史実か否か、という以上にどう語られているか。文学のみならず、歴史・芸術・言語等の周辺分野からのアプローチも交じえた、最新の研究成果を提示。この20年のうちに大きく変化してきた軍記物語研究の現在と、今後を見据えた文学本来の課題を照らしだす。
石油市況の先行指標として今や無視できないNYMEXの石油先物取引。株式や債券市場と並ぶ資金運用の場となっているだけでなく、石油企業や商社の原油コスト安定を図るヘッジングの場としての効用も大きい。現地リポートを交えた石油先物取引の最新入門版。
ユダヤ教と現代思想ー20世紀、この両者の深淵で繰り広げられた知的格闘を、思想家ひとりひとりを光源として、詳細かつ重層的に描き出したシリーズの第2巻。ショーレム、ブーバー、ブロッホにおける、信仰と理性の融和と対立のダイナミズムを丹念にたどった精神史。
秘められたる写真家のささやき。ゼラチンシルバープリントがあらわす深い精神世界。欧米で高い評価を獲得する山本昌男、初の決定版!
日本が世界に誇りうる固有の文化財である絵巻物は、単に見るものを楽しませてくれるだけではなく、いまや歴史や文学の資料としても欠かせられない。本書は、著者の絵巻物体験をもとに、絵巻物の多様性を語りながら、改めて絵巻物とは何か?を問う。“絵巻学”の入門書である。
金融の自由化、国際化、証券化が進展するなかで創設された金融先物取引法の仕組みから実務手続まで金融取引実務のエキスパートが解説する。金融先物取引所の規則集も収録。
カリブ海の小さな島で、死の床に就くひとりの男。第2次大戦後に世界各地の独立戦争に参加した、このかつての島の英雄が身ぶりで語るその生涯を、言葉の記録人シャモワゾーが必死に書きとっていくー植民地支配に抵抗した老人の闘いとは?その闘いのもつ意味とは?ゴンクール賞受賞作家が紡ぎだす、深い響きをたたえた物語。クレオール文学を超えた圧倒的な小説世界。
やんばる・奥の果樹園のシークヮーサーには驚くべき多様性が見られる。その背景には、異なる形質の果実に名前をつけ、意図的に維持してきた地域の人々の営みがあった。土地の「コトバ」、人々の「暮らし」、それを取り巻く「生きもの」の強固な連関を軸に、文化と自然が密に交感しながら多様性を育む様を明らかにするとともに、消滅危機に瀕する地域言語の継承問題にも焦点を当てる。