ふたりがずっといっしょにいるために必要なことを、10通の手紙にして贈ります。
本巻に収録された宮本百合子の書簡は、一九三二年から一九五一年一月までに書かれたもので、五五二通である。そのうち、三四通が新収録である。特徴的なものとしては、百合子の獄中からの手紙は記念的なものである。市ケ谷刑務所および東京拘置所からの書簡二十二通がこれで、同じ時期ではあるが父葬儀に列席のため五日間の執行停止の時書いた二通もある。また、一九三九年一月十三日付弟妹宛の遺書も収録されている。これは百合子が盲腸手術をうける前、一九三八年十二月に書いたものをのちに改めて書き直したもので、百合子の人生に処する心構えが分かると同時に、獄中の夫への思いやりを改めて感じさせるものである。
朗読は声の贈りもの。朗読作品26編で具体的な朗読法を解説。
ー百合の香りに、誘われてきたんだね。そう、これは山百合。花言葉は、荘厳ー。十年前、連続幼児殺人事件の容疑者に捕らわれながら、寸前で助け出された皆瀬早紀は、中学生になっていた。幼き日の記憶。しかしなぜか早紀には、捕らわれたことよりも助け出されたことの方が忌まわしい記憶として残されていた。そんな時、十年前の連続殺人事件と同様の殺人事件が発生する。過去の容疑者・蘇我憂水が舞い戻ったのだろうか!?早紀はいつしか通うようになっていた花屋“レンテンローズ”で、己の記憶と向きあうことになるが…。彼女の見つめる先にあるものとはー。五弁の花咲くレンテンローズより紡がれる、超人気幻想ミステリー第3弾。
賛美歌は知れば知るほど深く、不思議な魅力がある。大きな古時計、埴生の宿、庭の千草、春の日の花と輝く、きよしこの夜、水野源三作詞の賛美歌、キリストにはかえられません、丘のうえに十字架立つ、千歳の岩よ、わが身ののぞみは、植村正久と賛美歌などについて解説した大塚野百合・賛美歌シリーズ第4弾。日野原重明先生とのイースター特別対談「感動と共に生きる人生」を収録。
11歳で子役としてデビューしてから四十数年、仕事やプライベートで吉永小百合が訪れた、たくさんの世界の街々。街の記憶は、人々との出会いや、さまざまな映画の思い出につながっていく。映像からだけではわからなかった、吉永小百合の素顔や女優人生での思いがけないエピソードが、さわやかに語られる。1997年に始まり、多くのリスナーに愛され続けてきたTBSラジオの人気番組、待望の文庫化。
第三十二・三十三巻に収められた作品は、一九一二年の十三歳から処女作「貧しき人々の群」発表までの間に書かれた習作である。処女作発表が十七歳という若さであり、したがって書かれた習作も女学校二、三年の少女時代にはじまり、その作品数も多く、処女作発表にいたる宮本百合子の成長過程を知る貴重な資料である。本書には一九一二年から一九一四年までの十五編が収められた。
九州高速道路パーキングエリアに始まるバラバラ死体遺棄事件。交友関係のもつれによる事件の経緯を私は「黒髪殺人事件」として書こうとしていたが、その企画は打ち切りとなってしまった。しばらくして届いた亡き友の講義録「黒髪考」をひもとくうちにー。ブッキッシュな作品「黒髪」を含む初期傑作短編集。
石畳の街で、ひたすら「学びかた」を学ぶ。けっして知的エリートではない40代のひとりの画家が、アカデミズムの頂点のような場所で、「自分とは何か?」を問い直しながら、学ぶことの至福と意味を感じ続けた日々。
本巻は、一九一四年から一九一六年、百合子十五歳から十七歳のときに書かれた習作六編と、習作期の感想・小品五十四編(詩・短歌五編、戯曲一編を含む)が収めた。