気温や湿度など気候条件は人間の活動に深いかかわりがある。本書では、熱帯、砂漠、温帯、寒帯、極圏、高地などさまざまな気象条件のもとで人間がどう環境に適応しているかを調べ、人間の進化のプロセスとかさねあわせて、人間の身体の適応能力とその限界を明らかにする。注目を集めている生理人類学の入門書。
この物語は、ケティを中心に、アメリカ合衆国東部の学園生活がえがかれています。
操体法で知られる著者の半世紀にわたる、論文随想のすべてを、1冊に収めた全文集。生体の基礎構造に働く運動系のメカニズムと生活の自然法則との相関を追求して健康と疾病の根源に迫る思索と体験のあとを体系的に収録。
1932年から1959年まで、建築家を志す若者のグループ(タリアセン・フェローシップ)は、この世界的な建築家の偉大さに触れた。この時に交した手紙の数々をもとに、その印象を語り、氏の私観を披瀝する書簡集。様々な経験、感情のやりとり、試行錯誤、また、その成果をとらえ直し鮮明によみがえらせている。先に、刊行された「フランク・ロイド・ライト」-建築家への手紙ーと併わせ、ライト氏の造家作家として創造の秘密を探る好個の書。
アフリカの大河ザイール川に囲まれ、人を近づけぬ密林の最奥部に生息するビーリャ(ピグミーチンパンジーの現地名)。本書は霊長類社会学者である著者が単身行ったビーリャ調査行のなまのルポルタージュである。
“情報を制するものが世界を制する”情報大国アメリカと情報後進国日本。経済摩擦につづいて日米情報摩擦がささやかれ“情断”が現実に指摘されている。今日、アメリカの情報に頼る日本に未来はあるのか。コンピューターを駆使してはじめて可能な、この情報化時代の現状を、グローバルな視点でホットにときあかす。
「東洋的思考」の役割など哲学・宗教の論理性の再検討を迫る、足穂思想のアンソロジー。
「命が宝」ということばが沖縄にあります。その生命を創り維持する第一のものは、食べものです。沖縄はまた、世界に冠たる長寿の島です。長寿を約束する最大の要素も食べものです。本書は、沖縄各地に住むおばあさん方から、半世紀前のくらしの営みのなかでの食べものつくりの話をうかがい、また当時の料理を実際につくっていただきながら製作しました。
宇宙開発のような国家的プロジェクトから産業活動、医療、教育といった日常生活に密接にかかわりのあるものに至るまで、システム工学の適応範囲は拡大の一途をたどり、また新しい手法も次々と開発されている。本書はシステム工学の本質を明らかにし、その占める位置や今後の対象、さらに現代と未来社会における意義と役割を、最新のデータと豊富な具体例をもとに平易に解き明かしていく。
厳しく美しい大自然の中、たった独りで人間は何ができるだろうか?その場所は、アラスカ山脈の中腹ツイン・レイクスの畔。時は、1968年5月下旬からの16ヶ月間。古ぼけた小さな小屋を振り出しに独りの男がハンドツールだけを頼りに完璧な生活を築き上げた。丸太小屋と野生動物とラスト・フロンティアの日誌。
国内・海外の日本語教育界で高い評価を得ている『Nihongo Notes』の待望の翻訳版。原著第1巻(全70本)に第2巻(18本)を含めた計88本のコラムを収録。原著の英文の一部を参考として掲載。英語で説明する人のために便宜を図った。
食・住の生活革命をもたらした土器や漆の技術。現代人も驚く生活の知恵が満ちている家や村や祭りのなかに、狩猟・採集民の姿を追求。
“もっと単純に生きられたら”-。息子の受験、母の死、自身の心臓病など二年半の日々を、静かに、淡々と融通無礙に綴る、阿部昭の“自然と人生”。凛然たる精神、深く滲み出す人間理解のユーモア。阿部文学の静かで豊かな達成ー。
ちゃぶ台、提灯、幻灯、むしろ、緋毛氈、加賀暖簾-。時代と風土がはぐくんだ、モノを通してみる異色の文化史。
国の天然記念物である阿寒湖のマリモは、その完全な球状の美しさゆえに有名だが、その生態は、意外にも知られていない。各地に生育するマリモのうちで、なぜ阿寒湖のものだけが、あれほどなめらかな球形になるのか。マリモを人工的に球化させることはできるのか。できるとすれば、それは天然のマリモとどう異なるのか…。本書は、世界の湖沼にマリモの生態を尋ねながら、自然界でも珍しい球形化の秘密を探ろうとするものである。