あるときは赤穂浪士のたどった道、またあるときは箱根越え、お伊勢参りに罪人引廻し、島流しルートも。暑さにも寒さにも原稿締切にも病にも負けず、ミヤベミユキはひたすら歩く歩くー。怪しき道づれたちと繰り広げる珍道中記を読むと、あ〜ら不思議、あなたも江戸時代へタイムスリップ。さあ、この本をポケットに、お江戸の旅へと出発しよう!楽しくてためになるおトクな一冊。
43歳独身のシェリルは職場の年上男に片想いしながら、孤独な箱庭的小宇宙からなる快適生活を謳歌。9歳のときに出会い生き別れとなった運命の赤ん坊、クベルコ・ボンディとの再会を夢みる妄想がちな日々は、上司の娘が転がり込んできたことにより一変。衛生観念ゼロ、美人で巨乳で足の臭い20歳のクリーだ。水と油のふたりの共同生活が臨界点をむかえたときー。幾重にもからみあった人々の網の目がこの世に紡ぎだした奇跡。ミランダ・ジュライ、待望の初長篇。
人とうまく関われない変わり者の中年男を、阿部寛が熱演したコメディ・ドラマ。桑野信介は腕のいい建築家だが偏屈で独善的で、結婚しないと豪語している。そんな彼が適齢期の女医や隣人の娘と出会うことで、心を動かされていく。
男性は女性と異なり、礼儀をあらためて教わる機会があまりない。しかし、上司や取引先、部下とのつき合い、そしてプライベートで大切な人との時間を過ごすうえで、まず必要とされるのが礼儀作法である。そもそも小笠原流礼法とは、室町時代、武士が社会生活を円滑にするために作られ受け継がれてきたものなのであるが、現代ではあまりそのことは顧みられていない。大事な場面で、自信のない思いで過ごしたり、逆に身の丈以上に見せようと無理をするのではなく、自分の立場をわきまえたうえで堂々と振る舞うために、一度、礼法の歴史を振り返り、その「こころ」と「かたち」を身につけてはいかがだろうか。約七百年前の室町時代に確立し、「お止め流」とされていた小笠原流礼法を、本格的に紹介する初の試み。
自分の好きな色や画材を使って彩色し、美しい絵を仕上げてみよう。塗り絵は色を選んだり指先を使うので、脳の活性化にとても効果的。仕上がった絵を飾ったり、家族や友人と一緒に塗ったり…、手軽に美しい絵ができあがる質の高い塗り絵は、これからの大人の趣味にピッタリ。本書では、庭先や街角などで元気に咲いている花の絵を中心に11枚収録している。
親子でつくれる大人気のおりがみ多数収録。
前著『発達障害に気づかない大人たち』で著者が明らかにした、見過ごされる「大人の発達障害」。患者の最大の悩みは、仕事がうまくいかず、職場で孤立してしまうことである。これは当事者のみならず、上司や同僚など周囲にとっても喫緊の課題であり、ひいては、ニートやひきこもりの増加につながっているとの指摘もある。しかし、発達障害の短所と長所を認識することで、これを改善することは可能だ。本書では「職場の発達障害」の対処法について、「時間や約束を守れない」「仕事に集中できない」「上司や同僚とのコミュニケーションがうまくとれない」といった具体的場面に即して、当事者・周囲の人の両面からアドバイスする。
恋愛経験ゼロ、仕事も冴えない荘介と仕事は有能でも、本気の恋愛に踏み出せない裕紀。大人による大人のための成長小説。
1921年、一人のアメリカ人青年がパリにやってきた。地位もなく名声もなく、ただ文学への志に燃えたアーネスト・ヘミングウェイという名の青年は、このパリ時代に「雨のなかの猫」「二つの心臓の大きな川」「殺し屋」など、珠玉の名編を次々に発表する。本書は、彼の文学の核心を成すこれらの初期作品31編を収録。ヘミングウェイの全短編を画期的な新訳で刊行する全3巻の第1巻。
命と金と妻以外、なんでも捨てる!人気漫画『じみへん』作者は究極の断捨離オトコだった。空き部屋のような仕事場、妻を説き伏せ捨てたソファ、燃やしたらスッキリした大量の漫画原稿。憧れは、マザー・テレサのようなシンプルな生き方。けれど物欲も人一倍強く、好みの茶碗を求めて地方まで出かけたり…。極端すぎる捨て方に笑いが止まらない、異才の漫画家が放つエッセイ集。
うちの子って、こんなことして大丈夫?男の子なのに、意気地なしなの…。そんなお母さんの悩みに保育士歴23年の著者がズバリ答えます。
福祉システムが破綻した日本。スラム化したかつての繁華街“シブヤ”の野宿者・イオンは、闇を根城にする若者たちと出会い、アンダーグラウンドに足を踏み入れる。NGO「ストリートチルドレンを助ける会」、女性ホームレス集団「マムズ」…彼の「優しいおとな」はどこにいるのか。桐野夏生が描く、希望なき世界のその先とは。
「人間嫌い」のための居心地のいい人間関係のつくりかた。
愛する夫を喪った女と、夫が大嫌いになった女。おいしい料理教室を舞台にしたふたりの“妻”の孤独と冒険の物語。
子どもも大人も「感情」を上手に扱えなくなっている。特に怒り、落ち込み、不安といったネガティブな気持ちに対応ができない。このことが学級崩壊や少年たちの衝撃的な事件を生んだり、大人の社会でもさまざまな困ったコミュニケーションをひき起こしているように思える。かつて家族のなかで自然に行なわれていた、気持ちを取り扱うための訓練ーこれからは教育の場で、家庭で、意識的にこころのトレーニングをしなくてはならない。子どもたちの発する気持ちのSOSにどう答えるか、大人の感情トラブルをどう解決するか、実践的なこころの扱い方読本である。
一人でした後の、何とも言えないむなしさ。なのにまたしてしまうという、厄介さ。実は男は、根っこのところで「感じていない」のではないか。だからこそ制服少女を目にしてはゾクッとし、美少女写真集を見てはあらぬ妄想を膨らませてしまうのではないか。にもかかわらず、多くの男が自分の「不感症」に気づかずにいるのは、なぜか。この問いに答えるべく本書は、著者自らの体験を深く掘り下げながら、問題のありかを探っていく。禁断のテーマに真正面から挑み、「男の性」を根本から問い直す、衝撃のセクシュアリティ論。
歌謡曲やトレンディドラマは、恋愛するのは当たり前のように騒ぎ立て、町には手を絡めた恋人たちが闊歩する。こういう時代に「もてない」ということは恥ずべきことなのだろうか?本書では「もてない男」の視点から、文学作品や漫画の言説を手がかりに、童貞喪失、嫉妬、強姦、夫婦のあり方に至るまでをみつめなおす。これまでの恋愛論がたどり着けなかった新境地を見事に展開した渾身の一冊。