中の東京・阿佐ヶ谷で、4人の芸術家の卵と、ひとりの勤労青年が出会う。漫画家の村岡栄介、歌手の井上章一、画家の下川 圭、小説家の向井竜三、ただひとり健気に働く勝間田祐二。六畳一間の栄介のアパートで共同生活を始めた若き芸術家4人は、酒を呑んでは夢を語り合う毎日を送る。それぞれ淡い恋心も抱いていた。そんな、貧しいながらも笑い声の絶えない彼らの暮らしを、祐二は優しく見守っていた。しかし、やがて彼らの前に、現実の壁が立ちはだかる…。