きのうは、いたずら・うさぎ!きょうは、あべこべ・うさぎ!あしたはなにになろうかな?幼い子どものはずむような毎日を、リズミカルな文と愛らしい絵でえがいた、はじめて読んできかせるのにふさわしいおはなし。
浅草、上野、隅田川。さまざまなときが流れる場所を気ままに散索し、ひとや風景の奥にひそむものを豊かに描きだした期待のエッセイ集!
食べものに関する昔の記憶や思い出を感性豊かな文章で綴るエッセイ集。
白くない百合を、なぜ漱石は「白い」と書いたのか?三島由紀夫は本当に松の木も知らなかったのか?泉鏡花、志賀直哉から安部公房まで、小説を植物学的に解剖すると…。
雪の降りしきる唐沢家の別荘につどう、仲の良い三人の嫁と、足の不自由な娘。そこに舞い込んだ一通の速達ー「俺は妹に代わり、おまえを痛めつけてやることに決めた」平穏な日々のぬくもりの中で暮らす四人の女達は、恐怖と疑惑の穴に突き落とされた。洒落者の義父に、あるいは夫に、何が起こったのかー。幸福が綻び、やがて崩壊へと向かう、長篇心理サスペンス。
おれの恋は、いまあの百合なのだ。いまあの百合の花なのだ。砕けるなよ。-一瞬の稲妻の閃光の中、くっきりと白く浮かびあがる百合に、ガドルフは強く願う。宮沢賢治作品のなかでも、きわめて鮮烈であり、忘れがたいイメージを残して貫いていく一編を、画家ささめやゆきが、はじめて絵本化。小学館絵画賞受賞作品。
詩情と感性の作家佐藤春夫の広汎な作品を集大成。詩に、小説に、評論に、多才を発揮し、常に文壇の先駆者として新生面を切り拓いた文豪佐藤春夫。その活動の軌跡を余すところなく伝える決定版全集。本全集で初めて書簡を収録するほか、詳細な人名索引を付し、作家の生涯と作品を再現する。
大学の文学部の教師の父親と、その優秀な教え子であった母親の次女として生まれた著者は、教育熱心な母親の指導のもと、18歳にして「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」に「十八歳の自叙伝」を発表する。全国から寄せられたファン・レターの中に、すでに世捨て人のように隠棲していたJ.D.サリンジャーからの一通があった。二人のあいだに文通が始まり、お互いにお互いを渇望するようになる。イェール大学に入学した彼女は、やがて大学を捨て、当時53歳でホメオパシーと自然食を信奉するサリンジャーとの同棲生活を始める。彼女にとって彼は神のような存在になったが…。知られざるサリンジャー像と濃密な母娘関係に彩られた女流作家の回想。