犬の世界に序列はなかった!犬の行動学・心理学の専門家が最新の研究結果をもって明かす、感情や思考、知能、行動…。
南アルプス山岳救助隊の新人隊員・星野夏実は、相棒の救助犬、ボーダーコリー=メイとともに、北岳にある現地警備派出所に着任した。過酷な訓練と、相次ぐ山岳事故、そして仕事への情熱と誇り。そんな日々の苦楽をともにする仲間にも打ち明けられない秘密が、彼女にはあった。東日本大震災の被災地で目の当たりにした凄惨な光景ー“共感覚”という能力を持つがゆえに受けてしまった深い心の疵が、今もなお越えられぬ岩壁のように夏実の前に立ちはだかっていた。やがて立て続けに起こり始める不審な出来事。招かれざるひとりの登山者に迫る陰謀と危難を察知した夏実は、猛り狂う暴風雨の中、メイとともに命をかえりみず救助に向かった…。
名家バスカヴィル家の当主が怪死を遂げた。激しくゆがんだ表情を浮かべた死体の近くには巨大な犬の足跡があり、土地の者は全身から光を放つ巨大な生き物を目撃していた。それらの事実が示唆するのは、忌まわしい“バスカヴィル家の犬”の伝説にほかならなかった…。寂莫とした荒れ地を舞台に展開する、恐怖と怪異に満ちた事件の行方は?シリーズ屈指の傑作長編、新訳決定版。
「食べものとは失われた時間であり、もはや記憶のなかにおぼろげにしか蘇ってこない何ものかであったのだ」。日本の山椒、釜山のコムタン、ナポリの蛸、タンジェのミントティーー。数多くの国に滞在した経験をもつ著者が、記憶の果てにぼんやりと光るひと皿をたぐりよせ、追憶の味(あるいは、はたせなかった憧れの味)を語る。熟達した文章でつづる書き下ろしエッセイ。
イギリスの十二歳の少女チャーリーは、母が木でつくられた古い犬のおもちゃ「リトル・マンフレート」をとても大切にしているのをふしぎに思っていた。チャーリーの疑問は、一九六六年、イギリスへサッカーのワールドカップを見に来たドイツ人と出会ったことで、明らかになる。戦争の悲劇と友情の記憶が、長い時をへて次代の子どもたちに語られる。切ないほどにあたたかな物語。
売れ残った子犬を冷蔵庫に入れて殺すペットショップ。違法業者たちがはびこるオークション販売。そして「飽きてしまった」という身勝手な飼い主たち。ペットブームの水面下に潜む「犬ビジネスの闇」に厳然と迫る。動物愛護法改正の舞台裏を大幅加筆。
くものうえにはふうせんどうぶつのくにがあった。ふうせんをつけたちいさなこいぬティニーのだいぼうけんがはじまる。
清顕とイリアは、かぐらも所属するセントヴォルト海空軍最強の戦闘機部隊「ヴォルテック航空隊」に配属された。荒くれものどもが集うこの部隊で、新たな仲間たちとの絆を育むふたり。そして、“あの別れ”から一年後の夏。セントヴォルト海空軍は、総力を結集して、大瀑布付近を遊弋するウラノス飛空要塞の攻略に挑むことに。清顕は、かぐら、イリアと小隊を組み、大瀑布を挟んだ決戦に参加するが…。時代のうねりに翻弄され、互いに引き裂かれながら七人はそれぞれの空を飛ぶ。第二部「第二次多島海戦争」、開幕!
岡山の山野を駆けめぐる狩猟採集少年の魂をそのままに、動物行動学者となったコバヤシ教授。研究のため、教育のため、そして何よりも抑えきれない好奇心のため“動物まみれ”の日々を送っています。あるときはプレーリードッグに借家を破壊され、またあるときは小さなヒミズに多くを学び、そしてまたあるときは飛べないドバトに求愛されー。動物行動学のエッセンスに触れる、忘れがたき動物たちをめぐる十一の物語!
龍神の寵を受けながら、その事実を隠し通さなければならない陰神子の薔は、竜虎隊隊長・常盤の恋人として、切なくも甘い学園生活を送っていた。しかし、月に一度の儀式が近づくと、二人の身辺に暗雲が垂れ込める。入院中だった神子候補生・白菊の復帰。そして常盤の昔の恋人である椿の暗躍。翻弄され思い悩んだ薔が下した決断は、常盤との間に歪みを生じさせるもので!?学園という名の牢獄で、少年たちは愛に囚われるー。
騙されているのは、“あなた自身”ですよ!お金が大好きで努力家の兄・フエーテルと心配性だけど心やさしい妹・ヘッテル。兄妹の物語が浮き彫りにする、この世にはびこる巧妙なウソとその手口。大人気シリーズ第3弾!
ゴン(16歳)が余命1か月。さぁ、私にできることは何だろう。
おおきなおおきなおいぬさまがまきおこす、奇想天外珍騒動絵巻。第2回白泉社MOE絵本グランプリ受賞作待望の絵本化!3歳から。
家庭や職場など、日常生活で生じるさまざまな疑問と悩み。その解答を生物学者の著者に聞いてみたらー?雑誌「AERA」の大人気連載コラム「ドリトル先生の憂鬱」をまとめた一冊が待望の文庫化。おかしみあふれる語り口に、生物の真理がたっぷり詰まった人生の指南書。