熊を追うまだぎの装束、灼熱の炉から鉄をとり出すたたら着、僧の着る白衣、座敷で客を迎える女将の着物。かつての着物は、私たちの生活に深くかかわっていた。働き着、普段着としての〈衣〉にこだわり、伝統技術を受け継ぐ人びと。その貴重な声を紡いだ労作。伝統の技、日々の知恵。着物でたどる、日本人の暮らし。
高校の生物学でも動物植物の分類学を含め、生理学、生化学、また最近注目の分子生物学や、分子遺伝学などの一部までかなり幅広く教える。そこには物理や化学の知識も必要になってくるし、ややこしい数学や統計の計算も少し入ってくる。ただ生き物の大きな特徴の一つは、必ずしもすべて割り切れる結果にならないことである。たとえば、物理的なことならほとんどのものは計算式で表わすことができる。その点、細胞や組織などの生き物の場合は、むしろ割り切れないことも意外と多い。しかしそこがまた面白く、魅力的なところである。本書は、その「生き物」の面白さ、不思議さに焦点をあてデジタルでは説明できない神秘を解き明かす。
幼い頃から着物になじんできた著者が箪笥の中身を大公開。苦労多かった母親が残した泥大島、直木賞授賞式に着た山茶花の訪問着など着物にまつわる思い出と歴史を綴ったエッセイは、著者が歩んできた人生をも物語っている。一月から順に並べられた着物のカラー写真は着物歳時記。和装の参考書にも適している。
エジプト、ギリシア・ローマ、アフリカ、インド、メキシコ、中国、オーストラリア、日本…世界の15の地域から選ばれた56の物語。今もなお人々の生活に深いところで影響を与えつづける神話や伝説を、古代の工芸品や絵画作品などの美しい美術品からよびおこし、詳しい注釈と解説を付けてみた。私たち日本人の創像力をはるかに超える驚くべき神々、野獣、そして英雄たちが大活躍。
私たちの知らない密室で、残虐で非科学的な実験が、日々繰り返されている。欧米の厖大な医学雑誌・新聞記事から資料を収集し、動物実験がいかに無意味で医療と薬品開発の方向を誤らせているかを明らかにした名著。
「お金は貰うけど体はあげないよ」江戸の下町、さくら長屋で暮らすよろず屋・瑠璃は、生まれは高貴でありながら、あまりの美貌ゆえの将軍の寵愛が災いを招き城を追放された身だ。二度と城内へ上がらぬこと。仕官せぬこと。役者陰間にならぬこと。本名を名乗らぬこと。妻を娶らぬこと。それを条件に死罪を免れたのだ。そんな瑠璃を女と間違い一目で恋に落ちたのは侍・女池龍之進だ。純情一路、まっすぐな瞳で自分をみつめてくる龍之進に瑠璃の心は揺れる。だがそんな時、瑠璃を狙う新たな陰謀が!?笑いと涙の純情艶恋物語。
ガーデニングにジャムづくり、フィッシングに骨董探し、そして「世界一美しい」田園風景といわれる湖水地方への旅ー。スコッチ・ウイスキーの伝道師として知られる著者が、カントリーサイドの街・ペッツウッドで暮らした五年間の四季折々の楽しみを、美しい写真と文でつづったイギリス田舎暮らし日記。
亜熱帯の島・八重山諸島。そこには豊かな自然がいっぱいある。そんな八重山の石垣島に移り住んで25年。人も生き物もいっしょに生きている八重山。そのシマの暮らしで体験した、人と自然との関わりをエッセイでつづる。
四季、琴線にふれた“命”の物語。相和して生きる“友”の詩。「家庭画報」好評連載を含む、待望の書。温もりと瑞々しさに酔う随筆56篇。
胡麻・桟切・緋・緋襷・牡丹餅・伏せ焼・青備前…名品の数々で鑑賞出来る。釉薬を使わず高温で焼いた焼き締め陶器・備前焼はどのような歴史と技法で今日まで育ってきたのかを理解したら、備前焼を見る・買う・作るで楽しんでみよう。備前焼のテキスト。
おだやかな釉の色合い。高麗茶碗と深いかかわりをもつ、さまざまな器形と高台。何よりも、温かで親しみあふれる萩焼の、初期から近代・現代に至るまで約80点の名品の鑑賞を中心に、歴史・技法・使って楽しむ萩焼、そして見る、買う、作るのコーナーなど幅広く紹介します。
世界的に有名なロビンス・ワールドカップの日本版で、優勝、準優勝に輝いた2人の一般投資家が実際のトレードを解説。
絢爛豪華な九谷焼の魅力満載!古九谷から現代の九谷までの色絵、青手、色絵金彩などの名品を満載。華麗な赤絵細描の技法や、釉裏金彩、上絵付、彩釉磁器から轆轤曳きの技法まで、九谷焼の技術を詳しく紹介。
狸のやきもので代表される信楽焼。荒々しい肌の中に浮かぶ美しい窯変の伊賀焼。歴史・風土・技法・焼成法・製品と、それぞれの異なった「美」を持つやきものですが、見たところ見分けがつきません。さあ、信楽焼・伊賀焼の特色・魅力を本書でマスターしてみませんか?あなたは、信楽焼・伊賀焼の達人です。