大学院修了後に博士研究員となった私は、所無駅付近で自分そっくりの女性と遭遇する。白い髪、白い瞳、白いワンピースの彼女はあきらかにこちらを見つめていた。学部長の唐草教授の紹介で出会った反美学研究者、灰島浩平にその話をすると、様々な推理を展開する。本来なら黒猫に相談したいところだったが、黒猫の言葉ーとにかく、まだ結婚は無理ーがひっかかり、連絡できずにいた。白を基調にした都市開発計画が持ち上がる所無。自宅に届いた暗号が書かれた葉書。私そっくりの女性となぜか会っていた母の雪絵。いったい私の周りで何が起きているのー?アガサ・クリスティー賞受賞作から連なる人気シリーズ、待望の再始動。
仲よし夫婦とゴーイングマイウェイな猫たちのありきたりで毛まみれで幸せな日々。…から見えてくる、猫の真実とは!?ほんわかマンガで学ぶ猫のきもち100問100答。
母を亡くしたあと、両親の家の片づけが手に付かない。涙で思い出が曇る。一時避難のつもりで八ヶ岳の麓の家に暮らして二年余り。山での四季があまりにも美しくて、離れられない。それでも暮らしに不便はつきまとう。買い物難民、ご近所付き合い、越冬。それらをひとつひとつ乗り越えながら、山の家での暮らしを作っていく。母の思い出と不在をともに噛みしめながら、ひとりで暮らす深い豊かさを綴る珠玉のエッセイ。
新進俳優として注目されていた兄が、自分をかばい交通事故で亡くなった。やり場のない悲しみと後悔を抱える琴子は、死者に再会できるという千葉の内房にある食堂へと向かう。その店で故人との思い出の料理を食べると、ありえない現象が起こるというのだ。半信半疑で訪れた彼女を包んだ温かな奇跡とは?感動の涙をおさえきれない切なくて優しい連作短編集。
のらねこだったねこ。あるひうちへやってきた。ゆっくりゆっくり「うちのねこ」になるまでのおはなし。
自分の体と心を、たまには甘やかしてみませんか?丁寧に手作りした滋味深いスープと美味しいサンドイッチと濃やかな心遣い。店主のアキコと相棒のしまちゃん(現在、シオちゃんと事実婚ながら新婚)は、取引先のパン屋が店を畳んでしまうなどのピンチもありながら、今日も元気にお店を営業中(無理せず、時々お休み)。ドラマ化もされた、三十三万部突破の大ロングセラーシリーズ、待望の第五弾。
ニャー、うみのたびおもしろそう。ニャー、いってみたいねうみのたび!絵本誕生10周年の10作目!!
百瀬が婚約者の大福亜子とひとつ屋根の下で暮らし始めて三ヵ月。久しぶりに百瀬の夢に現れた、裸足の少女は言う。「王子の目だま」を返しに行かなくちゃ。野呂法男と七重は「幽霊屋敷」に移転した事務所に少しずつ慣れてきた今度の依頼人は、夫を亡くしたばかりの左野麦子。迷い猫のヒマラヤンのせいで訴えられそうだという。慌てていた百瀬は、左野の家に忘れ物をした事に気づく。もうすぐ家だという時に、塀の上に座る少女を発見。そして…。百瀬は、突然、逮捕されることに!いったいどうなる?大波乱のシーズン2、第四弾開幕!
きっかけはマウス・ハウスでひらかれたディナー・パーティーだった。グルメ記事の担当になった中年の新聞記者クィラランは、そこで昔の恋人と再会した。彼女は今では陶芸家と結婚し、自分も女流陶芸家として活躍していた。ところが、まもなく行方知れずになってしまったのだ。夫婦げんかが原因の家出と思えたのだが…過去に忌まわしい事件があった邸で次々起こる怪事件。新聞記者クィラランは、推理能力を秘めた飼い猫ココとともに驚くべき真相を掘り起こす。アメリカ探偵作家クラブ・ペイパーバック賞候補の猫好きに捧げる新シリーズ第一弾。
1940年春。空軍パイロット、ジェフリーの出征に伴い、妻のフローリーは飼い猫ロード・ゴートを連れて田舎に疎開した。だが田舎の家になじめないロード・ゴートは、不思議な第六感に導かれ、ジェフリーを求めて旅を始めた。転々と居場所が変わる主人を追って、猫は、さまざまな人に出会い、飼われながら旅を続けていく。夫の戦死に絶望する若い未亡人、軍隊こそわが居場所だと誇る軍曹、住み慣れた古い街が空襲で炎上し途方に暮れる老人、黒猫は幸運を運んでくれると固く信じる若い兵士…戦争によって変わってしまった普通の人々の暮らし、その苦しみと、厳しい日々にも挫けない勇気とが、猫の旅を通して鮮やかに浮かび上がる。そしてジェフリーもまた、「戦争という暗いトンネル」の中で、変わってしまっていた。だが、最後にただ一つ変わらなかったものは…?イギリスの戦争文学の第一人者ウェストールが描く、忘れがたい印象を残す物語。イギリス・スマーティー賞受賞作。十代以上。
トンちゃんはネコ。シマシマのネコ。ゲンキなネコ。だけどトンちゃんは足がひとつない。こどももおとなも女の子も男の子もおじいさんもおばあさんもおじさんもおばさんも。
人生あみだくじ。鴨川の生活に迷いこんできた猫と生きものたちが暮らしを変えた。辛い時には雨の日の猫のように背中をまるめてやり過ごそう。時間はたっぷり。嬉しいことはちゃんとやってくる。