ある日、一郎におかしなはがきがとどいた。送り主、山猫のいうめんどうな裁判とは。表題作をふくむ4編を収録。
ある日、片山刑事のもとに中学時代の友人・畠沼が訪れた。彼はTV局に勤めるプロデューサー。その畠沼が、ポルターガイスト現象のおこる屋敷で〈タレントと一晩過ごす〉という番組の企画に、片山に出演してほしいという話を持って来たのだ。片山の心配をよそに、はしゃぎまわる晴美とホームズ。ところが、片山の不安は的中。その屋敷で殺人事件が発生してしまう。大好評〈三毛猫シリーズ〉第十六弾。
おれのなまえはサンゴロウ、うみねこ族だけの住む島〈うみねこ島〉の船乗りだ。うみねこ島に、おそろしい病がはやり、おれは、命より大切な船〈マリン号〉に乗り、薬の原料のガラス貝をキララの海へとりにいくことになった。
ぼくの名まえはイカマル。うみねこ島の見習い水夫だ。いつか、サンゴロウ親分のように自分の船をもつのが夢だ。もちろん、マリン号のような船を手に入れるのはたいへんなことだろうけど…。そんな、あこがれの親分とこんど、いっしょに仕事をすることになった。
猫の事務所の書記の中に、一匹のかま猫がいました。かま猫とは、寒さに弱くて、夜かまどの中に入って眠るため、からだが煤で汚れている猫のことです。かま猫は、猫仲間のきらわれ者。事務所でも、ほかの書記たちにいつも意地悪ばかりされているのです…。大人の絵本。小学中級以上のお子さまにも。
幼い子どものためのすぐれた作品を数多く残した作家マーガレット・ワイズ・ブラウンのわかりやすくてリズミカルな文章と、アン・モーティマーの色鮮やかな絵で、こねこの目にうつったクリスマスの謎と美しさを描きました。
本書は記号論理学の入門書であるが、他の入門書と異なる点は、半期の(つまり半年の)コースでの使用を念頭においている点である。そのために、全体の分量はかなりコンパクトになっている。それにともなって、内容的にかなり大胆な取捨選択を行なわざるを得なかった。基本方針は、(1)命題論理と述語論理を区別せず、最初から述語論理を視野に入れた叙述を行なう、(2)自然演繹法を中心に据える、(3)真理関数は扱わない、ということである。
おれのなまえはサンゴロウ。南海島に鳥類学者のイソキチを送ったあと、霧にまかれ、カイと名のる灯台もりにたすけられる。カイには、かなしい秘密があった。
東京から北越の温泉に出かけた「私」は、ふとしたことから、「繁華な美しい町」に足を踏みいれる。すると、そこに突如人間の姿をした猫の大集団が…。詩集『青猫』の感覚と詩情をもって書かれたこの「猫町」(1935)をはじめ、幼想風の短篇、散文詩、随筆18篇を収録。前衛詩人としての朔太郎(1886-1942)の面目が遺憾なく発揮された小品集。
「人間は生意気なようでもやはりどこか、抜けている」苦沙弥先生の家に飼われている猫のクールな瞳から見ると矛盾だらけで平気で生きている人間も“愛嬌”。しかしある月夜、飲みさしのビールで酔った「吾輩」は…。縦横無尽の風刺とユーモアに苦いペシミズムをひそませて人々の共感を呼んだ漱石の処女作。
「吾輩は猫である。名前はまだない。」苦沙弥先生の家に拾われた猫の「吾輩」から見れば、人間社会はこっけいそのもの。無名猫の視点から、軽妙洒脱な文体にのせて放たれる文明批評と渋いウェットは時代を超えて読者の心をつかんできた。見識とシャレ気あふれる漱石の永遠のエンターテインメント文学。