■【特集】ジェンダー平等と多様性で男性優位の社会を変えよう
「育児休暇や時短勤務を活用して子育てをするのは『女性』の役目」「残業も厭わず働き、成果を出す『女性』は立派だ」─。働く女性が珍しい存在ではなくなった昨今でも、こうした固定観念を持つ人は多いのではないか。
今や女性の就業者数は3000万人を上回り、男性の就業者数との差は縮小傾向にある。こうした中、経済界を中心に、多くの組織が「女性活躍」や「多様性」の重視を声高に訴え始めている。これ自体は歓迎すべき動きと言えるだろう。
だが、肝心なのは、中身である。内閣府が2022年に実施した世論調査では、約79%が「男性の方が優遇されている」と回答したほか、民間企業における管理職相当の女性の割合は、課長級で約14%、部長級では8%まで下がる。また、正社員の賃金はピーク時で月額約12万円の開きがある。政界でも、国会議員に占める女性の割合は衆参両院で16%(23年秋時点)と国際的に見ても極めて低い。
女性のエンパワーメントとジェンダー平等を目的に活動するHAPPY WOMAN(東京都港区)の小川孔一代表は「『SDGs(持続可能な開発目標)』や『ジェンダー平等』などの言葉は広く浸透し、いかに実装していくかというフェーズに入っているが、“やっているフリ”は逆に世間からの評価を下げる方向に働くだろう」と語る。
女性たちの声に耳を傾けると、その多くから「日常生活や職場でアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)を感じることがある」という声があがり、男性優位な社会での生きづらさを吐露した(21頁に詳報)。
アンコンシャス・バイアスは、性差に限らずあらゆるところに存在するが、行き過ぎれば、社会発展の“障壁”になる。
3月8日は女性の生き方を考える「国際女性デー」だ。この日を前に、歴史を踏まえた上での日本の現在地を見つめるとともに、多様性・多元性のある社会の実現には何が必要なのかを考えたい。
時代は昭和でも、平成でもなく、令和である。ジェンダー平等と多様性の実現で、男性優位の社会を変えていくことが、より良い社会を築く足がかりになると信じたい。
文・佐藤千矢子、湯澤規子、高崎順子、石井妙子、得能摩利子、與那覇 潤、ブレイディみかこ、藤原章生、編集部
PART 1 納得感なきジェンダー平等 日本は「オッサンの壁」を壊せ
佐藤千矢子 毎日新聞社 論説委員
COLUMN 1 気づいていますか? 女性たちが感じるジェンダー
編集部
DATA データで見る男女平等 これが日本の“現在地”
編集部
PART 2 「わたし」としての人生を生きる 日本でも「静かな革命」を
湯澤規子 法政大学人間環境学部 教授
PART 3 女性を“忘れた”時代からフランスが転換できた理由
高崎順子 フランス在住ライター
COLUMN 2 女性参画で生まれたヒット商品 大切なのは“利用者の視点”
編集部
PART 4 拝啓 令和を生きる女性たち 今、学ぶべきは女性の歴史
石井妙子 ノンフィクション作家
INTERVIEW 1 男だから、女だからではない 価値を生む多様性の本質
得能摩利子 三菱マテリアル 社外取締役、フェラガモジャパン 元CEO
COLUMN 3 女性採用を契機に脱皮を果たしたある中小企業の挑戦
編集部
PART 5 スローガンが氾濫する日本 唱えるからには中身の吟味を
與那覇 潤 評論家
INTERVIEW 2 相互理解と共存の鍵握る能力「エンパシー」をどう育むか
ブレイディみかこ コラムニスト
PART 6 アフリカの旅で考えた差別意識の出どころ
藤原章生 毎日新聞記者、ノンフィクション作家
■WEDGE_SPECIAL_OPINION
・ウクライナ侵攻から2年 日本人に問われていること
PART 1 “20世紀型”はもはや限界 長期戦見据え抑止力の再構築を
宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所 理事
PART 2 欧米に見られる「支援疲れ」 今こそ日本流で独自の貢献を
廣瀬陽子 慶應義塾大学総合政策学部 教授
Column ウクライナでも稼働! 世界に誇る日本の「モバイル浄水器」
編集部
PART 3 本音と諦観が渦巻くロシア 大統領選でルビコンを渡るか
黒川信雄 産経新聞社 元モスクワ特派員
■WEDGE_OPINION 1
・「賃金と物価の好循環」実現で「金利のある世界」に備えよ
渡辺 努 東京大学大学院経済学研究科 教授
■WEDGE_OPINION 2
・医療費46兆円の時代 単価でなく受診回数抑制の改革を
成瀬道紀 日本総合研究所調査部 主任研究員
■WEDGE_ REPORT
・地震防災対策に長寿命化 あなたのマンションは大丈夫?
中西 享 ジャーナリスト
■連載
・商いのレッスン:事業の“あり方”と“やり方”(笹井清範)
・偉人の愛した一室:堀 辰雄 「奈良ホテル」(奈良県奈良市高畑町)(羽鳥好之)
・MANGAの道は世界に通ず:実はみんな女性になりたがっている? VRによる制約の解放(保手濱彰人)
・インテリジェンス・マインド:ソ連への内通者「モグラ」を探せ! CIA対KGBの戦い(小谷 賢)
・誰かに話したくなる経営学:「ただの石」を「重要資源」に 半導体製造を支えているもの(岩尾俊兵)
・時代をひらく新刊ガイド:『老化は治療できるか』 河合香織(稲泉 連)
・近現代史ブックレビュー:『戦時下の演劇 国策劇・外地・収容所』(編)神山 彰(筒井清忠)
・フィクサー:第二章 箝口(真山 仁)
・モノ語り。:コーヒー豆の「エルドラド」 イフニコーヒー(水代 優)
●一冊一会
●各駅短歌 (穂村 弘)
●拝啓オヤジ (相米周二)
●読者から/ウェッジから
“お金の性格を知る、賢く使う、働き方を知る。”「50代」から「お金」と「自由」を手に入れる!経営者としてお金と人生の厳しさを見てきた66歳の著者だからこそ語れる、定年後リアルと「何があっても困らないお金とのつき合い方」の極意。
世界に先駆けたデジタル小売革命はどのように生まれ、何をもたらしたのか。2023年「Thinkers50」選出のIMDビジネススクール教授らがニューリテールの歴史を徹底分析。鮮烈な起業ストーリーを織り交ぜながら未来の小売の可能性と教訓を語る。
★まずは腸から元気に!/骨を強くするコツ/万全の乾燥対策★
【特別付録】
献立に困らない。ほぼ20分で完成! Today's Cooking
【特集内容】
■体の中から元気に若々しく!
藤井恵さんの「腸にいい絶品おかず」
■食材の組み合わせがコツ!
骨を強くするおかず
■プチ不調を感じたら
お大事に、の薬膳おかゆ
■肌も髪もおまかせ!
乾燥に負けない美容ケア
■まねしてみたい工夫がいっぱい
料理家キッチンの使いやすさを大解剖!
■榎本美沙さんと行く
島根・発酵食をめぐる旅
■塩麹で柔らか、ジューシーに。
うまみ増し増し漬け込み麹肉
【連載内容】
・西田尚美の今日もお天気
・赤羽橋からこんにちは!
・楽しいかも。春を呼ぶ、ふたつの桜餅。
・[隔号連載]〈ゆる〉プラントベース生活/カリカリチーズ焼きおにぎり」
・角田光代 ちょっと角の酒屋まで
・鏡リュウジの星からのエール
・ひとこと美文字レッスン
・[隔号連載]からだのキーワード
・「人生100年時代」のお金のつくり方
・どうする? どうなる? 老後の4K
・今井ようこさんの 初めてでも作れるナチュラルおやつ/りんごの全粒粉パンケーキ
・[隔号連載]菱田屋酒場/豚バラと車麩の煮もの
・[隔号連載]ほぼ1000人にききました
・67歳、月12万円 ショコラさんの おひとりさま生活
・ため息が笑顔に変わる おとな世代の美容塾
・ねこまき(ミューズワーク)ごはんのかみさま
・気になるあの人:ロックバンド ユニコーン
「リピーター」「LTV」大切なことはわかっているのに、なぜかうまくいかない?企業に何も言わずに去った顧客は、実は“身近な誰か”には不満を伝えているかもしれません…。サイレントカスタマーの「本音」とは?
笑える。だけど考えさせられる。世界のスゴすぎる研究を解説。生き物の謎を解明したり、思いがけない発見があったり。そんなイグノーベル賞82本を紹介!!
博物館や植物園に勤めてきた植物学の専門家が、知られざる植物のすがたや魅力を伝えます。「昆虫のオーダーメイドでできた花」「同じ水草が姿形の異なる葉っぱをつけるワケ」「敵を死にも至らしめる、植物の化学兵器」「植物はなぜ毒をもつ?」などなど、植物観察がいっそう楽しくなる全83編の特別レクチャー。読むとおどろき、花や草木を見る目が変わる知識や視点が満載です。
畑仕事、料理も一人でこなす「自立」生活と、玄孫との日常が大人気!!「ばあちゃん、すごい!」「癒される」「幸せな気持ちになる」の声が続々。『最強ばあちゃんときどき玄孫』あっという間にYouTubeの登録者数が急増中!子ども5人、孫7人、ひ孫5人、玄孫4人の5世代YouTubeクリエイター。
天龍族や鬼族が集まって、ほぼ村になってしまったソウジロウの異世界キャンプサイト。本格的に商人と取引を始めたり、ちょっと複雑な釣り用リールを開発したり、久々のソロキャンでコーヒーブレイクを楽しんだり、今回もマイペースに暮らしてます。さらには、ミスティアの旧友のダークエルフもやってきて…ってまさか君たち仲悪くないよね!?チートな元社畜の、等身大の異世界生活、第三弾!
「あさイチ」で反響の大きかった、血流アップと代謝アップワザが満載!冷え症の人は、血管が硬くなっている場合が!専門医が警告!50歳以上の冷え症は、「血管障害」の危険性も!たった10分で9割以上の人の手足の冷えが改善!“スーハー”リラックス法。ビキニ・フィットネス安井友梨さんのたんぱく質“ちょこちょこ”食べを公開。アスリートも大注目!魚肉たんぱく質食品が疲れにきく!筋肉量が減り、基礎代謝が減ると、熱を生み出しにくく、女性は、冷え症になりやすくなります。ぜひ本書の冷え症対策で、冬も夏も一年中、冷え知らずな毎日を!
知的障害者の投票について考えることは「みんなにとっての投票」を考えること。知的障害者向けの投票支援を権利保障のひとつとして位置付け、選挙情報提供の先進的取り組み「狛江モデル」の実践が権利保障についての従来の考え方をどのように広げうるのかを、ユニバーサルな分かりやすい選挙への貢献の可能性も含め考察する。
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