知人の華燭の典で、二十年ぶりに再会した実業家と、夫と死別して一人けなげに生きる女性。人生の道のなかばで、生涯に一度の至純の愛にめぐり逢った二人を描き、人の幸せとは?人を愛するよろこびとは?を問う香り高い長篇小説。作品解説のほか、雅びな恋愛小説を遺した中里恒子の作家案内と自筆年譜付き。
僕らの中に残っているいくつかの鮮烈な風景、でもそれらの風景の使いみちを僕らは知らないー無数の旅を重ねてきた作家と写真家が紡ぐ、失われた風景の束の間の記憶。文庫版新収録の2エッセイを付す。カラー写真58点。
猫のペロが知恵と勇気で活躍するわくわくドキドキの大冒険!1969年に作られた人気アニメ映画が絵本になって登場。
語り口は易しく水準は高く、ウィトゲンシュタインを応用しながら、哲学の基本テーマを解く。
1940年春。空軍パイロット、ジェフリーの出征に伴い、妻のフローリーは飼い猫ロード・ゴートを連れて田舎に疎開した。だが田舎の家になじめないロード・ゴートは、不思議な第六感に導かれ、ジェフリーを求めて旅を始めた。転々と居場所が変わる主人を追って、猫は、さまざまな人に出会い、飼われながら旅を続けていく。夫の戦死に絶望する若い未亡人、軍隊こそわが居場所だと誇る軍曹、住み慣れた古い街が空襲で炎上し途方に暮れる老人、黒猫は幸運を運んでくれると固く信じる若い兵士…戦争によって変わってしまった普通の人々の暮らし、その苦しみと、厳しい日々にも挫けない勇気とが、猫の旅を通して鮮やかに浮かび上がる。そしてジェフリーもまた、「戦争という暗いトンネル」の中で、変わってしまっていた。だが、最後にただ一つ変わらなかったものは…?イギリスの戦争文学の第一人者ウェストールが描く、忘れがたい印象を残す物語。イギリス・スマーティー賞受賞作。十代以上。
ここ、何田の国のにん者村では、にん者のくらいが三つある。なん者・にん者・ぬん者。にん者はふつうのにん者。そのにん者が術をきわめると、ぬん者になる。では、なん者は…。そう。なん者ひなた丸は、まだにん者のみならい。りっぱなにん者をめざして、ただいま修業中。できたばかりの店「御伽屋」の主人は、ねことんの術を見たがったり、どうもあやしい。ひなた丸は「御伽屋」にしのびこんだ。
ある日、編集者のもとへ不思議な原稿が届けられた。文字と記号がいりまじった、暗号のような文章。“〓YE SUK@NT MUWOQ”相談を受けたポール・ギャリコは、それを解読してもっと驚くはめになる。原稿はなんと、猫の手になる、全国の猫のためのマニュアルだった。「快適な生活を確保するために、人間をどうしつけるか」ひょっとしてうちの猫も?描き下ろしマンガ(大島弓子)も収録。
アメリカのケンブリッジに住んだ’93年から’95年にかけての滞在記。ボストン・マラソンに向けて昴揚していく街の表情、「猫の喜ぶビデオ」の驚くべき効果、年末に車が盗まれて困り果てた話、等々なごやか(?)なエピソードの中に、追悼特集で報じられたニクソン元大統領の意外な一面や、帰国後訪れた震災後の神戸の光景がキラリと光る。水丸画伯と陽子夫人が絵と写真で参加した絵日記風エッセイ集。
片山家では、大学受験のために上京した高校生・温水さゆりを居候させることになった。ところが、さゆりの志望校・K大の教授が殺される事件が発生し、片山義太郎が事件を担当することに。捜査を進めるうちに明らかになった大がかりな犯罪の構図ーそして、さゆりの身にまで危険が迫る!受験シーズン真っ盛りのキャンパスで発生した事件を、ホームズと片山は解決できるのか?絶好調のシリーズ第22弾。
本書では、まず最初に骨と関節および筋についてのアウトラインを述べ、これを土台として柔軟性と筋力のトレーニングに言及し、ひきつづいて身体各部の構造と機能に話をすすめる。
本書は力学(工業力学)の中心部分である動力学に焦点を置き、ニュートンの運動法則に基づいて質点や剛体の運動方程式を導き、これらを解くことに習熟するための演習書。質点および質点系の並進運動、剛体の並進運動と回転運動を通じて、並進運動の運動方程式m¨x=Fおよび回転運動の運動方程式I¨θ=Mの意味および問題への適用方法を学べるよう構成されている。運動方程式に十分習熟したのち、エネルギ保存則や運動量保存則を利用した力学問題の解法について学ぶ。
身を以て日本の近代声楽唱法を確立し、声楽家として驚異的な60年を超える演奏活動を通じて、常に高い評価を受けた柳兼子の、本格的伝記。
ここはおやまのねこやしき。おまえさまのくるところでねえ。とっととでていかねえと、えらいめにあうだ。
ありのままの自分を知り、悩みにふりまわされず、自分を素直に表現し、無理なく前向きに生きる術。自分づくりの基本テキスト。