この本は、やきものという捕えどころのない物の輪郭を三つの視点から描こうと試みました。三つの視点とは、書名に示した値段、手引、図鑑です。図鑑のスタイルは近年流行のカタログに倣ったようにみえるかも知れません。しかしそこに手引を加えたことで、1冊の本としての体裁は保てたと思います。
大正・昭和の激動の時代を生きたひとりの女の歴史の折折に、忘れられない〈きもの〉があった。釧路の大実業家の長女として生れ、やがて染織研究家となった著者が、70年の人生とかさねて、それぞれの時代のきもの風俗や、日本を代表するきもの作家との交流をつづる、異色のきもの風俗70年の記録。
一本のアカシアの上のほうをキリン、ゾウが、その下をゲレヌクが、その下をクロサイ、レッサークズーが、さらにその下をディクディクが、というように、バランスよく“食いわけ”を行い、多くの種が生存しつづけていけるようになっているサバンナの自然界のしくみを見る。
創造的挑戦のすすめ。時代のニーズを掘り起こせ!フジサンケイグループの総帥が明かす、未来を切り拓く発想法。
繭から糸となり布に織られ、娘の晴着となり、嫁に贈られ、時を経て蒲団に再生され、はたきとなって命数が尽きる-。絹の巡る道が暗示する、女と着物のかかわりの深さと面白さ。数々の花模様の着物とそれに纒わる女たちの姿を鮮やかに描き、着物への愛着と思い出が美しく繰り広げられる、半自伝的エッセイ。
人間も、アリも、草花もー生きているしくみ、生きもののしくみについては、じつは、まだよくわかっていないことがたくさんあります。生きもののしくみの本体ー遺伝子。新しい生命科学の研究の結果わかってきた、遺伝子の基本的なところを、これからお話ししましょう。
美しいやきものは美しいふるさとから生まれる。そして美しい心の持ち主から。味わい豊かな日本各地の陶器、磁器は、その土地の永い歴史の中で、多くの郷土の人に愛され、用いられて、育ってきた。やきものの里を訪れ、人に触れ、美味を食す-。心優しい“やきもの愛好家”必読の旅のガイドブック。
三蔵法師が遥かに歩いたインドへの道を、著者は若き日からの憧れにうちふるえて旅する。ユーモアと知的歓喜溢れる「新西遊記」は陳紀行文学の出発点となる傑作。併せて宋末の乱世を映す「水滸伝」を収録。
世は弱肉強食の戦国時代。飛騨山中に豪族として知られる修羅館の嫡子・十郎太は、異常に鼻が大きく、無双の業を会得した偉丈夫だった。父の死後、忠僕猿丸を連れて、戦乱の諸国に流浪の旅に出る。“一命を捧げて悔いなき明君”を求め、合戦買いに明け暮れる十郎太だったが、由香里姫という絶世の美女を助けたことから…。ロマンを求めてやまぬ男の生涯を描く、痛快時代長篇。
財界総理の地位まで昇りつめながら一カ月の生活費は10万円程度という質素な暮らしをし、収入のほとんどを母・登美が創立した橘学苑に注ぎ込む…。「日本の破産」を食い止めようと行政改革に執年を燃やす90歳の“青年”土光敏夫の原点が、70歳にして独力で女子教育のための学苑を創立した母の姿にあることを鮮烈に綴った、感動の作品。
カブト山はわたしに、いろいろなことを教えてくれました。今まで、枯れ木が落ちていても、ただの枯れ木としか見ていませんでしたが、今では、生きものの“生活の場”として見るようになりました。小さな枯れ木の中にも、たくさんの生きものが生活していること、そしてそれらが、食べたり食べられたりしながら-つまり食物によってつながってくらしていることを理解していただきたいと思います。
魚も目でじっと見つめ、魚も耳でじっと聞き、魚も鼻であたりの匂いをかぐとき、わからなかったことが、だんだんとわかってくるのです。しっかり見つめることがとても大事なのです。