一ぴきの野良ネコが高貴なネコに。その生いたちと貴族生活とは。仲のよいキツネの夫婦愛と、力をあわせて子どもたちを敵から守る美しい姿。
少年シートンが見た、きびしい大自然のなかで生きる、オオヤマネコの親子の生活と習性ー。人間に飼われた灰色グマが自然に帰り、成長しふたたびとらえられるまでの自由と悲しみ(ほか3編)小学校4年生から中学生向き。
「…4、3、2、1、0、リフトオン!」小型宇宙艇は、一瞬、滑走路にすいつけられたかと思うと、ぐうんとスピードをあげた。みるみるうちに、宇宙港の出口が近づいてくる。僕は操縦レバーをひきよせた。宇宙艇は熱い震動を地面にのこし、大空にまいあがった。防眩シールドを通して、無限なる神秘の世界が僕の目の前にひろがってくる。闇。なんという透明な深みなんだろう。静けさのなかで、闇と闇とがまじりあい、永遠な藍を創造している。ま下に月。ま上に地球。地球のふちがゆるやかにまがり、その曲線は、はるかなる宇宙の藍につつみこまれている。これが宇宙か…。昨日までずっと見あげるだげだった世界なのか…。宇宙飛行士をめざす恵介と、少女由美の新しい愛の物語。小学中級以上向。
家族のように暮した犬と猫たちへの尽きぬ愛を、北国での30年余の歳月を回想して静謐な筆致で綴り、人生の深いやすらぎと余韻を伝える感動的長篇。
ママがおるすのあいだ、わたし、かわいいゆうたんのおかあさんになって、おおいそがし!おしゃべりしたりうたったり、あったかくてやさしいねこかあさん。
ニャンだって?いませっかくいい気持ちで寝てたのにィ。えっ、今度“ネコ雑学”のスゴイ本が出たって?フムフム、「ネコは本当に“ネコ舌”か」「なぜヒゲを切ってはいけないの?」「どうしてゴロゴロいうの」-まったく、人間サマのやることといったら、オレたちの隠しておきたかった秘密をこんなにバラされちゃったら、困るじゃないか。大きなお世話だョ!それよか早くゴハンをちょうだいニャ〜!
後期ロマン派の中で最も異様な空想力に恵まれたホフマンが、音楽の無限性を撞憬して滅亡するクライスラーと、その主人を模倣するだけの教養俗物牡猫ムルの対比を通じて、卑俗と彼岸への憧憬の交錯する世界を描く。
後期ロマン派の中で最も異様な空想力に恵まれたホフマンが、音楽の無限性を憬憬して滅亡するクライスラーと、その主人を模倣するだけの教養俗物牡猫ムルの対比を通じて、卑俗と彼岸への憬憬の交錯する世界を描く。
『…猫』って変よね、でもおかしいの!皆さんのご希望にお応えして堂々単行本化。恩田3姉妹の平々凡々だけど毒のある会話がきこえてくる。
まだ焼け跡の残る敗戦直後の東京の町の片すみで男は恋を知りそめたばかりの盲目の少女と出会い、抱いた少女の裸身の背後に、朽ち果てた無惨な女たちの尸(しかばね)の幻影を見る。恋の道ゆき、地獄廻りのものがたりに、人間の哀しさ、愛しさと残酷さを容赦ない筆致で剔出する『風流尸解記』。芸術選奨受賞。『蛾』『手』『心猿』『姫鬼』『獲麟』『樹懶』の六短篇を併せて優れた現代詩人金子光晴の遺した全小説7篇を集成。
気象の変わりやすい雄大な種山ヶ原の夏、勇壮な原体験舞連、牛を追って遭難しかけた少年達二の微妙な心の動き。最高の出来栄えを見せる「種山ヶ原」を収録。
ソフトに。クールに。神秘的に。日当たりのいい場所をすべて知っておくべし。この本は、ひょっとしたらあなたの人生を変えるかもしれません。少なくとも「いねむりする時間ぐらいはいつでもあるんだ」ということを気づかせるでしょう。