幼い日のゆたかな読書体験と「かつら文庫」の実践から生まれた子ども、読書、絵本、本づくりをめぐる随筆集。子どもの本とともに歩んだ作家・翻訳家がやさしい言葉で真摯に綴った83篇。
前著『発達障害に気づかない大人たち』で著者が明らかにした、見過ごされる「大人の発達障害」。患者の最大の悩みは、仕事がうまくいかず、職場で孤立してしまうことである。これは当事者のみならず、上司や同僚など周囲にとっても喫緊の課題であり、ひいては、ニートやひきこもりの増加につながっているとの指摘もある。しかし、発達障害の短所と長所を認識することで、これを改善することは可能だ。本書では「職場の発達障害」の対処法について、「時間や約束を守れない」「仕事に集中できない」「上司や同僚とのコミュニケーションがうまくとれない」といった具体的場面に即して、当事者・周囲の人の両面からアドバイスする。
建築デザイナー、桑野信介。ルックスはよく、仕事も順調。趣味は、部屋で牛乳を飲みながらクラシック音楽を聴くこと。人づき合いを嫌う信介の態度に、女性は寄りつかない。ある日、突然の腹痛で病院に。冷静な女医、早坂は、信介の変人ぶりを意に介さず、肛門の診察をしようとするが…。
千波の携帯に、突然『潮風』と名乗る人からのメールが送られてきたのは、去年の五月十日の木曜日のことだった。メールの言葉に励まされて、千波は卒業式を迎えたが…。
鎌倉の実家の近くで今日介は、黒髪の甘い香りと長い睫毛が魅力的な和服の若妻、森下美佐子と知り合う。草履の鼻緒を直すため、誰もいない今日介の実家へ。そして、足のツボを診ることに。白い足袋を脱がし、素足の裏が露わになって…。官能の名匠が贈る新境地、その第1シリーズ完結編。週刊現代連載小説。
秘伝の書が男の背中を押した。真面目な心に何かが芽生えるー。メーカーに勤務する野上陽介は福岡で妻と中学生の娘と平凡に生活していた。そんな彼が東京本社へ転勤、単身赴任することに。四十男の一人暮らし。古書店で手に入れた本に一冊の小冊子が挟まれていた…「週刊現代」連載小説、新シリーズ第1巻。
「増員!?『特能』にですか!?」瞬と上司の徳永の二人きりだった特殊能力係にやってきたのは、驚異的な映像記憶能力を持つ関西弁男・大原海。パリピなムードメーカーの大原をチームに迎え、新たな絆を深める『特能』だったが、活躍する彼に対し瞬は焦りを感じる。そんな時、見当たり捜査中の大原が不穏な動きを見せ始めたのに気づいてしまった瞬は…?
世界的な潮流となった#MeToo運動や男性社会への疑義など、性別に伴う差別や不平等への意識が今日、かつて無いほどに高まっている。他方、「男性特権」への開き直りは論外として、多くの男性は、時には剥き出しの敵意にも直面しながら、己の立ち位置や与し方に戸惑っているのではないか。自らの男性性や既得権、そして異性との向き合い方に戸惑い、慄くすべての男性に応えつつ、女性や性的マイノリティへ向けても性差を超えた運動の可能性を提示する一冊。
インテリ男はなぜセクシーでないか?浮気弁護論、殺し文句についての考察。男の色気、嘘の効用について。成功する男、わが心の男。腹が出てきたらもうおしまいか等々、塩野七生が男たちに贈る辛辣にして華麗、ユーモアと毒にみちた54章の「男性改造講座」。若者から老人まで、男が本当の大人になるための最良のバイブル。
わたしたち人類は約1万年も前から、建物をつくり続けてきました。その大昔から続く“人”と“建築”の歴史がこの本に詰まっています。ピラミッドやギリシャ神殿などの古代建築から、フランク・ロイド・ライトやル・コルビュジエ、サグラダ・ファミリアなどの近・現代建築など、時代を彩った画期的な建築を年代順に紹介します。
芳野荘介28歳。彼女いない歴も28年、田圃と山しかない地元・夜越町で冴えない広告デザイナーをしている。一方、河合裕紀32歳。超一流クリエイター・南波仁志の右腕でありながら、独立や彼女との結婚には二の足を踏み続けていた。そんな真逆の二人が“夜越町農業王国”プロジェクトでチームを組むことに。迎えた人生の転換期、「できない男」たちが出した結論とは?頑張る大人のための青春小説。
一度見た人物の顔は絶対忘れない、新人刑事の麻生瞬。上司の徳永とともに指名手配犯を見つけ出す「見当たり捜査」をおこなっている。そんなある日、浦井という殺人未遂犯が刑期を終えて出所した。浦井は殺せなかった相手を再び狙う可能性があるー徳永の懸念を知り、瞬は協力を申し出る。瞬の「特殊能力」によって、思いがけない形で5年前の事件の真相が明らかに…!?
恋愛経験ゼロ、仕事も冴えない荘介と仕事は有能でも、本気の恋愛に踏み出せない裕紀。大人による大人のための成長小説。
館山藩の姫君から贈られた白い珠に突如、浮かび上がった孝の文字。奇怪な現象を目にした桔梗は、老中の命で動向を内偵中の館山藩内で白珠にまつわる謎めいた伝承を耳にする。やがて桔梗は、小蝶、萩乃とともに真相に迫るが、それは彼女らを絶体絶命の窮地に立たせる契機となった…。白熱の時代活劇。大江戸チャーリーズエンジェル、第二弾。
自分が話したい内容だけを英語にして覚える、質の良い発音を繰り返しヒアリングする…。著者が50歳から学んだ、英語学習のための新メソッド。
僕は機械しか愛せない。人間は非論理的だ。恋人も友人もいないけれど、でも人間と関係を結ぶなんて非効率で面倒くさいじゃないか。そんなある日、僕は職場の事故で片脚を失う。そのときひらめいたのだーエンジニアとしての才能を注ぎ込んで、生身より断然高性能の脚を開発しようと。名づけて「美脚」。その出来は素晴らしく、僕は残る片脚も機械化した。これが僕の未来を開いてくれたー僕に共感を抱いてくれた初めての女の子、ローラとの出会い。恋の成就。会社が与えてくれた大規模な開発チーム。思いのままに研究を進められる自由。だが僕は知らなかった、すべての背後に社の軍需部門の思惑があったことを。やがて暴走をはじめる開発チーム。姿をあらわす「機械化兵士」開発計画。それは僕の彼女、ローラまでも巻き込んでゆく。大地を揺るがして疾走し、轟音とともに跳躍する機械の脚。それを武器に、理系オタクは恋人のために死地に赴く。ダーレン・アロノフスキー監督で映画化決定、ガジェットとイノヴェーションの世紀を切り裂くギーク・サスペンス。